195 / 211
・番外編・お兄ちゃんは過保護【その後のお話 別視点1】
52.清美
しおりを挟む
お兄ちゃん、蓮の高校の後輩、森清美視点です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お前、離婚しろ」
「はあ?!」
高校時代のバスケ部で一緒だった高坂先輩に、滅多に出入りしないような素敵なダイニングバーに呼び出された。いきなりの呼び出しだったので、15分遅れで到着すると既に勝手に始めている彼の目が―――座っていた。
15分でか?!はえーな!
思わず心の中で派手に突っ込みをいれる。
「何馬鹿なこと言ってるんですか」
鞄と上着を足元の籠に入れて、俺は半個室のテーブル席に腰掛けた。
一体全体どうした事か。いつも俺の5倍は余裕かましている先輩がこんなに苛立っている所を初めて見た。
しかし彼は俺の前で遠慮なく不機嫌を纏いながらも―――注文を取りに来た若い女の子にニコリと微笑むのだけは忘れない。その様子は嫌になる位の色男っぷりである。俺も現役時代は結構な人気選手だったのだけれど―――この人と居ると霞んで見えるらしく、一緒に居ると落ち着いて飲めるので、非常に居心地が良い。
仙台市で妻の晶と暮らしていた俺は、仕事を引退するのを機に小学校から高校まで暮らしていた両親の暮らす札幌市に戻ってきた。ちょうど2人目の子供を身籠った晶にも仕事を辞めて貰い、高坂先輩の義母である蓉子さんの伝手で通訳や翻訳の他英会話教室も経営している会社を紹介を受けて、俺は現在講師兼通訳として働いている。設計事務所を定年で引退した両親は何故かまだ忙しく働いていて、母親は独立して古巣から仕事を受注したり、個人で戸建て住宅の設計を請け負ったりと忙しく立ち回っていて、父親は主に大学の建築学科の雇われ講師としてあちこち飛び回っている。
妻の晶は大学で天文学を勉強していて仙台市の天文台で働いていたのだけれども、今は二人の子供の面倒をみながら専ら家事を担当している。彼女は高坂先輩と同じ大学の大学院を卒業した才媛だ。本来なら俺が家庭に入るべきなのかもしれないが―――彼女は本を読めて星空が見られれば幸せ、という人なのであまりこだわりはないらしい。
元々人見知りで家に閉じこもるのが好きな人だし、俺は外に出て体を動かしたり、人と接するのが好きなタイプなので今はこういう形に落ち着いている。幸い両親が未だに仕事人間の小金持ちなので生活費には困らないから「このままのんびり引き籠りたいな」なんて彼女は満足気に呟いている。
そんな訳で、俺の家庭は今スッゴく上手く行っているのだ。
俺はずっと妻が大好きで、妻も俺の事を大事にしてくれている。2人の子供達は元気過ぎて相手するのが大変な時期なのだけど―――まあ、可愛いから何とかやっている。ついでに両親も仲が良い。もの凄い円満な家庭なのだ。
なのに目の前の迫力のあるデカい色男は―――何故『離婚しろ』などとあり得ない事を言い出すのだ?
「もう酔ってるんですか?」
「まだグラスワイン1杯しか飲んでねえ」
言動がおかしいから、てっきりもう泥酔しているのかと思った。確かに見た目は変わらないが……この人はいくら飲んでも顔色が変わらないので、酔っているのかいないのか見た目では判断が付かないのだ。
「一体、どうしたんです?」
取りあえず、変な事を口走った理由を尋ねてみる事にした。
すると色男はキッと俺を睨みつけた。
「凛が―――俺を避けるんだ」
「凜ちゃんが……?そう言えば今は……中2でしたっけ」
そろそろ思春期に差し掛かっている頃だ。中学時代、自分がかなり色々拗らせていたので、何となく想像がつく。ついこの間顔を合わせた時は、まだ漫画とゲームが大好きな子供って感じだったが―――そろそろシスコンの兄の介入に嫌な顔をし始める時期なのかもしれない。
「ああ。相変わらず天使のように可愛らしいぞ」
「はあ……」
昔『どシスコン』と散々俺を貶しておいて、その当人がどの口で言う……と思ったが、怖いので逆らわない事にしている。妻の事では勿論譲れない。が、そのほかの事に関しては―――小学生のミニバス時代からの先輩である彼に対して、刷り込みでどうにも逆らえない俺だった。
「そろそろ思春期ですもんね。お兄ちゃん離れし始めたって事じゃないすか」
「いや、凛は俺の事を『世界一大好き』なんだ。そう言ったんだ」
「はあ……」
一体これは何の話なんだ。ひょっとしてただの惚気なのか……?それともいつもの妹自慢なのか?
「ちゃんと恋人を作れば、また元の関係に戻れるんだ。だから―――清美、お前晶ちゃんと別れて俺に譲れ」
「なっ……」
「日本の法律の範囲内で、彼女を作れって言われた。晶ちゃんが独身になればOKだ」
「ちょっ……冗談は休み休み言ってくださいよ!そんなんで譲る訳ないじゃないですか!」
テーブルをバンッと叩いて立ち上がる。
「お飲み物お持ちしました~」
そこへタイミング良く(悪く?)先ほど注文を取った若い女性店員が、微笑みながら現れた。
俺は咄嗟にストンと、腰を下ろす。
「有難う」
余裕の笑顔で女性店員を軽く魅了する高坂先輩。
うーん……よく、疲れないよな。俺なんか試合とかバスケファンの人に注目されるのは嬉しいけど、それ以外の理由で知らない女性に構われるのはハッキリ言って負担に感じてしまうから、変に感心してしまう。基本的にこの人、女の人が好きなんだよな。
俺は溜息を吐いて、高坂先輩が女性店員と軽口を交わす様子を眺めていた。彼女が立ち去った後、彼は少し疲れたような顔をして俺に視線を戻す。
珍しいな。この人が女の子と話した後こんな表情になるのって。
「……冗談だよ」
ハーっと溜息を吐いて、高坂先輩はゴクリと手元のワインを飲み干した。
そうして、憂い顔で椅子に背を預ける。
「お前はいーよなー。大好きなお姉さんと血が繋がって無くてさ。その上法律上も結婚しても問題ないんだし」
そんな事言われてもなぁ。
俺だって両想いになるまで、それから結婚するまでかなり茨の道を歩いて来たのだけれど。まあ、何となく―――高坂先輩の初恋相手に想像が付くので、彼の苦悩は分からないでもないが。確かに俺はラッキーなのだろう、彼に比べれば。
「凛がさ、言うのよ。『お兄ちゃんは妹離れしなさい。これからの私の1番は彼氏になる予定だから、お兄ちゃんも他に1番大好きな人を探して』って」
「……は、はあ」
血の繋がった妹の台詞としては、ごく当たり前のものだと思うが。
「『お兄ちゃんはお母さんと私以外に好きな人を作りなさい。人妻も、義母も血縁関係も無しで、日本の法律の範囲で恋をしなさい』って―――無茶なことを言い出したんだよ」
「……」
無茶って言うか、ごくごく真面な言い分だと思うが……。
「『婚活してちゃんと好きな人が出来るまで抱っこ禁止』って言うんだぞ?『私にもお母さんにも抱き着いちゃ駄目なんだから』って、そんな事言われたら俺は愛情不足で干からびちまうよ」
いや、正論だと思う。
そもそも義母と妹に抱き着くのは、そろそろ……というかいい加減止めた方が良い。
「えーと、それで晶を?」
「……ダメか?」
ちょっと、何でそんな迷子のような目で俺を見るんすか?!
気弱な高坂先輩……初めて見たけど。ハッキリ言って、見たかねーよ!!
「駄目に決まってます」
俺は怒りを込めて、彼を睨みつけた。
冗談でも言って良い事と悪い事がある。
俺の妻の晶は、高坂先輩を友人として大事に思っているのだから―――余計性質が悪い。
「……だよなー……」
そう言って肩を竦めた高坂先輩は、それ以上執拗に追い縋っては来なかったが。
コイツ―――危ないから暫く森家、出禁にしよう。
そう俺は密かに決意を固めたのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お前、離婚しろ」
「はあ?!」
高校時代のバスケ部で一緒だった高坂先輩に、滅多に出入りしないような素敵なダイニングバーに呼び出された。いきなりの呼び出しだったので、15分遅れで到着すると既に勝手に始めている彼の目が―――座っていた。
15分でか?!はえーな!
思わず心の中で派手に突っ込みをいれる。
「何馬鹿なこと言ってるんですか」
鞄と上着を足元の籠に入れて、俺は半個室のテーブル席に腰掛けた。
一体全体どうした事か。いつも俺の5倍は余裕かましている先輩がこんなに苛立っている所を初めて見た。
しかし彼は俺の前で遠慮なく不機嫌を纏いながらも―――注文を取りに来た若い女の子にニコリと微笑むのだけは忘れない。その様子は嫌になる位の色男っぷりである。俺も現役時代は結構な人気選手だったのだけれど―――この人と居ると霞んで見えるらしく、一緒に居ると落ち着いて飲めるので、非常に居心地が良い。
仙台市で妻の晶と暮らしていた俺は、仕事を引退するのを機に小学校から高校まで暮らしていた両親の暮らす札幌市に戻ってきた。ちょうど2人目の子供を身籠った晶にも仕事を辞めて貰い、高坂先輩の義母である蓉子さんの伝手で通訳や翻訳の他英会話教室も経営している会社を紹介を受けて、俺は現在講師兼通訳として働いている。設計事務所を定年で引退した両親は何故かまだ忙しく働いていて、母親は独立して古巣から仕事を受注したり、個人で戸建て住宅の設計を請け負ったりと忙しく立ち回っていて、父親は主に大学の建築学科の雇われ講師としてあちこち飛び回っている。
妻の晶は大学で天文学を勉強していて仙台市の天文台で働いていたのだけれども、今は二人の子供の面倒をみながら専ら家事を担当している。彼女は高坂先輩と同じ大学の大学院を卒業した才媛だ。本来なら俺が家庭に入るべきなのかもしれないが―――彼女は本を読めて星空が見られれば幸せ、という人なのであまりこだわりはないらしい。
元々人見知りで家に閉じこもるのが好きな人だし、俺は外に出て体を動かしたり、人と接するのが好きなタイプなので今はこういう形に落ち着いている。幸い両親が未だに仕事人間の小金持ちなので生活費には困らないから「このままのんびり引き籠りたいな」なんて彼女は満足気に呟いている。
そんな訳で、俺の家庭は今スッゴく上手く行っているのだ。
俺はずっと妻が大好きで、妻も俺の事を大事にしてくれている。2人の子供達は元気過ぎて相手するのが大変な時期なのだけど―――まあ、可愛いから何とかやっている。ついでに両親も仲が良い。もの凄い円満な家庭なのだ。
なのに目の前の迫力のあるデカい色男は―――何故『離婚しろ』などとあり得ない事を言い出すのだ?
「もう酔ってるんですか?」
「まだグラスワイン1杯しか飲んでねえ」
言動がおかしいから、てっきりもう泥酔しているのかと思った。確かに見た目は変わらないが……この人はいくら飲んでも顔色が変わらないので、酔っているのかいないのか見た目では判断が付かないのだ。
「一体、どうしたんです?」
取りあえず、変な事を口走った理由を尋ねてみる事にした。
すると色男はキッと俺を睨みつけた。
「凛が―――俺を避けるんだ」
「凜ちゃんが……?そう言えば今は……中2でしたっけ」
そろそろ思春期に差し掛かっている頃だ。中学時代、自分がかなり色々拗らせていたので、何となく想像がつく。ついこの間顔を合わせた時は、まだ漫画とゲームが大好きな子供って感じだったが―――そろそろシスコンの兄の介入に嫌な顔をし始める時期なのかもしれない。
「ああ。相変わらず天使のように可愛らしいぞ」
「はあ……」
昔『どシスコン』と散々俺を貶しておいて、その当人がどの口で言う……と思ったが、怖いので逆らわない事にしている。妻の事では勿論譲れない。が、そのほかの事に関しては―――小学生のミニバス時代からの先輩である彼に対して、刷り込みでどうにも逆らえない俺だった。
「そろそろ思春期ですもんね。お兄ちゃん離れし始めたって事じゃないすか」
「いや、凛は俺の事を『世界一大好き』なんだ。そう言ったんだ」
「はあ……」
一体これは何の話なんだ。ひょっとしてただの惚気なのか……?それともいつもの妹自慢なのか?
「ちゃんと恋人を作れば、また元の関係に戻れるんだ。だから―――清美、お前晶ちゃんと別れて俺に譲れ」
「なっ……」
「日本の法律の範囲内で、彼女を作れって言われた。晶ちゃんが独身になればOKだ」
「ちょっ……冗談は休み休み言ってくださいよ!そんなんで譲る訳ないじゃないですか!」
テーブルをバンッと叩いて立ち上がる。
「お飲み物お持ちしました~」
そこへタイミング良く(悪く?)先ほど注文を取った若い女性店員が、微笑みながら現れた。
俺は咄嗟にストンと、腰を下ろす。
「有難う」
余裕の笑顔で女性店員を軽く魅了する高坂先輩。
うーん……よく、疲れないよな。俺なんか試合とかバスケファンの人に注目されるのは嬉しいけど、それ以外の理由で知らない女性に構われるのはハッキリ言って負担に感じてしまうから、変に感心してしまう。基本的にこの人、女の人が好きなんだよな。
俺は溜息を吐いて、高坂先輩が女性店員と軽口を交わす様子を眺めていた。彼女が立ち去った後、彼は少し疲れたような顔をして俺に視線を戻す。
珍しいな。この人が女の子と話した後こんな表情になるのって。
「……冗談だよ」
ハーっと溜息を吐いて、高坂先輩はゴクリと手元のワインを飲み干した。
そうして、憂い顔で椅子に背を預ける。
「お前はいーよなー。大好きなお姉さんと血が繋がって無くてさ。その上法律上も結婚しても問題ないんだし」
そんな事言われてもなぁ。
俺だって両想いになるまで、それから結婚するまでかなり茨の道を歩いて来たのだけれど。まあ、何となく―――高坂先輩の初恋相手に想像が付くので、彼の苦悩は分からないでもないが。確かに俺はラッキーなのだろう、彼に比べれば。
「凛がさ、言うのよ。『お兄ちゃんは妹離れしなさい。これからの私の1番は彼氏になる予定だから、お兄ちゃんも他に1番大好きな人を探して』って」
「……は、はあ」
血の繋がった妹の台詞としては、ごく当たり前のものだと思うが。
「『お兄ちゃんはお母さんと私以外に好きな人を作りなさい。人妻も、義母も血縁関係も無しで、日本の法律の範囲で恋をしなさい』って―――無茶なことを言い出したんだよ」
「……」
無茶って言うか、ごくごく真面な言い分だと思うが……。
「『婚活してちゃんと好きな人が出来るまで抱っこ禁止』って言うんだぞ?『私にもお母さんにも抱き着いちゃ駄目なんだから』って、そんな事言われたら俺は愛情不足で干からびちまうよ」
いや、正論だと思う。
そもそも義母と妹に抱き着くのは、そろそろ……というかいい加減止めた方が良い。
「えーと、それで晶を?」
「……ダメか?」
ちょっと、何でそんな迷子のような目で俺を見るんすか?!
気弱な高坂先輩……初めて見たけど。ハッキリ言って、見たかねーよ!!
「駄目に決まってます」
俺は怒りを込めて、彼を睨みつけた。
冗談でも言って良い事と悪い事がある。
俺の妻の晶は、高坂先輩を友人として大事に思っているのだから―――余計性質が悪い。
「……だよなー……」
そう言って肩を竦めた高坂先輩は、それ以上執拗に追い縋っては来なかったが。
コイツ―――危ないから暫く森家、出禁にしよう。
そう俺は密かに決意を固めたのであった。
0
お気に入りに追加
406
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる
佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます
「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」
なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。
彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。
私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。
それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。
そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。
ただ。
婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。
切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。
彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。
「どうか、私と結婚してください」
「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」
私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。
彼のことはよく知っている。
彼もまた、私のことをよく知っている。
でも彼は『それ』が私だとは知らない。
まったくの別人に見えているはずなのだから。
なのに、何故私にプロポーズを?
しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。
どういうこと?
============
番外編は思いついたら追加していく予定です。
<レジーナ公式サイト番外編>
「番外編 相変わらずな日常」
レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。
いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。
※転載・複写はお断りいたします。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる