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幕間2 霊能力者で女子高生 鼓條 冥編
ササツキ包囲網
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とある事務所の一室。
そこには、机が4つ向かい合っておいてあり、その奥、仕切りの向こう側に来客用の皮製の2人掛けのソファーが低いガラスのテーブルを挟んで置かれていた。そのソファーに一人が寝そべりながら携帯ゲーム機を触って遊んでいる。もう一人は、対面のソファーの真ん中にドカンと座り、腕組みをしたまま目を閉じている。
「武城(ムジョウ)さん、これがササツキの資料になります。」
一人の男性がソファーで寝そべりながらゲームをしている男に資料を差し出す。
「ん~~・・・そういうのはノムラに渡してくれ・・・。」
武城と言われた男はチラリと資料に目を向けただけで、素っ気無く断り、ゲームを続ける。
「武城よ・・・私は丑区の人間だぞ・・・情報をそう簡単に渡していいのか?」
対面のソファーに座り、目を閉じていた男が片目を開けて、武城に話す。
「いいのいいの・・・俺とお前の仲だろ?それに、お前は抜け駆けなんてしないって、知ってっからなっ。」
武城はゲームをやめて、起き上がり、ノムラに笑顔を向ける。
この武城という男は、午区のナンバーワンの男で、『武城 完寿(むじょう かんじゅ)』というトンファーの使い手。外見は虎の絵柄の入ったTシャツの上に黒いライダージャケット羽織り、下はダボッとしたジーンズをはいている。靴はバイクブーツ、頭は短髪だが、ギザギザした髪質で、前髪の一箇所が赤く染められているが特徴的だった。
そんな武城の言動を呆れ顔で見るノムラ。
「・・・・・・困った奴だ・・・今は利用してるだけかもしれんというのに。」
ノムラは腕組みを崩さず、両目をしっかり見開いて、少し武城を睨むように見る。
ノムラは、午区のナンバーワンで、弓の名手。外見はシンプルな麻の着物を着ているだけで、スラッとした細身の男。白髪のロングヘアーで背中まで綺麗に直毛で流れている。前髪も後ろに流すオールバックで頬が少しこけている。別の区の人間が出入りするのは珍しい事ではないが、特にこの二人は馬が合うのか、よくつるんでいる。
「・・・まったく、お前と居ると楽ではあるが、何かと世話が掛かるのが難点だな・・・。」
ノムラはそういって、資料を受け取り、読み始めた。
「で、どうなのよ・・・ササツキの動きは?」
武城は資料を持ってきた部下に尋ねる。
「はっ、はいっ・・・ずっと探っていますが、ここ数日は姿が全く見えず・・・三途の川についても、賄賂を渡している数名からは、現世に渡ったという情報は来ていません。」
部下は直立不動で淡々と言葉を選びながら武城に報告する。
「・・・随分、用心深いねぇ~・・・まぁ、ここまで周到に考えている奴だから、当たり前かぁ~~・・・俺も好きではないけど、お前が一番嫌いそうな奴だなっ。」
武城はニヤニヤしながら、資料を見ているノムラにそう言う。
「一番嫌いな人間だな・・・勝負においての知略は褒めるが、他者を利用し、貶めるようなこういった姑息な事をするような奴は、見つけたら猪の一番に射抜きたいっ。」
ノムラは資料を読みつつ、チラリと武城をにらみつけ、また資料に目を向ける。
武城はノムラの一睨みにリアンションを取る様にソファーに倒れこみ、背中と両腕をソファーに預けた。
「おぉっこわっ・・・戦術、戦略の違いだと思うけどね・・・俺も虎丞は好きなほうだったし・・・まぁ、あまり褒められたやり方じゃないわな・・・。」
武城はそういうと天井に目を向けて、故人をしのんだ。
「・・・身を隠しているのも、自分が査定で弱っている事を承知の上だろう・・・ここまで来れば、悪霊として、現世に居た方が快適だろうからな・・・。」
ノムラは資料を見終わって、テーブルの上にソッと置く。
霊界では、悪霊は生活できない事もないが、その力は死神であるナナシの結界により、著しく抑えられ、カモと言っていいほど弱くなってしまう。もちろんその点、ササツキも全てを見通す神の目から逃れる事は出来ず、辰区の縄張り争いの黒幕として、査定を下げられており、最早、霊力は相当落とされていることが周知の事実として、霊界中の有力者には知られていた。そんな悪霊に等しくなってしまったササツキは力は弱っているものの倒せば、悪霊を成仏させたと言う善行により、大金が手に入ることから霊界のエンがほしい、様々な人間につけ狙われていた。
「卯区と巳区は隣だろ?あいつら血眼になって探してるんじゃないの?」
武城がソファーに身体を預けたまま部下に尋ねる。
「はいっ、卯区と巳区の名立たる組は辰区の出入りが激しいようです・・・未区の組も頻繁に動いています・・・しかし、我々を含めて、どこも足取りをつかめていないようで・・・。」
部下は知っている情報を包み隠さず、武城に丁寧に話す。
「我々も草の者を放っているが、いい情報は全く来ていない・・・用意周到すぎて、何かまだ深い裏を感じるな・・・。」
ノムラがまた腕組みをして、目を閉じる。
「ノムラがそう言うなら、何かあるんだろうよ・・・俺としては、楽しい事なら大歓迎だけどなっ。」
武城は頭の後ろで手を組んで、笑顔をノムラに向けた。
「・・・楽しみと言えば・・・虎丞と対等に渡り合ったと言う少年・・・。」
ノムラが目を見開いて、武城に話す。
「・・・善湖善朗君だったっけ?・・・楽しみだね・・・ろ組の悪霊とも渡り合ったって言うからには、実戦経験は申し分ないでしょ・・・オラ、ワクワクすっぞ。」
武城はソファーから身体を起こして、前のめりになり、左拳を右の手の平にぶつけて笑う。
「おいおい、いきなり襲いにいくなよ・・・仮にも、あの菊の助殿のご子孫だろう?菊の助殿がお怒りになれば、お前とて、今度こそ、タダじゃすまんぞっ。」
ノムラは武城の笑顔に腕組みを強めて、しかめっ面で諭した。
「菊の助さんかぁ・・・ありゃぁ~強かった・・・楽しかったけどなぁ・・・さすが、戦国を駆け抜けた虹色の侍って、言われるだけはあるよねぇ・・・。」
武城は軽い口調で話しているものの、その顔は笑顔と言うよりも獲物を前に、ギラギラと目を光らせた狼のようだった。
「まったく・・・お前の悪い癖だ・・・強者と見ると黙ってられないのはどうにかしろっ・・・ケツを拭くこちらの身にもなれ・・・。」
ノムラは腕組みをといて、両手をそれぞれ両膝に置き、武城に顔を近づけるように前のめりになって、注意する。
「・・・大丈夫大丈夫、襲いにいかなくても、チャンスは向こうからやってくるからねぇ・・・。」
武城は再びソファーに身体を預ける。
「・・・そうか、もうそんな時期か・・・。」
ノムラは武城の言葉に姿勢を正し、窓の外の空に視線を移す。
「とりあえず、引き続きササツキのこと頼むよ・・・楽しくは無いけど、金にはなるからね。」
武城は部下の方にヘラヘラした顔を向けて、指示する。
「はっ!」
部下は浅い会釈をして、返事をすると静かに素早く部屋を出て行った。
そこには、机が4つ向かい合っておいてあり、その奥、仕切りの向こう側に来客用の皮製の2人掛けのソファーが低いガラスのテーブルを挟んで置かれていた。そのソファーに一人が寝そべりながら携帯ゲーム機を触って遊んでいる。もう一人は、対面のソファーの真ん中にドカンと座り、腕組みをしたまま目を閉じている。
「武城(ムジョウ)さん、これがササツキの資料になります。」
一人の男性がソファーで寝そべりながらゲームをしている男に資料を差し出す。
「ん~~・・・そういうのはノムラに渡してくれ・・・。」
武城と言われた男はチラリと資料に目を向けただけで、素っ気無く断り、ゲームを続ける。
「武城よ・・・私は丑区の人間だぞ・・・情報をそう簡単に渡していいのか?」
対面のソファーに座り、目を閉じていた男が片目を開けて、武城に話す。
「いいのいいの・・・俺とお前の仲だろ?それに、お前は抜け駆けなんてしないって、知ってっからなっ。」
武城はゲームをやめて、起き上がり、ノムラに笑顔を向ける。
この武城という男は、午区のナンバーワンの男で、『武城 完寿(むじょう かんじゅ)』というトンファーの使い手。外見は虎の絵柄の入ったTシャツの上に黒いライダージャケット羽織り、下はダボッとしたジーンズをはいている。靴はバイクブーツ、頭は短髪だが、ギザギザした髪質で、前髪の一箇所が赤く染められているが特徴的だった。
そんな武城の言動を呆れ顔で見るノムラ。
「・・・・・・困った奴だ・・・今は利用してるだけかもしれんというのに。」
ノムラは腕組みを崩さず、両目をしっかり見開いて、少し武城を睨むように見る。
ノムラは、午区のナンバーワンで、弓の名手。外見はシンプルな麻の着物を着ているだけで、スラッとした細身の男。白髪のロングヘアーで背中まで綺麗に直毛で流れている。前髪も後ろに流すオールバックで頬が少しこけている。別の区の人間が出入りするのは珍しい事ではないが、特にこの二人は馬が合うのか、よくつるんでいる。
「・・・まったく、お前と居ると楽ではあるが、何かと世話が掛かるのが難点だな・・・。」
ノムラはそういって、資料を受け取り、読み始めた。
「で、どうなのよ・・・ササツキの動きは?」
武城は資料を持ってきた部下に尋ねる。
「はっ、はいっ・・・ずっと探っていますが、ここ数日は姿が全く見えず・・・三途の川についても、賄賂を渡している数名からは、現世に渡ったという情報は来ていません。」
部下は直立不動で淡々と言葉を選びながら武城に報告する。
「・・・随分、用心深いねぇ~・・・まぁ、ここまで周到に考えている奴だから、当たり前かぁ~~・・・俺も好きではないけど、お前が一番嫌いそうな奴だなっ。」
武城はニヤニヤしながら、資料を見ているノムラにそう言う。
「一番嫌いな人間だな・・・勝負においての知略は褒めるが、他者を利用し、貶めるようなこういった姑息な事をするような奴は、見つけたら猪の一番に射抜きたいっ。」
ノムラは資料を読みつつ、チラリと武城をにらみつけ、また資料に目を向ける。
武城はノムラの一睨みにリアンションを取る様にソファーに倒れこみ、背中と両腕をソファーに預けた。
「おぉっこわっ・・・戦術、戦略の違いだと思うけどね・・・俺も虎丞は好きなほうだったし・・・まぁ、あまり褒められたやり方じゃないわな・・・。」
武城はそういうと天井に目を向けて、故人をしのんだ。
「・・・身を隠しているのも、自分が査定で弱っている事を承知の上だろう・・・ここまで来れば、悪霊として、現世に居た方が快適だろうからな・・・。」
ノムラは資料を見終わって、テーブルの上にソッと置く。
霊界では、悪霊は生活できない事もないが、その力は死神であるナナシの結界により、著しく抑えられ、カモと言っていいほど弱くなってしまう。もちろんその点、ササツキも全てを見通す神の目から逃れる事は出来ず、辰区の縄張り争いの黒幕として、査定を下げられており、最早、霊力は相当落とされていることが周知の事実として、霊界中の有力者には知られていた。そんな悪霊に等しくなってしまったササツキは力は弱っているものの倒せば、悪霊を成仏させたと言う善行により、大金が手に入ることから霊界のエンがほしい、様々な人間につけ狙われていた。
「卯区と巳区は隣だろ?あいつら血眼になって探してるんじゃないの?」
武城がソファーに身体を預けたまま部下に尋ねる。
「はいっ、卯区と巳区の名立たる組は辰区の出入りが激しいようです・・・未区の組も頻繁に動いています・・・しかし、我々を含めて、どこも足取りをつかめていないようで・・・。」
部下は知っている情報を包み隠さず、武城に丁寧に話す。
「我々も草の者を放っているが、いい情報は全く来ていない・・・用意周到すぎて、何かまだ深い裏を感じるな・・・。」
ノムラがまた腕組みをして、目を閉じる。
「ノムラがそう言うなら、何かあるんだろうよ・・・俺としては、楽しい事なら大歓迎だけどなっ。」
武城は頭の後ろで手を組んで、笑顔をノムラに向けた。
「・・・楽しみと言えば・・・虎丞と対等に渡り合ったと言う少年・・・。」
ノムラが目を見開いて、武城に話す。
「・・・善湖善朗君だったっけ?・・・楽しみだね・・・ろ組の悪霊とも渡り合ったって言うからには、実戦経験は申し分ないでしょ・・・オラ、ワクワクすっぞ。」
武城はソファーから身体を起こして、前のめりになり、左拳を右の手の平にぶつけて笑う。
「おいおい、いきなり襲いにいくなよ・・・仮にも、あの菊の助殿のご子孫だろう?菊の助殿がお怒りになれば、お前とて、今度こそ、タダじゃすまんぞっ。」
ノムラは武城の笑顔に腕組みを強めて、しかめっ面で諭した。
「菊の助さんかぁ・・・ありゃぁ~強かった・・・楽しかったけどなぁ・・・さすが、戦国を駆け抜けた虹色の侍って、言われるだけはあるよねぇ・・・。」
武城は軽い口調で話しているものの、その顔は笑顔と言うよりも獲物を前に、ギラギラと目を光らせた狼のようだった。
「まったく・・・お前の悪い癖だ・・・強者と見ると黙ってられないのはどうにかしろっ・・・ケツを拭くこちらの身にもなれ・・・。」
ノムラは腕組みをといて、両手をそれぞれ両膝に置き、武城に顔を近づけるように前のめりになって、注意する。
「・・・大丈夫大丈夫、襲いにいかなくても、チャンスは向こうからやってくるからねぇ・・・。」
武城は再びソファーに身体を預ける。
「・・・そうか、もうそんな時期か・・・。」
ノムラは武城の言葉に姿勢を正し、窓の外の空に視線を移す。
「とりあえず、引き続きササツキのこと頼むよ・・・楽しくは無いけど、金にはなるからね。」
武城は部下の方にヘラヘラした顔を向けて、指示する。
「はっ!」
部下は浅い会釈をして、返事をすると静かに素早く部屋を出て行った。
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*2020年まで某サイトで投稿していたものですがサイト閉鎖に伴い、加筆修正して完結を目標に再投稿したいと思います。
*他小説家になろう、アルファポリスでも投稿しています。
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