俺のねーちゃんは人見知りがはげしい

ねがえり太郎

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・後日談 俺とねーちゃんのその後の話のおまけ1・

おとうとは心配性 <有吉>

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晶の友人 有吉視点です。
清美が取りまとめを頼まれていた飲み会のヒトコマ。

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晶の弟、清美君にM大バスケ部の一年生を集めて貰った。
向こうの要求はフリーの女子を集めて欲しい、と言う事なので読者モデルをやっていた頃に付き合いがあった女の子達に声を掛けた。

女の子達も将来有望な運動選手と繋がりが出来ると聞いて喜んで参加してくれた。顔合わせをしたところ、皆ニョキニョキと背が高いものの、口を開けばつい先日まで高校生……と言う雰囲気が漂っていて何とも可愛らしい。うーん、これは一方的に女性側に軍配が上がってしまうかもしれない……なんてニヤニヤしながら、皆を盛り上げたり間を取り持ったり動き回っていた。

晶の美しい弟、清美君は特に際立っていたから、彼女持ちと前もって伝えてはいるものの近寄って行く女の子は多い。単に『綺麗どころ』と話すのが好きって子も多いから、本気で粉を掛けている訳じゃないとは思うけど。少し心配になって清美君ににじり寄っている舞子の肩を叩いた。

「舞子~、この子私の友達の彼氏だから!それ以上お触り禁止!」
「え~~、ちょっとくらいイイじゃん。ケチ」
「あ、あそこのイケメンが、舞子の事気にしてたよ!ちょっと構ってやってよ。頼む!私の顔を立ててくれ~!」
「むー、分かったよ。仕方ないなぁ……。じゃあ、またね!森君」

と満更でも無い顔でグラスを持って移動してくれた。
スルリと空いた席に滑り込むと、ホッとしたように溜息を吐く栗色の髪の美形がオレンジジュースを一口飲んだ。こんなデカいナリしてまだ、未成年なんだよね。

不思議だ。
並んでいたらどう見ても晶の方が未成年に見えるよね。

「今日はアリガトね。皆喜んでるわ。私も色々現場の話を聞けて嬉しいし」
「いえ……」
「絡まれるの嫌だったら、晶にも来て貰えば良かったのに」
「……」
「そんなに他の男に会わせたくない?」
「はい」

素直に頷くから笑ってしまった。

「晶にだって男友達いるんだけどねー」
「彼女が自分で付き合う分には、邪魔しませんけど……余計な交友関係は増やしたくないです。それでなくても無防備って言うか鈍いので」

確かに。
晶は自分に向いている視線には無頓着だ。

恋愛小説とか映画とかをまるで読まないと言っていたからその微妙なニュアンスにどうもピンと来ないらしい。ちょっと情緒が理系男子に近い気がする。
その証拠に男の子の熱っぽい視線や誘い掛けをサラリとスルーしている所を、何度か目の当たりにした事がある。明らかに晶に気があって話し掛けて来る私の知り合いがその場を去った時「あの人、本当にゆっこの事好きだよねぇ」と的外れな事を言うので「何でそーなる!」と突っ込んだ事もある。説明しても全く納得してくれなかったけど。

「うん、それは何となく分かる」

大きく頷くと、至極不安そうな表情をするので、彼の背を叩いて励ました。

「大丈夫だって。晶が目移りするような性格に見える?それにあーいう真面目な子に安易に言い寄れる男、案外少ないから。遠巻きに憧れるのがせいぜいだって」
「だと良いんですけど……」

フッと寂しそうに笑うキラキラした精悍な美形を見て『晶、超愛されてるなー』と私は感心したのだった。

先日大学の喫茶店で紹介してくれた『弟』とさっそく付き合い出した(しかも元サヤ)と聞いた時は驚いたし、あんな派手な外見のモテそうな運動選手と付き合って、浮気されたり女性関係のトラブルに巻き込まれないか……と心配になったが、これだけ愛されているならその心配は杞憂に違いない。

結局ほとんど合コンとなってしまった飲み会会場で居心地悪そうにしている清美君。晶に頼まれたから人数を集めてくれたけど、本当は気が進まなかったんだろうなってちょっと思った。



これは早めに解放してやらねばなぁ……と姉目線で考える。
―――とか言って私、気ままな『ひとりっ子』ですけどね……!気分だけです、ハイ。


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晶の友人の目から見た清美です。
ちょっと思い付いたので投稿しました。山なしオチなしの小話でスイマセン。

お読みいただき、有難うございました!
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