148 / 363
太っちょのポンちゃん 社会人編1
唯ちゃんと、未来の夫
しおりを挟む
こちらは『太っちょのポンちゃん 社会人編』のお話です。
一人称、本田と唯の結婚式を担当するウエディングプランナーさん視点のお話です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前任の担当者が産休に入る事になり引き継ぎを受けたカップルと打合せする事になった。初顔合わせにソワソワしながら待受けていた私の目に飛び込んできたのは―――飛び切り精悍な長身の美男だった―――。
あまりの格好良さに度肝を抜かれてしまった。フワフワした気持ちで打合せを終え、頬を染めて精一杯の笑顔でカップルに頭を下げ、送り出す。
はぁ~……優し気で包容力もあって、エスコートも上手。こんな素敵な人が未来の旦那様になるなんて、鹿島様、羨ましいな~。つーか、羨まし過ぎるっっ!
中には『え?この男性で本当にいいの??』って思う相手とイチャイチャしている新婦様(仮)もいるけれど……。(プロ意識に掛けて決しておくびには出しませんが)
結婚準備の打合せに来る二人は大抵今現在の幸福に光輝いていて、未来の旦那様になる人は、特に頼もしく見えてしまう。
きっと新郎(仮)本人も精一杯余裕を出して、奥さんになる人に二割増し、三割増しで良い所を見せているんだろうなぁ~~って―――見通してはいるけれど、二年前に彼氏と別れて以来独り身の私にとっては羨ましい限り。何せ結婚に踏み出しちゃんとお金を掛けて式を挙げようと決意する男性がどんなに稀少な存在なのかって―――この仕事をしている私だからこそ、ヒシヒシと実感しているのだから。
その証拠に昨今流行りのハウスウエディングに押されて、私の職場のようなホテルウエディングは下火になりつつある。
本田様と鹿島様のように大規模な披露宴を上げるカップルが減って来たと言う事もある。お二人の場合はそれぞれの職場関係のほか、本田様のご実家が古くからの名家で不動産業も営んでおり、招待する範囲や人数がかなりの数になると言うのがこちらを選んでいただいた理由の一つらしい。
今時、親しい友人と身内以外をキチンと招待すると決断するだけでも『頼りがいのある男性』として素晴らしく見えるのに、こうして一緒に打合せに顔を出し熱心に話を聞く様子を目にすると、私の中の好感度が、毎回ドンドン鰻登り上がってしまう。今や本田様の好感度は私の中で天井知らずだ。
あーん、鹿島様、羨ましいよ~~!
代われるものなら代わって欲しい……!
しかし絶対それは有り得ないし、こちらの商売としてもあってはならない事なので……代わりに私の情熱や夢を上乗せして、熱意をこめて対応させていただく事にした。私って嫌になるほど前向きだわ―――本当にこのお仕事、天職だと思う……。
だって、ただ打ち合わせに付きそって夢中になっている様子を見守っているだけでも優しい男性だなぁって思う。中には奥さんにまかせっきりって人もまだまだ多いしね。まあ旦那さんの中にも熱心にパンフレットを研究して主導権を握る人も少なくは無いけれど……。
なのにこんな美形で、長身で、そして一見して分かるほど身なりが良くて―――ホンワカした感じの彼女に椅子を引いて座らせるスマートな身のこなしの男性が、新婦の鹿島様よりも熱心に打ち合わせに参加しているのだから。
そして私にとってここが一番重要!!とっても良い声をお持ちなんですよ~~~!
あー、羨ましい。
目の前に座っている様子を見ているだけで、女性ホルモンが活性化しちゃう気がするよ!
「唯、お色直しの回数もう少し増やした方がいいんじゃないか?式に着たウエディングドレスとカラードレスだけって、少な過ぎだろう」
「あんまり着替え過ぎて、会場にいないって言うのが嫌なの。それにドレスが多いほど予算が膨らんじゃうし……」
「俺が出すからお金の心配はしなくていいぞ」
「え!でも……」
「家族になるんだから、当たり前だろ」
「別にいいのに。とにかくお色直しは一回でいいから」
「じゃあ、お色直しは和装を一着だけ増やして、他に数着選んだドレスは写真撮影にまわそう」
「ええ~……」
そんな感じで始終新郎の本田様がノリノリで、ドレスを増やしたり、会場設営用の花のランクを上げようとしたり、デザートビュッフェの追加を提案したり、オプションの生演奏に拘ったり―――結婚式をより豪華にしようと提案して、新婦にすげなく却下されたり偶に押し通したり―――と言う遣り取りの繰り返しだった。
ドレスの試着の時も新婦より熱心に選びスマホで色んな角度から写真を撮影したそうだ。何着も着せ替えさせられて新婦はヘトヘトになったらしい……と言うのは衣装部の担当から聞いた話。
そうやって数回打合せを重ねたある日、受付に現れた新郎が別人に変わっていたから―――思わず声を失ってしまった。
「あ、あの……鹿島様?本田様は……」
「え?ここにいますけど……?」
鹿島様は優し気な眉を下げて、首を傾げている。
え?ていうか今までの本田様は、何処へ行ったの?
これは夢?それとも、何かトラブルがあって新郎が入れ替わったとか……??
「ええと、その……今まで一緒にいらしてた方はどうしたのですか?」
「今まで……?あ!もしかして!ち、違います」
新婦の鹿島様は頬を染めて、恥ずかしそうに言った。
「いつも一緒に来ていたのは、この人のお兄さんで……彼が忙しいので自分が『代わりに付いて行ってアドバイスしてやる』って言って、付いて来てくれたんです。背格好も顔も似ているから、試着もして貰ったんですけど―――もしかして、彼を『新郎』と思っていました?春野さん」
良く見れば確かに似ている……!
それにしても随分熱心だったから、全く気付かなかった。お金出すとか言ってたし……!まさか弟の結婚式にあそこまで食い付く『お兄様』がいらっしゃるなんて……!!
新郎も今まで来ていた『お兄様』同様、かなりの美男だった。
確かにこれなら鹿島様と同級生、と言うのも頷ける。
今までいらしていた『本田様』は同級生にしては妙に頼りがいがあって、年上っぽいなぁって感じた印象は間違いでは無かったんだ……!
本物の『本田様』は今までいらしていた『お兄様』よりやはり見た目も若々しく、やや精悍な印象を受ける。
そう言えば本田様は『パイロット』だったよね。
すごいな~~鹿島様、ますます超羨ましい……!
「スイマセン、兄がご迷惑をおかけしましたか?」
イケメンに顔を覗き込まれ、私は思わず赤面してしまう。
「いえ、随分ご熱心に打ち合わせに参加されているので、てっきり新郎様ご本人かと―――こちらの勘違いで、誠に申し訳ありません。担当との引継ぎが不十分でした」
私はできるだけ誠意が伝わるようにしっかりと頭を下げた。
顔を上げると、二人は視線を合わせて苦笑していた。その柔らかい様子に、ホッと胸を撫で下ろす。新婦の鹿島様は……見た感じの『まんま』優しいお人柄のようだ。
「兄も彼女と長い付き合いなので、妹同然に思っていて―――どうしても思い入れが深くなっちゃったんでしょうね。逐一写真を意見付きでスマホに送ってくれたので、僕も実際助かったんです。忙しくて初回打合せ以外全然付き添え無かったので」
「そう言えば、小学校からのお付き合いでしたっけ」
二人は頷き、これまでずっと『お兄様』に若干振り回されていた感のある鹿島様が、ニコリと笑って付け足してくれた。
「はい。お祝いしてくれる気持ちが強いのが分かっているので、あまり強く跳ねつけられなくて―――すごーく、春野さんには、色々シツコク質問したりしていましたよね。根気良く付き合っていただいて本当に感謝しています。少し突っ込み過ぎかなぁって最初私も引き気味だったんですけど―――質問を横で聞いていたお陰で、色々よく検討する事が出来ました。彼が忙しくて自分主導で動くのって、本当は少し不安だったんで―――」
その時の私の心境は。
実は「やった!」と、内心浮かれまくっていた。
新婦の鹿島さんが結婚するのは『こっちの美男』で『あっちの美男』じゃないんだ……!!
これって、恋愛小説みたいじゃない?
もしかして、この出会いから色々始まっちゃったりしちゃうんじゃない……?!
浮かれた私は、一層力を入れて―――お二人の結婚プランを遂行すべく邁進したのであった……。
しかし程なくして、私の希望のシャボン玉はパチンと弾けてしまう事となる。
新郎の本田様の素敵な素敵な『お兄様』は―――暫くして背の高い美女を連れて式場の下見に現れた。
やけに熱心にオプションを検討していた筈だ。
可愛い弟と義妹の結婚式の為だけじゃあ、無かったのだ……!!
ガックリと項垂れながらも、私はここぞとばかりに高額なメニューばかりお勧めしたのだった……せめて仕事の儲けで取り戻して見せるモンねっっ!!!
えーん、泣きたい!
一人称、本田と唯の結婚式を担当するウエディングプランナーさん視点のお話です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
前任の担当者が産休に入る事になり引き継ぎを受けたカップルと打合せする事になった。初顔合わせにソワソワしながら待受けていた私の目に飛び込んできたのは―――飛び切り精悍な長身の美男だった―――。
あまりの格好良さに度肝を抜かれてしまった。フワフワした気持ちで打合せを終え、頬を染めて精一杯の笑顔でカップルに頭を下げ、送り出す。
はぁ~……優し気で包容力もあって、エスコートも上手。こんな素敵な人が未来の旦那様になるなんて、鹿島様、羨ましいな~。つーか、羨まし過ぎるっっ!
中には『え?この男性で本当にいいの??』って思う相手とイチャイチャしている新婦様(仮)もいるけれど……。(プロ意識に掛けて決しておくびには出しませんが)
結婚準備の打合せに来る二人は大抵今現在の幸福に光輝いていて、未来の旦那様になる人は、特に頼もしく見えてしまう。
きっと新郎(仮)本人も精一杯余裕を出して、奥さんになる人に二割増し、三割増しで良い所を見せているんだろうなぁ~~って―――見通してはいるけれど、二年前に彼氏と別れて以来独り身の私にとっては羨ましい限り。何せ結婚に踏み出しちゃんとお金を掛けて式を挙げようと決意する男性がどんなに稀少な存在なのかって―――この仕事をしている私だからこそ、ヒシヒシと実感しているのだから。
その証拠に昨今流行りのハウスウエディングに押されて、私の職場のようなホテルウエディングは下火になりつつある。
本田様と鹿島様のように大規模な披露宴を上げるカップルが減って来たと言う事もある。お二人の場合はそれぞれの職場関係のほか、本田様のご実家が古くからの名家で不動産業も営んでおり、招待する範囲や人数がかなりの数になると言うのがこちらを選んでいただいた理由の一つらしい。
今時、親しい友人と身内以外をキチンと招待すると決断するだけでも『頼りがいのある男性』として素晴らしく見えるのに、こうして一緒に打合せに顔を出し熱心に話を聞く様子を目にすると、私の中の好感度が、毎回ドンドン鰻登り上がってしまう。今や本田様の好感度は私の中で天井知らずだ。
あーん、鹿島様、羨ましいよ~~!
代われるものなら代わって欲しい……!
しかし絶対それは有り得ないし、こちらの商売としてもあってはならない事なので……代わりに私の情熱や夢を上乗せして、熱意をこめて対応させていただく事にした。私って嫌になるほど前向きだわ―――本当にこのお仕事、天職だと思う……。
だって、ただ打ち合わせに付きそって夢中になっている様子を見守っているだけでも優しい男性だなぁって思う。中には奥さんにまかせっきりって人もまだまだ多いしね。まあ旦那さんの中にも熱心にパンフレットを研究して主導権を握る人も少なくは無いけれど……。
なのにこんな美形で、長身で、そして一見して分かるほど身なりが良くて―――ホンワカした感じの彼女に椅子を引いて座らせるスマートな身のこなしの男性が、新婦の鹿島様よりも熱心に打ち合わせに参加しているのだから。
そして私にとってここが一番重要!!とっても良い声をお持ちなんですよ~~~!
あー、羨ましい。
目の前に座っている様子を見ているだけで、女性ホルモンが活性化しちゃう気がするよ!
「唯、お色直しの回数もう少し増やした方がいいんじゃないか?式に着たウエディングドレスとカラードレスだけって、少な過ぎだろう」
「あんまり着替え過ぎて、会場にいないって言うのが嫌なの。それにドレスが多いほど予算が膨らんじゃうし……」
「俺が出すからお金の心配はしなくていいぞ」
「え!でも……」
「家族になるんだから、当たり前だろ」
「別にいいのに。とにかくお色直しは一回でいいから」
「じゃあ、お色直しは和装を一着だけ増やして、他に数着選んだドレスは写真撮影にまわそう」
「ええ~……」
そんな感じで始終新郎の本田様がノリノリで、ドレスを増やしたり、会場設営用の花のランクを上げようとしたり、デザートビュッフェの追加を提案したり、オプションの生演奏に拘ったり―――結婚式をより豪華にしようと提案して、新婦にすげなく却下されたり偶に押し通したり―――と言う遣り取りの繰り返しだった。
ドレスの試着の時も新婦より熱心に選びスマホで色んな角度から写真を撮影したそうだ。何着も着せ替えさせられて新婦はヘトヘトになったらしい……と言うのは衣装部の担当から聞いた話。
そうやって数回打合せを重ねたある日、受付に現れた新郎が別人に変わっていたから―――思わず声を失ってしまった。
「あ、あの……鹿島様?本田様は……」
「え?ここにいますけど……?」
鹿島様は優し気な眉を下げて、首を傾げている。
え?ていうか今までの本田様は、何処へ行ったの?
これは夢?それとも、何かトラブルがあって新郎が入れ替わったとか……??
「ええと、その……今まで一緒にいらしてた方はどうしたのですか?」
「今まで……?あ!もしかして!ち、違います」
新婦の鹿島様は頬を染めて、恥ずかしそうに言った。
「いつも一緒に来ていたのは、この人のお兄さんで……彼が忙しいので自分が『代わりに付いて行ってアドバイスしてやる』って言って、付いて来てくれたんです。背格好も顔も似ているから、試着もして貰ったんですけど―――もしかして、彼を『新郎』と思っていました?春野さん」
良く見れば確かに似ている……!
それにしても随分熱心だったから、全く気付かなかった。お金出すとか言ってたし……!まさか弟の結婚式にあそこまで食い付く『お兄様』がいらっしゃるなんて……!!
新郎も今まで来ていた『お兄様』同様、かなりの美男だった。
確かにこれなら鹿島様と同級生、と言うのも頷ける。
今までいらしていた『本田様』は同級生にしては妙に頼りがいがあって、年上っぽいなぁって感じた印象は間違いでは無かったんだ……!
本物の『本田様』は今までいらしていた『お兄様』よりやはり見た目も若々しく、やや精悍な印象を受ける。
そう言えば本田様は『パイロット』だったよね。
すごいな~~鹿島様、ますます超羨ましい……!
「スイマセン、兄がご迷惑をおかけしましたか?」
イケメンに顔を覗き込まれ、私は思わず赤面してしまう。
「いえ、随分ご熱心に打ち合わせに参加されているので、てっきり新郎様ご本人かと―――こちらの勘違いで、誠に申し訳ありません。担当との引継ぎが不十分でした」
私はできるだけ誠意が伝わるようにしっかりと頭を下げた。
顔を上げると、二人は視線を合わせて苦笑していた。その柔らかい様子に、ホッと胸を撫で下ろす。新婦の鹿島様は……見た感じの『まんま』優しいお人柄のようだ。
「兄も彼女と長い付き合いなので、妹同然に思っていて―――どうしても思い入れが深くなっちゃったんでしょうね。逐一写真を意見付きでスマホに送ってくれたので、僕も実際助かったんです。忙しくて初回打合せ以外全然付き添え無かったので」
「そう言えば、小学校からのお付き合いでしたっけ」
二人は頷き、これまでずっと『お兄様』に若干振り回されていた感のある鹿島様が、ニコリと笑って付け足してくれた。
「はい。お祝いしてくれる気持ちが強いのが分かっているので、あまり強く跳ねつけられなくて―――すごーく、春野さんには、色々シツコク質問したりしていましたよね。根気良く付き合っていただいて本当に感謝しています。少し突っ込み過ぎかなぁって最初私も引き気味だったんですけど―――質問を横で聞いていたお陰で、色々よく検討する事が出来ました。彼が忙しくて自分主導で動くのって、本当は少し不安だったんで―――」
その時の私の心境は。
実は「やった!」と、内心浮かれまくっていた。
新婦の鹿島さんが結婚するのは『こっちの美男』で『あっちの美男』じゃないんだ……!!
これって、恋愛小説みたいじゃない?
もしかして、この出会いから色々始まっちゃったりしちゃうんじゃない……?!
浮かれた私は、一層力を入れて―――お二人の結婚プランを遂行すべく邁進したのであった……。
しかし程なくして、私の希望のシャボン玉はパチンと弾けてしまう事となる。
新郎の本田様の素敵な素敵な『お兄様』は―――暫くして背の高い美女を連れて式場の下見に現れた。
やけに熱心にオプションを検討していた筈だ。
可愛い弟と義妹の結婚式の為だけじゃあ、無かったのだ……!!
ガックリと項垂れながらも、私はここぞとばかりに高額なメニューばかりお勧めしたのだった……せめて仕事の儲けで取り戻して見せるモンねっっ!!!
えーん、泣きたい!
20
お気に入りに追加
1,357
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
【完結】婚約者に忘れられていた私
稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」
「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」
私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。
エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。
ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。
私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。
あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?
まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?
誰?
あれ?
せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?
もうあなたなんてポイよポイッ。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。
※視点が一話一話変わる場面もあります。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる