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目指せ!人間生活②
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次は青と緑のどちらに行こうか
ーー ここからだと緑の方が近いから、緑にしようかな ーー
「ルイ、次に行こう!手、繋ぐね。場所を指定したら、多分さっきみたいに転移すると思うから。ひょっとしたら2人で一緒に移動したい時は、私に触れてないと同時に転移できないかもしれないしね。念のため」
「うん。手、繋ご」
ルイはギュッと手を握って、しっかり繋がれてるか確認してから私を見ると、ニッコリと笑った
身長が160cmの私と殆ど目線が変わらないルイは、私とほぼ同じかちょっと高いくらいだと思う
猿人類はあまり背が高くないのかもしれない
だから手を繋ぐと、目の前にルイの顔がある感じになる
「じゃぁ、行くよ!緑の点滅の所に行きたい!」
言い終わると同時に周囲の風景が変わった
「ルイ、無事に着いたみたい」
初めに転移した時と違って、今度は2人とも落ち着いて周りを見ることができている
まず、敵がいないか確認しないとね
ーー あ!敵や採取できる物があるかどうかも、合わせてマップに載ってると便利なのになぁ ーー
ピンポーン!という音と共に、頭の中にマップが現れた
直後、緑の点滅が橙色の点滅にサッと変わった
ーー 色が増えてる?これ、まるっと仕様が変わってるみたい………ねえ、これ、どうやって見るの?教えて?ーー
"赤い点滅が敵、黄色の点滅がほぼ無害な動物(魔物を含む)、緑の点滅が薬草、橙色が植物、青い点滅が鉱物、紫の点滅が毒物になります"
ーー う~ん……じゃあ個別に指定すれば、マップに名前を表記するとかできる?ーー
また、ピンポーン!という音が鳴り響いた
ーー 多分、大丈夫、いけるって事だよね。今回は、用途はわかってもそれの名前がわからないから、表記されないんだろうなぁ………さっき見た緑の点滅が全て橙色に変わってるのなら、まぁ、取り敢えず今回は橙色の所に行けば何とかなる筈だよね ーー
あらためて周りを見回すと、かなり広範囲に橙色の点滅が点在している
「ルイ。あっちにあるみたいだから、行こ?」
私はルイの手を引いて、一番近くにある橙色の点滅のところに行ってみた
そこには、元の世界で言うところの大きなサボテンがそびえ立っていた
うん、正しくそびえ立つと言うのが相応しい。高さは軽く10mはあるだろう見た目サボテンが、堂々と立っている。巨大な看板が隙間なく何枚も重なっている様を想像してほしい
「凄い!大きいねえ!」
「これ、色んなとこ、生えてる。オレ、知ってる」
「ルイ、知ってるの?これ、何て名前?」
「それは………名前…知らない。でも、あるとこ、知ってる」
「次はマップじゃなくて、ルイにこれが生えてるところ、教えてもらおうかな?」
「ま、任せて!オレ、頑張る」
「うん、その時はよろしくね」
ルイは物凄く嬉しそうに笑った
ーー さてと…これが何か調べなくちゃね。これの名前と使い方を教えて?ーー
またまた、ピンポーン!と頭の中に鳴り響いた
"これは、'のし'です。表面の皮を取り除いてから水に2~3日つけておくと、細かい葉脈だけが残り、タオルとして使えます"
ーー!!!!!!!異世界ハンパない!超便利じゃん!!ねぇ、これで服とか作れる?ーー
"染めることは出来ませんが、丈夫で肌触りも良く吸水性にも優れています"
ーー 何それ!万能やん!決めた!色なんか付いて無くても無問題!ルイの下着はこれで作ろう!ーー
「ねぇ、ルイ。これで布が作れるんだって。採ったら水に浸けておかないといけないみたいだけど、これはたくさん欲しいかな?無限収納があるから、保管場所にも困らないし」
「わかった!それ!はぁぁぁ!!」
言うや否や、ルイは徐に目の前にそびえる'のし'にその拳を繰り出した
ズドーーーーーーーン!!!!!
そこにあった'のし'は、高さが10m以上、外周は大人10人が手を繋いでやっとぐるりと周りを取り囲めるくらいの大きさの物だったはず
それをルイは拳一つで軽く倒しちゃった
。。。。。。。。。。。
あんぐりと口を開けたまま、倒れた'のし'を見てから、まるで油の切れたロボットのように、ギギギなんて漫画の擬音が似合いそうな、そんなぎこちない仕草で、ルイと私は互いの顔を見合った
ーー これってマシュマロやスポンジでできてるわけじゃないよね?倒れる時にそれなりに重量のある音がしたものーー
「………あの………ルイって何かの達人だったりする?」
「ち、違う……こんなの、はじめて……オレ、今までと、同じ、力で、殴った、はず……オレ、体、おかしく、なった?」
「ルイ!ひょっとして、私が神様の所から戻ってから、何かこうなりたいとか、こうしたいとか思った?」
「うん……ヒロ、守りたい、強くなりたい、思った」
「あ!たぶん、それだ!私、神様に私とルイが願ったことが叶うようにチートを下さいってお願いしてきたから。だから、ルイ、きっと今までよりも絶対に強くなってるはずよ」
ルイは自分の掌を暫く見つめた後、私に向き直り、泣きそうな顔になった
「ヒロ……オレ、怖く、ない?ヒロ、オレ、嫌いに、なる?」
「嫌いになんかなるわけないじゃない!ルイは凄いなぁ、強いんだなぁって、カッコいいなって思ったよ!」
「オレ、カッコ、いい?」
「うん、カッコいい」
「ヒロ!大好き!オレ、ヒロ、守る!」
私が出会った異世界のヒーローは、背が低くて、胴長短足で、ガニ股で猫背で、猿顔で超毛深くて、体臭と口臭のきつい、猿人類でした
異世界のヒーローは皆んな背が高くて金髪碧眼のイケメンじゃなかったのか
元の世界で見たラノベでは、テンプレだったぞ
現実は、どこの世界でも厳しいということを、神様に教えていただきました(目一杯へりくだる)
ーー ここからだと緑の方が近いから、緑にしようかな ーー
「ルイ、次に行こう!手、繋ぐね。場所を指定したら、多分さっきみたいに転移すると思うから。ひょっとしたら2人で一緒に移動したい時は、私に触れてないと同時に転移できないかもしれないしね。念のため」
「うん。手、繋ご」
ルイはギュッと手を握って、しっかり繋がれてるか確認してから私を見ると、ニッコリと笑った
身長が160cmの私と殆ど目線が変わらないルイは、私とほぼ同じかちょっと高いくらいだと思う
猿人類はあまり背が高くないのかもしれない
だから手を繋ぐと、目の前にルイの顔がある感じになる
「じゃぁ、行くよ!緑の点滅の所に行きたい!」
言い終わると同時に周囲の風景が変わった
「ルイ、無事に着いたみたい」
初めに転移した時と違って、今度は2人とも落ち着いて周りを見ることができている
まず、敵がいないか確認しないとね
ーー あ!敵や採取できる物があるかどうかも、合わせてマップに載ってると便利なのになぁ ーー
ピンポーン!という音と共に、頭の中にマップが現れた
直後、緑の点滅が橙色の点滅にサッと変わった
ーー 色が増えてる?これ、まるっと仕様が変わってるみたい………ねえ、これ、どうやって見るの?教えて?ーー
"赤い点滅が敵、黄色の点滅がほぼ無害な動物(魔物を含む)、緑の点滅が薬草、橙色が植物、青い点滅が鉱物、紫の点滅が毒物になります"
ーー う~ん……じゃあ個別に指定すれば、マップに名前を表記するとかできる?ーー
また、ピンポーン!という音が鳴り響いた
ーー 多分、大丈夫、いけるって事だよね。今回は、用途はわかってもそれの名前がわからないから、表記されないんだろうなぁ………さっき見た緑の点滅が全て橙色に変わってるのなら、まぁ、取り敢えず今回は橙色の所に行けば何とかなる筈だよね ーー
あらためて周りを見回すと、かなり広範囲に橙色の点滅が点在している
「ルイ。あっちにあるみたいだから、行こ?」
私はルイの手を引いて、一番近くにある橙色の点滅のところに行ってみた
そこには、元の世界で言うところの大きなサボテンがそびえ立っていた
うん、正しくそびえ立つと言うのが相応しい。高さは軽く10mはあるだろう見た目サボテンが、堂々と立っている。巨大な看板が隙間なく何枚も重なっている様を想像してほしい
「凄い!大きいねえ!」
「これ、色んなとこ、生えてる。オレ、知ってる」
「ルイ、知ってるの?これ、何て名前?」
「それは………名前…知らない。でも、あるとこ、知ってる」
「次はマップじゃなくて、ルイにこれが生えてるところ、教えてもらおうかな?」
「ま、任せて!オレ、頑張る」
「うん、その時はよろしくね」
ルイは物凄く嬉しそうに笑った
ーー さてと…これが何か調べなくちゃね。これの名前と使い方を教えて?ーー
またまた、ピンポーン!と頭の中に鳴り響いた
"これは、'のし'です。表面の皮を取り除いてから水に2~3日つけておくと、細かい葉脈だけが残り、タオルとして使えます"
ーー!!!!!!!異世界ハンパない!超便利じゃん!!ねぇ、これで服とか作れる?ーー
"染めることは出来ませんが、丈夫で肌触りも良く吸水性にも優れています"
ーー 何それ!万能やん!決めた!色なんか付いて無くても無問題!ルイの下着はこれで作ろう!ーー
「ねぇ、ルイ。これで布が作れるんだって。採ったら水に浸けておかないといけないみたいだけど、これはたくさん欲しいかな?無限収納があるから、保管場所にも困らないし」
「わかった!それ!はぁぁぁ!!」
言うや否や、ルイは徐に目の前にそびえる'のし'にその拳を繰り出した
ズドーーーーーーーン!!!!!
そこにあった'のし'は、高さが10m以上、外周は大人10人が手を繋いでやっとぐるりと周りを取り囲めるくらいの大きさの物だったはず
それをルイは拳一つで軽く倒しちゃった
。。。。。。。。。。。
あんぐりと口を開けたまま、倒れた'のし'を見てから、まるで油の切れたロボットのように、ギギギなんて漫画の擬音が似合いそうな、そんなぎこちない仕草で、ルイと私は互いの顔を見合った
ーー これってマシュマロやスポンジでできてるわけじゃないよね?倒れる時にそれなりに重量のある音がしたものーー
「………あの………ルイって何かの達人だったりする?」
「ち、違う……こんなの、はじめて……オレ、今までと、同じ、力で、殴った、はず……オレ、体、おかしく、なった?」
「ルイ!ひょっとして、私が神様の所から戻ってから、何かこうなりたいとか、こうしたいとか思った?」
「うん……ヒロ、守りたい、強くなりたい、思った」
「あ!たぶん、それだ!私、神様に私とルイが願ったことが叶うようにチートを下さいってお願いしてきたから。だから、ルイ、きっと今までよりも絶対に強くなってるはずよ」
ルイは自分の掌を暫く見つめた後、私に向き直り、泣きそうな顔になった
「ヒロ……オレ、怖く、ない?ヒロ、オレ、嫌いに、なる?」
「嫌いになんかなるわけないじゃない!ルイは凄いなぁ、強いんだなぁって、カッコいいなって思ったよ!」
「オレ、カッコ、いい?」
「うん、カッコいい」
「ヒロ!大好き!オレ、ヒロ、守る!」
私が出会った異世界のヒーローは、背が低くて、胴長短足で、ガニ股で猫背で、猿顔で超毛深くて、体臭と口臭のきつい、猿人類でした
異世界のヒーローは皆んな背が高くて金髪碧眼のイケメンじゃなかったのか
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