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衣食住に必要なものが欲しい
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あれから毎日、私はルイに抱きしめられて眠っている
ルイは絶対に私と離れて眠ろうとしない
目の前で私の存在が一瞬にしてかき消えたあの10日間は、ルイにとってトラウマになってしまったようで、1日の内の殆どの時間、気がつけば私と手を繋いでいる
ーー ルイが安心できるようになるまで、暫くは手を離してくれそうにないなぁ。う~ん、困った ーー
とりあえずルイの事は本人の気がすむまで、暫く放っておく事にした
そして私達が暮らすこの洞窟の中には、スライムが2匹いて、私達の排泄物を処理してくれている
異世界って本当にエコだなぁとつくづく思った
それからこの洞窟だけど、奥に行くと色んな鉱石の埋まった宝の場所だって事がわかった
私としては鍋や針等が作れれば良かったんだけど、それに必要な鉄鉱石のほかに、目の前の岩肌を適当に掘るだけで、なぜかアダマンタイトやミスリル鉱石なんかもわんさか出てきて驚いてしまった
これは多分一昨日の夜、私が寝る前に
「お鍋とか針とか作りたいから、色んな鉱石が欲しいんだけど、一番いいのはこの洞窟の中にある事だよね~。そしたらお手軽に取りたい放題なんだけど、世の中そんなに甘くないかぁ」
なんて何気に冗談で言ったら、見事にお願いチート発動しちゃったらしくて、それからここはお宝鉱石の眠る住居兼採掘場になってしまった
ははは………やっちまっただよ
昨日は適当に採掘した鉄鉱石を加工して、鍋とフライパンと焼き網と針を作りました
それでわかったことがあるんだよね
私のお願いチートも万能ではないと言うこと
それがね。昨日、採掘した鉱石から直接お鍋とかフライパンとかを作ろうとしたんだけど、できなかったんだよ
先ず、鉱石から素材のみ抽出して、それからそれを加工成形する
面倒臭がらず、きちんと手順を踏まないとダメみたいだった
で、昨夜は出来上がった鍋と焼き網を使って、ハーブたっぷりの具沢山野菜スープと焼肉にしました
肉の味は岩塩のみだけど、とりあえず網で焼いて食べました
スープは捨てずにとっておいたボアちゃんの骨と屑野菜とハーブでブイヨンを作り、それに野菜やハーブを入れて岩塩で味付けしたものをココナッツの殻によそって食べました
箸とかスプーンなんてないので、とりあえずその日は熱湯消毒した小枝を使って食べました
明日、スプーンとかフォークやおたまなんかを作りたいと思った私です
野菜を食べた事がないと言っていたルイは、初めて口にする野菜スープを一口飲んで
「オレ、これ、好き」
と言ったきり無言になり、物凄い勢いでスープを平らげた後、ココナッツの殻の容器に5杯もおかわりをしていた
ルイが野菜を食べるかどうかわからないなんて思ってた奴は誰だよ
私だよ
これは野菜の量もしっかり確保しなくちゃダメだと悟った私は、明日からの採集に気合いを入れたのだった
"のし"を川に浸けてから4日が経った
今日は"のし"を水から引き上げる日である
私はルイと手を繋いで洞窟から転移して川辺にやってきた
"のし"を浸したはずの川を見て、私とルイは驚いた
そこにあったはずの"のし"がなかったのだ
慌てて近寄ると、そこには軽く10mはあったはずの"のし"の葉肉が溶けてなくなり葉脈だけになって縮まった物が、1mばかりの長さの分厚いパイル地のような薄緑色の布になって水に浮かんでいたのだ
ーー これ、夢じゃないよね。10分の1に縮こまったから、水に溶けずに残った葉脈がぐっと縮んで荒かった目が狭くなり、丈夫な布になったって事かな?異世界って何でもありだなぁ。でも、これでルイのパンツが作れる ーー
実は、昨日私が洞窟に籠もって鍋や針等を作っている間に、ルイがポイズンスパイダーの糸を採ってきてくれたのだ
この糸は丈夫で伸縮性に優れているらしいので、パンツを縫うのにうってつけで、私はルイに感謝しきりだった
布を水から引き上げて回収すると同時に、また新しく''のし"を川に浸けておく
洞窟に帰り、"のし"からできた布を乾かしてる間に、私はハサミを作ることにした
そして出来上がったルイのパンツは、腰から落ちないようにポイズンスパイダーの糸を束ねて紐にして結べるようにしたこともあって、処女作にしては満足できるものだった
10枚あった布で、私はルイのパンツをとりあえず3枚作り、残った布はタオルとして使うことにした
ルイには、今付けている皮の腰みのの下に、このパンツをつけてもらうことにした
するとルイは無邪気に腰みのを取り、アレを隠すこともなくパンツを穿いて見せた
ーー わぁ~、どうしよう……ルイのアレ、しっかり見ちゃったよ……多分、似合うかどうか聞きたいんだろうな。目がキラキラしてるよ ーー
「ルイ、動きづらいとかない?」
「うん。オレ、これ、気に入った」
「それを穿いたルイはカッコいいけど、その上からいつもの腰みのを付けると、もっとカッコよくなると思うよ」
「もっと、カッコ、よくなる?オレ、腰みの、付ける」
ルイは喜んで腰みのを付けてくれた
なんだか、お母さんになった気分である
ルイがパンツを気に入ってくれた事で、私は期せずして見えていたルイのアレを、見なくてもよくなった事に安堵した
ーーとりあえず、最重要課題はクリアしたかな?ーー
ルイは絶対に私と離れて眠ろうとしない
目の前で私の存在が一瞬にしてかき消えたあの10日間は、ルイにとってトラウマになってしまったようで、1日の内の殆どの時間、気がつけば私と手を繋いでいる
ーー ルイが安心できるようになるまで、暫くは手を離してくれそうにないなぁ。う~ん、困った ーー
とりあえずルイの事は本人の気がすむまで、暫く放っておく事にした
そして私達が暮らすこの洞窟の中には、スライムが2匹いて、私達の排泄物を処理してくれている
異世界って本当にエコだなぁとつくづく思った
それからこの洞窟だけど、奥に行くと色んな鉱石の埋まった宝の場所だって事がわかった
私としては鍋や針等が作れれば良かったんだけど、それに必要な鉄鉱石のほかに、目の前の岩肌を適当に掘るだけで、なぜかアダマンタイトやミスリル鉱石なんかもわんさか出てきて驚いてしまった
これは多分一昨日の夜、私が寝る前に
「お鍋とか針とか作りたいから、色んな鉱石が欲しいんだけど、一番いいのはこの洞窟の中にある事だよね~。そしたらお手軽に取りたい放題なんだけど、世の中そんなに甘くないかぁ」
なんて何気に冗談で言ったら、見事にお願いチート発動しちゃったらしくて、それからここはお宝鉱石の眠る住居兼採掘場になってしまった
ははは………やっちまっただよ
昨日は適当に採掘した鉄鉱石を加工して、鍋とフライパンと焼き網と針を作りました
それでわかったことがあるんだよね
私のお願いチートも万能ではないと言うこと
それがね。昨日、採掘した鉱石から直接お鍋とかフライパンとかを作ろうとしたんだけど、できなかったんだよ
先ず、鉱石から素材のみ抽出して、それからそれを加工成形する
面倒臭がらず、きちんと手順を踏まないとダメみたいだった
で、昨夜は出来上がった鍋と焼き網を使って、ハーブたっぷりの具沢山野菜スープと焼肉にしました
肉の味は岩塩のみだけど、とりあえず網で焼いて食べました
スープは捨てずにとっておいたボアちゃんの骨と屑野菜とハーブでブイヨンを作り、それに野菜やハーブを入れて岩塩で味付けしたものをココナッツの殻によそって食べました
箸とかスプーンなんてないので、とりあえずその日は熱湯消毒した小枝を使って食べました
明日、スプーンとかフォークやおたまなんかを作りたいと思った私です
野菜を食べた事がないと言っていたルイは、初めて口にする野菜スープを一口飲んで
「オレ、これ、好き」
と言ったきり無言になり、物凄い勢いでスープを平らげた後、ココナッツの殻の容器に5杯もおかわりをしていた
ルイが野菜を食べるかどうかわからないなんて思ってた奴は誰だよ
私だよ
これは野菜の量もしっかり確保しなくちゃダメだと悟った私は、明日からの採集に気合いを入れたのだった
"のし"を川に浸けてから4日が経った
今日は"のし"を水から引き上げる日である
私はルイと手を繋いで洞窟から転移して川辺にやってきた
"のし"を浸したはずの川を見て、私とルイは驚いた
そこにあったはずの"のし"がなかったのだ
慌てて近寄ると、そこには軽く10mはあったはずの"のし"の葉肉が溶けてなくなり葉脈だけになって縮まった物が、1mばかりの長さの分厚いパイル地のような薄緑色の布になって水に浮かんでいたのだ
ーー これ、夢じゃないよね。10分の1に縮こまったから、水に溶けずに残った葉脈がぐっと縮んで荒かった目が狭くなり、丈夫な布になったって事かな?異世界って何でもありだなぁ。でも、これでルイのパンツが作れる ーー
実は、昨日私が洞窟に籠もって鍋や針等を作っている間に、ルイがポイズンスパイダーの糸を採ってきてくれたのだ
この糸は丈夫で伸縮性に優れているらしいので、パンツを縫うのにうってつけで、私はルイに感謝しきりだった
布を水から引き上げて回収すると同時に、また新しく''のし"を川に浸けておく
洞窟に帰り、"のし"からできた布を乾かしてる間に、私はハサミを作ることにした
そして出来上がったルイのパンツは、腰から落ちないようにポイズンスパイダーの糸を束ねて紐にして結べるようにしたこともあって、処女作にしては満足できるものだった
10枚あった布で、私はルイのパンツをとりあえず3枚作り、残った布はタオルとして使うことにした
ルイには、今付けている皮の腰みのの下に、このパンツをつけてもらうことにした
するとルイは無邪気に腰みのを取り、アレを隠すこともなくパンツを穿いて見せた
ーー わぁ~、どうしよう……ルイのアレ、しっかり見ちゃったよ……多分、似合うかどうか聞きたいんだろうな。目がキラキラしてるよ ーー
「ルイ、動きづらいとかない?」
「うん。オレ、これ、気に入った」
「それを穿いたルイはカッコいいけど、その上からいつもの腰みのを付けると、もっとカッコよくなると思うよ」
「もっと、カッコ、よくなる?オレ、腰みの、付ける」
ルイは喜んで腰みのを付けてくれた
なんだか、お母さんになった気分である
ルイがパンツを気に入ってくれた事で、私は期せずして見えていたルイのアレを、見なくてもよくなった事に安堵した
ーーとりあえず、最重要課題はクリアしたかな?ーー
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