101 / 139
幕間4 前夜祭
強さの謎
しおりを挟む
ぬらりひょんだけが消えた一室。
今は落ち着いた様子で大天狗は腕組みをしながら、ナナシは相変わらずニコニコして、二人は円卓を囲んで座っている。
「・・・まったくもって、高天原の連中はあいも変わらんな・・・。」
大天狗はそう言いながら、ぬらりひょんが残した茶請けを頬張る。
「あの方々にはあの方々なりの考えがあります・・・私達がどうこう言おうが何かが変わることはありません。」
ナナシは大天狗の批判も何処吹く風と受け流す。
「霊界の統治を任されているオヌシがそういうなら、ワシから何かを上に言うつもりは無い。だが、少年に対しては、もし上が少年の望まぬことをするならば、小さき抵抗はさせてもらう・・・。」
大天狗は腕組みをしながら、静かな怒りを言葉に乗せて、ナナシの残している茶請けに目をやる。ナナシは当然かのように茶請けを大天狗に渡して、大天狗はそれも頬張った。
「しかしながら・・・ワシにも気になる事がひとつある?」
大天狗は腕組みする左手だけをアゴに持っていき、アゴを触りながらナナシに話を切り出す。
「なんでしょう?」
ナナシは首をかしげながら大天狗の問いに備えた。
「・・・ぬらりひょんの思考と重なるのはシャクじゃが、少年の強さについてだ・・・。」
大天狗はポツリと少し不満げに言葉を呟く。
「・・・・・・。」
ナナシはニコニコしながらも黙っている。
「少年は確かに善人じゃろう・・・霊界ではそれが何よりも大事・・・じゃがしかし、強すぎる。ろ組の悪霊ならともかく、い組・・・ましてや、妖怪化しようとした悪霊まで、造作なく滅消《めっしょう》したと聞く・・・いくらなんでも、何十年も魂を磨き上げたものですら、そうそう到達できぬ次元を有に越えておる。異常じゃっ・・・。」
大天狗はそこまでいうと椅子に身体を預けて、真剣な目でナナシを見て、返答を待つ。
「・・・・・・私が何か手心を加えたと?」
ナナシは大天狗の望む言葉を口にした。が、疑問を更に呈するように言う。
「・・・違うのか?」
大天狗はナナシの言葉をさらに問い返す。
「フフフッ、私は霊界の管理を任されている者ですよ・・・決して誰かを選んで、エコヒイキをしたりしませんよ。」
ナナシは大天狗の真剣な目を受けきって、真正面から笑い飛ばす。
「・・・しかしだな・・・。」
大天狗はナナシのキッパリとした返答に納得できないようで、一歩も引かない。
大天狗の不満そうな顔を見ながら、ナナシはニコニコと表情を崩さない。
「・・・善朗君は善人です・・・その短い人生の善行だけでは納得できないのであれば、輪廻の揺り戻しなのではないでしょうか?」
ナナシは一切笑顔を崩さずに大天狗に堂々とそう答える。
未だ解答に不満そうな大天狗だったが、肩をすぼめて、表情を緩める。
「・・・分かった。ヌシがそこまで言うならば、そうなのだろう・・・茶請けはさすがにうまかった・・・ワシも失礼しよう。」
大天狗はジッとナナシの細い目をしばらく見た後、観念したように目線を外し、静かに席を立って、部屋から出て行った。
「・・・納得されてないみたいね。」
大天狗が出て行ったナナシ一人と思われた部屋に女性の声が響く。
「・・・気晴らしにしては、少々やりすぎのような気がしますが・・・。ぬらりひょんは気付いていたみたいですよ。」
ナナシは突然聞こえてきた声にも動揺する事無く、大天狗が出て行った扉をニコニコと眺めている。そして、右手に握りこんでいた何かを人差し指と親指で挟んで、誰かに見えるように顔の位置まであげる。
「あらっ・・・さすがね。」
闇の中から姿を現した伊予がナナシが掴んでいたモノをサッと奪って、ニコリと笑う。
「大神《おおかみ》、戯れも程ほどにしていただきませんと・・・。」
ナナシはそう言いながら、サッと席から立ち上がり、伊予に向かって会釈をする。
「ツクヨミみたいに固い事いわないの・・・息抜きなんだから。」
大神と言われた伊予はナナシを軽くあしらう。
「差し出がましい事でしたか・・・もうしわけありません。」
ナナシはニコニコしながら再度軽い会釈を伊予にする。
「・・・それにしても、奇妙な巡り合わせね・・・私達の子がよりにもよって、善朗君に惹かれるのも・・・。」
伊予がニコニコしながら出入り口の方を見る。
「オホンッ・・・大神、その言い方は御幣《ごへい》がありますので・・・。」
ナナシの笑顔が始めて曇る。
「はいはい、私達、皆の娘ね・・・これでいい?」
ナナシの指摘にやれやれと呆れながら伊予は言葉を言い換える。
「ありがとうございます、大神・・・我々、皆の娘、乃華はいい子です。乃華が選ぶのならば・・・それは正しい道です。」
ナナシは笑顔を取り戻して誰に言うでもなく、そう話す。
「貴方の後継者として、生まれたはずなのに・・・それでもいいの?」
伊予がニッコリと笑って、ナナシに尋ねる。
「・・・それも含めて、神の賽《さい》の目の中ということです。」
ナナシも負けずににこりと笑い、伊予にそう答える。
「フフッ、神様がいうなら間違いないわねっ。」
伊予はナナシの言葉にクスリと笑った。
「・・・善朗君には、望まぬ運命を背負わせてしまったわね。」
伊予は笑顔を崩し、そう続ける。
伊予の後方に従えていたナナシも真剣な顔をして、口を開く。
「しかし、あの子でしか成し得ない運命なのかもしれません。私としても、間違った人選とは思いません・・・彼だからこそ、私はやり遂げてくれると信じております。」
ナナシは全てを信じ、善朗に託すようにそう話す。
「・・・全ては神の賽の目の中・・・ね・・・。」
伊予はそう言うと目線を虚空に向けた。
今は落ち着いた様子で大天狗は腕組みをしながら、ナナシは相変わらずニコニコして、二人は円卓を囲んで座っている。
「・・・まったくもって、高天原の連中はあいも変わらんな・・・。」
大天狗はそう言いながら、ぬらりひょんが残した茶請けを頬張る。
「あの方々にはあの方々なりの考えがあります・・・私達がどうこう言おうが何かが変わることはありません。」
ナナシは大天狗の批判も何処吹く風と受け流す。
「霊界の統治を任されているオヌシがそういうなら、ワシから何かを上に言うつもりは無い。だが、少年に対しては、もし上が少年の望まぬことをするならば、小さき抵抗はさせてもらう・・・。」
大天狗は腕組みをしながら、静かな怒りを言葉に乗せて、ナナシの残している茶請けに目をやる。ナナシは当然かのように茶請けを大天狗に渡して、大天狗はそれも頬張った。
「しかしながら・・・ワシにも気になる事がひとつある?」
大天狗は腕組みする左手だけをアゴに持っていき、アゴを触りながらナナシに話を切り出す。
「なんでしょう?」
ナナシは首をかしげながら大天狗の問いに備えた。
「・・・ぬらりひょんの思考と重なるのはシャクじゃが、少年の強さについてだ・・・。」
大天狗はポツリと少し不満げに言葉を呟く。
「・・・・・・。」
ナナシはニコニコしながらも黙っている。
「少年は確かに善人じゃろう・・・霊界ではそれが何よりも大事・・・じゃがしかし、強すぎる。ろ組の悪霊ならともかく、い組・・・ましてや、妖怪化しようとした悪霊まで、造作なく滅消《めっしょう》したと聞く・・・いくらなんでも、何十年も魂を磨き上げたものですら、そうそう到達できぬ次元を有に越えておる。異常じゃっ・・・。」
大天狗はそこまでいうと椅子に身体を預けて、真剣な目でナナシを見て、返答を待つ。
「・・・・・・私が何か手心を加えたと?」
ナナシは大天狗の望む言葉を口にした。が、疑問を更に呈するように言う。
「・・・違うのか?」
大天狗はナナシの言葉をさらに問い返す。
「フフフッ、私は霊界の管理を任されている者ですよ・・・決して誰かを選んで、エコヒイキをしたりしませんよ。」
ナナシは大天狗の真剣な目を受けきって、真正面から笑い飛ばす。
「・・・しかしだな・・・。」
大天狗はナナシのキッパリとした返答に納得できないようで、一歩も引かない。
大天狗の不満そうな顔を見ながら、ナナシはニコニコと表情を崩さない。
「・・・善朗君は善人です・・・その短い人生の善行だけでは納得できないのであれば、輪廻の揺り戻しなのではないでしょうか?」
ナナシは一切笑顔を崩さずに大天狗に堂々とそう答える。
未だ解答に不満そうな大天狗だったが、肩をすぼめて、表情を緩める。
「・・・分かった。ヌシがそこまで言うならば、そうなのだろう・・・茶請けはさすがにうまかった・・・ワシも失礼しよう。」
大天狗はジッとナナシの細い目をしばらく見た後、観念したように目線を外し、静かに席を立って、部屋から出て行った。
「・・・納得されてないみたいね。」
大天狗が出て行ったナナシ一人と思われた部屋に女性の声が響く。
「・・・気晴らしにしては、少々やりすぎのような気がしますが・・・。ぬらりひょんは気付いていたみたいですよ。」
ナナシは突然聞こえてきた声にも動揺する事無く、大天狗が出て行った扉をニコニコと眺めている。そして、右手に握りこんでいた何かを人差し指と親指で挟んで、誰かに見えるように顔の位置まであげる。
「あらっ・・・さすがね。」
闇の中から姿を現した伊予がナナシが掴んでいたモノをサッと奪って、ニコリと笑う。
「大神《おおかみ》、戯れも程ほどにしていただきませんと・・・。」
ナナシはそう言いながら、サッと席から立ち上がり、伊予に向かって会釈をする。
「ツクヨミみたいに固い事いわないの・・・息抜きなんだから。」
大神と言われた伊予はナナシを軽くあしらう。
「差し出がましい事でしたか・・・もうしわけありません。」
ナナシはニコニコしながら再度軽い会釈を伊予にする。
「・・・それにしても、奇妙な巡り合わせね・・・私達の子がよりにもよって、善朗君に惹かれるのも・・・。」
伊予がニコニコしながら出入り口の方を見る。
「オホンッ・・・大神、その言い方は御幣《ごへい》がありますので・・・。」
ナナシの笑顔が始めて曇る。
「はいはい、私達、皆の娘ね・・・これでいい?」
ナナシの指摘にやれやれと呆れながら伊予は言葉を言い換える。
「ありがとうございます、大神・・・我々、皆の娘、乃華はいい子です。乃華が選ぶのならば・・・それは正しい道です。」
ナナシは笑顔を取り戻して誰に言うでもなく、そう話す。
「貴方の後継者として、生まれたはずなのに・・・それでもいいの?」
伊予がニッコリと笑って、ナナシに尋ねる。
「・・・それも含めて、神の賽《さい》の目の中ということです。」
ナナシも負けずににこりと笑い、伊予にそう答える。
「フフッ、神様がいうなら間違いないわねっ。」
伊予はナナシの言葉にクスリと笑った。
「・・・善朗君には、望まぬ運命を背負わせてしまったわね。」
伊予は笑顔を崩し、そう続ける。
伊予の後方に従えていたナナシも真剣な顔をして、口を開く。
「しかし、あの子でしか成し得ない運命なのかもしれません。私としても、間違った人選とは思いません・・・彼だからこそ、私はやり遂げてくれると信じております。」
ナナシは全てを信じ、善朗に託すようにそう話す。
「・・・全ては神の賽の目の中・・・ね・・・。」
伊予はそう言うと目線を虚空に向けた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
そして、アドレーヌは眠る。
緋島礼桜
ファンタジー
長く続いた大戦、それにより腐りきった大地と生命を『奇跡の力』で蘇らせ終戦へと導いた女王――アドレーヌ・エナ・リンクス。
彼女はその偉業と引き換えに長い眠りについてしまいました。彼女を称え、崇め、祀った人々は彼女の名が付けられた新たな王国を創りました。
眠り続けるアドレーヌ。そこに生きる者たちによって受け継がれていく物語―――そして、辿りつく真実と結末。
これは、およそ千年続いたアドレーヌ王国の、始まりと終わりの物語です。
*あらすじ*
~第一篇~
かつての大戦により鉄くずと化し投棄された負の遺産『兵器』を回収する者たち―――狩人(ハンター)。
それを生業とし、娘と共に旅をするアーサガ・トルトはその活躍ぶりから『漆黒の弾丸』と呼ばれていた。
そんな彼はとある噂を切っ掛けに、想い人と娘の絆が揺れ動くことになる―――。
~第二篇~
アドレーヌ女王の血を継ぐ王族エミレス・ノト・リンクス王女は王国東方の街ノーテルの屋敷で暮らしていた。
中肉中背、そばかすに見た目も地味…そんな引け目から人前を避けてきた彼女はある日、とある男性と出会う。
それが、彼女の過去と未来に関わる大切な恋愛となっていく―――。
~第三篇~
かつての反乱により一斉排除の対象とされ、長い年月虐げられ続けているイニム…ネフ族。
『ネフ狩り』と呼ばれる駆逐行為は隠れ里にて暮らしていた青年キ・シエの全てを奪っていった。
愛する者、腕、両目を失った彼は名も一族の誇りすらも捨て、復讐に呑まれていく―――。
~第四篇~
最南端の村で暮らすソラはいつものように兄のお使いに王都へ行った帰り、謎の男二人組に襲われる。
辛くも通りすがりの旅人に助けられるが、その男もまた全身黒尽くめに口紅を塗った奇抜な出で立ちで…。
この出会いをきっかけに彼女の日常は一変し歴史を覆すような大事件へと巻き込まれていく―――。
*
*2020年まで某サイトで投稿していたものですがサイト閉鎖に伴い、加筆修正して完結を目標に再投稿したいと思います。
*他小説家になろう、アルファポリスでも投稿しています。
*毎週、火曜日に更新を予定しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
底辺男のミセカタ 〜ゴミスキルのせいで蔑まれていた俺はスキル『反射』を手に入れて憎い奴らに魅せつける〜
筋肉重太郎
ファンタジー
俺は……最底辺だ。
2040年、世界に突如として、スキル、と呼ばれる能力が発現する。
どんどん良くなっていく生活。
いくつもの世界問題の改善。
世界は更により良くなっていく………はずだった。
主人公 田中伸太はスキルを"一応"持っている一般人……いや、底辺男であった。
運動も勉学も平均以下、スキルすら弱過ぎるものであった。平均以上にできると言ったらゲームぐらいのものである。
だが、周りは違った。
周りから尊敬の眼差しを受け続ける幼馴染、その周りにいる"勝ち組"と言える奴ら。
なんで俺だけ強くなれない…………
なんで俺だけ頭が良くなれない…………
周りからは、無能力者なんて言う不名誉なあだ名もつけられ、昔から目立ちたがりだった伸太はどんどん卑屈になっていく。
友達も増えて、さらに強くなっていく幼馴染に強い劣等感も覚え、いじめまで出始めたその時、伸太の心に1つの感情が芽生える。
それは……
復讐心。
戦国陰陽師〜自称・安倍晴明の子孫は、第六天魔王のお家の食客になることにしました〜
水城真以
ファンタジー
自称・安倍晴明の子孫、明晴。ある日美濃に立ち寄った明晴がいつもの通りに陰陽術で荒稼ぎしていたら、岐阜城主・織田信長に目を付けられてしまう。城に連れて行かれた明晴は、ある予言を当ててしまったことから織田家の食客になることに!?
「俺はただ、緩くのんびり生きられたらいいだけなのにーー!!」
果たして自称・安倍晴明の子孫の運命やいかに?!
鬼神転生記~勇者として異世界転移したのに、呆気なく死にました。~
月見酒
ファンタジー
高校に入ってから距離を置いていた幼馴染4人と3年ぶりに下校することになった主人公、朝霧和也たち5人は、突然異世界へと転移してしまった。
目が覚め、目の前に立つ王女が泣きながら頼み込んできた。
「どうか、この世界を救ってください、勇者様!」
突然のことに混乱するなか、正義感の強い和也の幼馴染4人は勇者として魔王を倒すことに。
和也も言い返せないまま、勇者として頑張ることに。
訓練でゴブリン討伐していた勇者たちだったがアクシデントが起き幼馴染をかばった和也は命を落としてしまう。
「俺の人生も……これで終わり……か。せめて……エルフとダークエルフに会ってみたかったな……」
だが気がつけば、和也は転生していた。元いた世界で大人気だったゲームのアバターの姿で!?
================================================
一巻発売中です。
龍神村の幼馴染と僕
栗金団(くりきんとん)
ファンタジー
中学生の鹿野一角は、シングルマザーの母の入院に伴いおばの家がある山間部の龍神村に越してくる。
しかし同い年のいとこの北斗は思春期からか冷たく、居心地の悪さを感じて一人自転車で村を回ることにする。
小学校や田んぼ道を走りながら、幼いころ夏休みの間に訪れた記憶を思い起こす一角。
記憶では一角と北斗、さらにいつも遊んでいる女の子がいた。
最後に龍神神社を訪れた一角は、古びた神社で懐かしい声を聞く。
自身を「いっくん」と呼ぶ巫女服姿の少女の名はタツミ。彼女はかつての遊び相手であり、当時と同じ姿形で一角の前に現れた。
「いっくん、久しぶりだね!」
懐かしい思い出に浸りながら、昔と変わらず接するタツミと子供のように遊ぶ一角。
しかしその夜、いとこからある質問をされる。
「ねぇ一角、神域に行ってないよね?」
その一言から、一角は龍神村とタツミの違和感に触れることとなる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる