7 / 24
6.断ち切るッ(マエル)
しおりを挟む
「綺麗……」
自然に私が呟くと、スティーブさんが「砂浜の方に降りて、もっと近くで見てみようよ!」と笑いかけてきた。
「うん!」
ものっすごいテンションが上がり、彼と一緒に丘から砂浜へと降りていく。段々と近づいてくる波打ち際。寄せては引いていく、心地の良い波音に癒される。
海に来たのなんていつぶりだろうか。多分10年以上前、お父さんに連れられてきた以来かも。
「やっぱ風が少し冷たいな。寒くないかい?」
「ううん……着込んできたから、大丈夫だよ」
しかし彼は、懐から銀製器のホッカイロを取り出して「はい」と手渡してきた。屋敷を出る前に暖炉から炭を拝借してたのは、ホッカイロに詰めるためだったみたい。
「あ、ありがとう」とお礼をして、握りしめる。
大丈夫だよって、言ったのに……でも、すごい嬉しい。
冷えた指先に、じんわりと染みるホッカイロの温かさに有り難みを感じつつ、隣で海を眺めるスティーブさんを見上げて尋ねる。
「どうして、海に連れてきてくれたの……?」
彼が視線をそのままに、口を開いた。
「ここ、気分が落ちた時によく来るんだ。どっちかというと、今日は俺が来たかったのもあるかな……」
思えば彼も財産を失ったばかり。その心中が穏やかでないのは解る。
「そっか……というか、スティーブさんも普段落ち込むことあるんだ」
「ははは、もちろんだよ! タクシーの仕事してると、嫌味なお客さんに結構当たっちゃったりすることもあってさ」
彼はリスドンで仕事をしていた時の、苦悩話をしてくれた。
酔っ払ったお客にシートへ嘔吐されたり。
無賃乗車で逃げられたり。
過度に“スピードを出せ”と後からシートを蹴飛ばされたり。
色々と無秩序なお客達のせいで心労が絶えない、と語るスティーブさん。
「酷い人達だね……」
「まぁな。でもこんな広い海を見てると、自分の悩みなんか、ちっぽけに思えたりするんだ」
「そうね……」
「マエルの悩みがちっぽけって言いたいわけじゃないんだけど、君の気分が“少しでも晴れてくれたらいいなぁ~”なんて思ってさ」
「ん……」
また返事が出来ないくらい、胸が締め付けられる。
満面の笑みを浮かべるスティーブさんから、再び海に視線を移して見渡す。夏は海水浴で賑わう浜辺も、この時期は人っこ一人いない。
薄らと横一線に伸びる地平線をじっと眺めてると、意識がぼーとしてくる。するとスティーブさんが、足元にあった小石へおもむろに手を伸ばした。
「ホントにむしゃくしゃしてる時なんかは、こんな風に転がってる石とか拾って、大声で叫びながら海へ投げたりするんだ!」
「へぇ~! 今なら誰もいないから気にせず叫べるし、何かスッキリしそう!」
そういうと、彼が上に投げていた小石をパシッと右手に握って「じゃあ、お手本見せてあげるよ!」と言い始める。さらに、何か思い付いたようにこちらを見てきた。
「じゃあ、ここでクイズです! 俺は何と叫ぶでしょーか? へっへっへ~、もし正解したら帰りにココア奢ってあげるよ!」
どこか挑発じみた出題に、私は頬に人差し指を添えた。
「え~、何だろ……って、今私が答えたらクイズにならなくない?」
彼が「へ?」と目を丸める。
「だって、答えと別なこと叫ぶだけでしょ? それだと勝負にならなくない?」
「あ~そっか! なら頭の中で想像しててよ! 俺が叫んだ後で答え変えるとかナシね!」
「う、う~ん」
何それ……私の勝ち確じゃん。
本当に天然なんだ――と、笑うのを堪えながらも、ひとまず彼が何と叫ぶか予想してみる。
何だろう?
やっぱ“株の馬鹿野郎”とかかな?
ニヤける口元を両手で隠しながら見ていると、息を吸った彼は大きく振りかぶり――。
「こんのぉ、株の馬鹿野郎ぉぉぉおおッ!!」
と、引くくらい叫んで小石を投げた。
遠くの方までピュ~と飛んでいった小石が、ポチャンッと海に沈む。
「あはは、ちょっとやめてよ~!」
あまりのドンピシャさに、思わず吹き出してしまう。お腹を抱える私を見たスティーブさんがキョトンとする。
「そ、そんなに笑われるほど、変なこと叫んだか俺?」
「違う違う、想像通り過ぎて笑っちゃったの!」
「えーッ! まさか当たっちゃった感じ!?」
目頭を押さえながら「うん、笑い過ぎて涙出ちゃいそう……」と返したら、スティーブさんが苦笑いで首の後ろに手を回した。
「なんだよチクショ~。タクシー客のこと想像してると思ってたのになぁ。仕方ないからココア奢るよ!」
「え、本当にいいの?」
「何で? 全然いいよ?」
負けを認めちゃうところが純粋というか、可愛いというか。
「よし、次はマエルの番だね!」
「うそ? 私も叫ぶの? えーやだやだ、恥ずかしいよ」
「恥ずかしいも何も、誰もいないじゃん」
貴方の前で叫ぶのが恥ずかしいんだって。
「そうじゃなくて……あ、ほら! もう投げるモノも見当たらないし!」
きめの細かい砂浜には小石や貝殻が殆どなく、さっきスティーブさんが投げた小石を最後に、周辺には何も落ちていなかった。
「投げるものなら、ここにあるよ」
と、彼が差し出してきたのは――私があげたティアラとネックレスだった。
「石なんかより、これ投げる方がスッキリするっしょ」
「ちょっと待って、それはダメだよ! スティーブさんの損を埋めてもらうために私が上げたんだから」
一歩後退りする私に、彼は真剣な面持ちで首を横に振った。
「いいんだっつの、そんなこと気にしなくて! マエルの気持ちの方が大事なんだから」
と、私の手を取ったスティーブさんが、ティアラとネックレスを強引に手のひらへ置いてくる。
トクン……トクン……。
「ほら早く、一思いに投げちゃえって」
「……う、うん」
スティーブさんは後ろに下がると、どこか未練を感じさせるように、大きく深呼吸して空を仰いだ。
「や、やっぱりやめようよ……他に石とか探せば――」
「いいって、それじゃなきゃダメなんだ! 自分を苦しめてくる想いをここで断ち切るんだ。精一杯叫ぶんだよ? いいね?」
「……うん……わかった」
後押しされた私はゴクリと唾を飲み込み、手のひらに乗る2つのアクセサリーを見つめてたら、キリアンの言葉が脳裏に蘇ってきた。
『素敵なティアラありがとう! 結婚式でこれ付けるの、すっごい楽しみ!』
『そうだろ。愛してるよ……マエル――』
そして――思い出したくない記憶まで。
『俺が大学で必死に勉強してた時に、お前は抜けぬけと他の男に抱かれてた訳だ。そんなにこの男と身体の相性が良かったのか? 心底失望した――』
『はぁ~、往生際の悪い女だな。写真は嘘を吐かないだろ? ――』
あの日、応接間を出る際に私が惜しむように振り返っても、キリアンは黙ってまま目すら合わせてくれなかった。
それからは、毎日が虚無感に蝕まれる、地獄のような日々を送り続けた。
腹の底から込み上げてくる、深い混沌とした悲しみ。それを怒りへ変えるように、深呼吸する。
私は……浮気なんてしてない!
「キリアンなんか……キリアンなんか、汽車に轢かれてくたばっちゃえーッ!」
渾身の力を込めて投げたティアラとネックレスは――大きな放物線を描いてパシャンと海面に飛沫をあげて消えていった。
「はぁ……はぁ……」
落ちた場所は、スティーブさんが投げた半分にも満たない距離。それでも、今の私が投げられる限界だったと思う。
途端に涙が溢れ出てきて、目の前の風景がどんどん滲んでいく。力尽きたように、その場にペタンと座り込む。
気付けば、自分でもビックリするくらい声をあげて泣いていた。拭いても拭いても、涙が止まらない。
人前で泣けない私ですら、一人でここまで泣いたことなんて、あっただろうか。
すると――しゃがみ込んだスティーブさんが、私の横にぴったりと寄り添って、背中を摩り始めた。
「……」
何か声をかけられるのかと思ってたけど、彼は黙ったまま……ひたすらに優しく、ゆっくりと摩り続けてくれた――。
自然に私が呟くと、スティーブさんが「砂浜の方に降りて、もっと近くで見てみようよ!」と笑いかけてきた。
「うん!」
ものっすごいテンションが上がり、彼と一緒に丘から砂浜へと降りていく。段々と近づいてくる波打ち際。寄せては引いていく、心地の良い波音に癒される。
海に来たのなんていつぶりだろうか。多分10年以上前、お父さんに連れられてきた以来かも。
「やっぱ風が少し冷たいな。寒くないかい?」
「ううん……着込んできたから、大丈夫だよ」
しかし彼は、懐から銀製器のホッカイロを取り出して「はい」と手渡してきた。屋敷を出る前に暖炉から炭を拝借してたのは、ホッカイロに詰めるためだったみたい。
「あ、ありがとう」とお礼をして、握りしめる。
大丈夫だよって、言ったのに……でも、すごい嬉しい。
冷えた指先に、じんわりと染みるホッカイロの温かさに有り難みを感じつつ、隣で海を眺めるスティーブさんを見上げて尋ねる。
「どうして、海に連れてきてくれたの……?」
彼が視線をそのままに、口を開いた。
「ここ、気分が落ちた時によく来るんだ。どっちかというと、今日は俺が来たかったのもあるかな……」
思えば彼も財産を失ったばかり。その心中が穏やかでないのは解る。
「そっか……というか、スティーブさんも普段落ち込むことあるんだ」
「ははは、もちろんだよ! タクシーの仕事してると、嫌味なお客さんに結構当たっちゃったりすることもあってさ」
彼はリスドンで仕事をしていた時の、苦悩話をしてくれた。
酔っ払ったお客にシートへ嘔吐されたり。
無賃乗車で逃げられたり。
過度に“スピードを出せ”と後からシートを蹴飛ばされたり。
色々と無秩序なお客達のせいで心労が絶えない、と語るスティーブさん。
「酷い人達だね……」
「まぁな。でもこんな広い海を見てると、自分の悩みなんか、ちっぽけに思えたりするんだ」
「そうね……」
「マエルの悩みがちっぽけって言いたいわけじゃないんだけど、君の気分が“少しでも晴れてくれたらいいなぁ~”なんて思ってさ」
「ん……」
また返事が出来ないくらい、胸が締め付けられる。
満面の笑みを浮かべるスティーブさんから、再び海に視線を移して見渡す。夏は海水浴で賑わう浜辺も、この時期は人っこ一人いない。
薄らと横一線に伸びる地平線をじっと眺めてると、意識がぼーとしてくる。するとスティーブさんが、足元にあった小石へおもむろに手を伸ばした。
「ホントにむしゃくしゃしてる時なんかは、こんな風に転がってる石とか拾って、大声で叫びながら海へ投げたりするんだ!」
「へぇ~! 今なら誰もいないから気にせず叫べるし、何かスッキリしそう!」
そういうと、彼が上に投げていた小石をパシッと右手に握って「じゃあ、お手本見せてあげるよ!」と言い始める。さらに、何か思い付いたようにこちらを見てきた。
「じゃあ、ここでクイズです! 俺は何と叫ぶでしょーか? へっへっへ~、もし正解したら帰りにココア奢ってあげるよ!」
どこか挑発じみた出題に、私は頬に人差し指を添えた。
「え~、何だろ……って、今私が答えたらクイズにならなくない?」
彼が「へ?」と目を丸める。
「だって、答えと別なこと叫ぶだけでしょ? それだと勝負にならなくない?」
「あ~そっか! なら頭の中で想像しててよ! 俺が叫んだ後で答え変えるとかナシね!」
「う、う~ん」
何それ……私の勝ち確じゃん。
本当に天然なんだ――と、笑うのを堪えながらも、ひとまず彼が何と叫ぶか予想してみる。
何だろう?
やっぱ“株の馬鹿野郎”とかかな?
ニヤける口元を両手で隠しながら見ていると、息を吸った彼は大きく振りかぶり――。
「こんのぉ、株の馬鹿野郎ぉぉぉおおッ!!」
と、引くくらい叫んで小石を投げた。
遠くの方までピュ~と飛んでいった小石が、ポチャンッと海に沈む。
「あはは、ちょっとやめてよ~!」
あまりのドンピシャさに、思わず吹き出してしまう。お腹を抱える私を見たスティーブさんがキョトンとする。
「そ、そんなに笑われるほど、変なこと叫んだか俺?」
「違う違う、想像通り過ぎて笑っちゃったの!」
「えーッ! まさか当たっちゃった感じ!?」
目頭を押さえながら「うん、笑い過ぎて涙出ちゃいそう……」と返したら、スティーブさんが苦笑いで首の後ろに手を回した。
「なんだよチクショ~。タクシー客のこと想像してると思ってたのになぁ。仕方ないからココア奢るよ!」
「え、本当にいいの?」
「何で? 全然いいよ?」
負けを認めちゃうところが純粋というか、可愛いというか。
「よし、次はマエルの番だね!」
「うそ? 私も叫ぶの? えーやだやだ、恥ずかしいよ」
「恥ずかしいも何も、誰もいないじゃん」
貴方の前で叫ぶのが恥ずかしいんだって。
「そうじゃなくて……あ、ほら! もう投げるモノも見当たらないし!」
きめの細かい砂浜には小石や貝殻が殆どなく、さっきスティーブさんが投げた小石を最後に、周辺には何も落ちていなかった。
「投げるものなら、ここにあるよ」
と、彼が差し出してきたのは――私があげたティアラとネックレスだった。
「石なんかより、これ投げる方がスッキリするっしょ」
「ちょっと待って、それはダメだよ! スティーブさんの損を埋めてもらうために私が上げたんだから」
一歩後退りする私に、彼は真剣な面持ちで首を横に振った。
「いいんだっつの、そんなこと気にしなくて! マエルの気持ちの方が大事なんだから」
と、私の手を取ったスティーブさんが、ティアラとネックレスを強引に手のひらへ置いてくる。
トクン……トクン……。
「ほら早く、一思いに投げちゃえって」
「……う、うん」
スティーブさんは後ろに下がると、どこか未練を感じさせるように、大きく深呼吸して空を仰いだ。
「や、やっぱりやめようよ……他に石とか探せば――」
「いいって、それじゃなきゃダメなんだ! 自分を苦しめてくる想いをここで断ち切るんだ。精一杯叫ぶんだよ? いいね?」
「……うん……わかった」
後押しされた私はゴクリと唾を飲み込み、手のひらに乗る2つのアクセサリーを見つめてたら、キリアンの言葉が脳裏に蘇ってきた。
『素敵なティアラありがとう! 結婚式でこれ付けるの、すっごい楽しみ!』
『そうだろ。愛してるよ……マエル――』
そして――思い出したくない記憶まで。
『俺が大学で必死に勉強してた時に、お前は抜けぬけと他の男に抱かれてた訳だ。そんなにこの男と身体の相性が良かったのか? 心底失望した――』
『はぁ~、往生際の悪い女だな。写真は嘘を吐かないだろ? ――』
あの日、応接間を出る際に私が惜しむように振り返っても、キリアンは黙ってまま目すら合わせてくれなかった。
それからは、毎日が虚無感に蝕まれる、地獄のような日々を送り続けた。
腹の底から込み上げてくる、深い混沌とした悲しみ。それを怒りへ変えるように、深呼吸する。
私は……浮気なんてしてない!
「キリアンなんか……キリアンなんか、汽車に轢かれてくたばっちゃえーッ!」
渾身の力を込めて投げたティアラとネックレスは――大きな放物線を描いてパシャンと海面に飛沫をあげて消えていった。
「はぁ……はぁ……」
落ちた場所は、スティーブさんが投げた半分にも満たない距離。それでも、今の私が投げられる限界だったと思う。
途端に涙が溢れ出てきて、目の前の風景がどんどん滲んでいく。力尽きたように、その場にペタンと座り込む。
気付けば、自分でもビックリするくらい声をあげて泣いていた。拭いても拭いても、涙が止まらない。
人前で泣けない私ですら、一人でここまで泣いたことなんて、あっただろうか。
すると――しゃがみ込んだスティーブさんが、私の横にぴったりと寄り添って、背中を摩り始めた。
「……」
何か声をかけられるのかと思ってたけど、彼は黙ったまま……ひたすらに優しく、ゆっくりと摩り続けてくれた――。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる