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太っちょのポンちゃん 高校生編
唯ちゃんの友達
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ポンちゃんの彼女、唯ちゃん視点です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
図書室でポンちゃんを待っている時、ふと気になって七海に尋ねてみた。
「進路希望調査書ってもう出した?」
「うん?まだだよ。唯は?」
私はフルフルと首を振った。
「唯は大学受けるの?」
「受ける……かも」
「?」
「ポンちゃんが受けるなら、同じ所受ける」
「……徹底してるねー。もしかしてそのまま就職も同じ所受けちゃったりして」
「?」
私は首を傾げた。
「そのつもりだけど、何か変?」
「かーッ……ご馳走様です……」
「七海は大学受けるの?それとも専門?」
今度は七海が首を傾げた。
「うーん、まだ決めかねてるんだよねー。OLさんも良いなって思うんだけど、うっかりバリバリ働いちゃって居心地良くなって終いに寂しいおひとり様一直線……って言う未来が見える気がして」
七海は想像力が豊かだ。
これは本人も認めている事だがその妄想力も逞しく、少しいやかなり思い込みが激しい所がある。黛君と付き合ってすぐ別れた時も「自分の妄想力に振り回されたっ……!」と悔しそうに話していたのを思い出す。
「じゃあ、小さい頃は何になりたかったの?」
「小さい頃?……和菓子屋さんかな?近所の大福が大好きでね、絶対この和菓子屋さんで働くんだって決めてたなぁ」
「もしかして、時々ポンちゃんちに持って行く大福のお店?」
「そう!ずっと大好きなんだ……!でも、大福屋の従業員のお給料で暮らしていける訳ないしなぁ……」
七海が初めてポンちゃんちに遊びに行った時、近所の和菓子屋さんで買った大福をお土産に持参して来てくれた。小さい頃から出入りしている私は、そんな事思い付きもしなかったので七海の気遣いに随分感心したものだった。
そう言えば我儘な黛君はヨモギ大福を独占していた。以来七海は、必ずヨモギ大福を二個以上買って来る。黛君以外の人もヨモギ大福を食べられるように。
でもいつも結局もう一つのヨモギ大福も、黛君のお腹に消える事が多い。そんな時の七海の顔と言ったら……悔しそうだったり、悲しそうだったりして―――とっても面白い……って嘘、嘘!気の毒だって思ってるよ……!七海ゴメン!
「大福屋さんかぁ……いいねぇ」
「でしょ?でも現実的じゃないかなぁって。せいぜい大学入ってからバイトで雇ってもらうのが関の山かも」
「七海がバイトしたら、私買いに行くよ!」
「ありがとー!あ、違った『いらっしゃいませ』か」
「気が早いっ」
突っ込みを入れると七海はクスクスと笑いを噛み殺した。私も大笑いしそうだったけど、図書室で騒ぎ過ぎて追い出されたくないから我慢した。
スマホのアラームが鳴った。そろそろバスケ部の練習が終わる時間だ。
私と七海は荷物や本を片付けて図書室を出た。
玄関に辿り着いてスマホでポンちゃんの連絡を入れた直後、ニョキリと背の高い彼が姿を見せた。
「お待たせ」
「ポンちゃん、お疲れー!」
飛びつくと、ポンちゃんはしっかりと受け止めてくれる。
「俺も疲れたぞ」
黛君が駆け寄って来て、ポンちゃんの後ろから顔を出した。
いつものようにアピールして来るので、一応彼も労っておく。
「お疲れさま」
すると黛君はニッコリと嬉しそうに笑った。
それからクルリと振り向いて七海に歩み寄ると「お前は何か言う事ないのか」と絡み始める。
七海と私はチラリと視線を交わしあった。
(言い方が可愛くないよね……)
と、お互い目で気持ちを伝え合う。
「はいはい、お疲れさん」
七海は面倒臭そうに返事をした。黛君はおざなりな返事でも返ってくればそれで気が済むようで、自分の下駄箱に靴を獲りに行く。
その遣り取りと見て今度はポンちゃんと目を合わせ、クスリと笑った。
何だか黛君が、徐々に七海に懐いているような気がするんだ。
本人達は気付いてないみたいだけど。
……二人とも思い込みが激しい性質だからかな?
道が狭いから帰り道は二列になる事が多い。
四人で帰る時、以前は最初ポンちゃんと黛君、私と七海で並んで歩いていて暫くすると何故か私と黛君、その後ろにポンちゃんと七海という組み合わせになる事が多かった。
そんな時の私は主に黛君の話の聞き役だ。黛君は頭の回転が素晴らしく速い。最初は何とか話に付いて行こうと頑張るのだが、飛び続ける会話に段々付いて行けなくなり申し訳ないけれども最後の方は聞き流すのが常だった。それでも黛君は十分満足しているようなので曖昧に笑いながら頷いていた。
ところが最近このフォーメーションに少し変化が出て来た。
私と黛君が並ぶ事もあるのだけれど、最近は黛君の隣が七海である事が多くなって来た。その後ろをポンちゃんと私が話しながら歩く。
思い込みや妄想力が強いと自認するだけあって、黛君の話がどんなに斜め上に飛んでも七海はちゃんと内容を把握して付いて行く。そして黛君が極端な話をするたび、絶妙な突っ込みを入れるのだ。その様子が漫才みたいで、ポッと聞こえて来た二人の遣り取りにポンちゃんと私が思わず吹き出してしまう事があるくらい。
「ところで黛君って、進路希望何て書いたの?」
「T大、K大。私立はW大、K大」
「ゲッ、本気?ハイレベル過ぎ~いったい何になるつもりなの?」
「外科医、外交官、外食産業の経営者」
「バラバラじゃん!全部『外』で統一してるだけじゃん、ダジャレじゃん、オヤジか!」
「本当は外科医。母親が親父と同じ職業にしろって言うし」
「意外~いっつも偉そうなクセに、親の言いなりになるタイプだったんだ」
「生活資金も教育資金も全て負担して貰っているから当たり前だろ?お前は親に育てて貰って置いて、恩返しもせずにニートになる気か?それとも家事手伝(カジテツ)でもやるのか―――あての無い結婚相手を待ちながら―――ハハハっ!あー寂しいお前の四十代が目に浮かぶようだな」
「~~うるさいっ!私が何になろうと、誰と結婚しようとアンタに関係ないでしょう?」
「まるで就職も結婚もできるような口振りだな」
「~~で、できるよっ!……と、思う……けど……っ、もー黛君こそこの間また振られたんでしょ、私の事言えないじゃない!」
「一度も自分から告白した事無い俺と、誰にも告白された事の無いお前を……同列に並べるのか?それ、言ってて虚しくならないか?」
「くうっ!悔しいけど、言い返せない……っ」
黛君がすごくイキイキしている……。
私はこっそり、ポンちゃんに耳打ちした。
「こんな楽しそうな黛君、今まで見た事ある?」
ポンちゃんは首を振って真面目な顔で返事をした。
「黛の話に付いて行けて、しかも心折れない女子ってスゴイよな」
最近私達はこう思っている。
―――黛君の相手になる女の子って、七海しかいないんじゃないかって。
黛君の考えている事は、全く持って未だに分からない。
それに七海には全くその気は無いようだ。
彼女の気持ちは十二分に分かるので、押し付ける事はしない。
でも黛君がこのまま短いサイクルで女子と付き合っては別れてを繰り返していたら―――私とポンちゃんの家に入り浸る未来が見えるような気がする。すっごく嫌、と言うほどでは無い。黛君がいい人だって知っているから。
でも密かに―――私達は七海に期待をかけているのだ。七海にとってはその期待は……迷惑でしかないと思うけれど。
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図書室でポンちゃんを待っている時、ふと気になって七海に尋ねてみた。
「進路希望調査書ってもう出した?」
「うん?まだだよ。唯は?」
私はフルフルと首を振った。
「唯は大学受けるの?」
「受ける……かも」
「?」
「ポンちゃんが受けるなら、同じ所受ける」
「……徹底してるねー。もしかしてそのまま就職も同じ所受けちゃったりして」
「?」
私は首を傾げた。
「そのつもりだけど、何か変?」
「かーッ……ご馳走様です……」
「七海は大学受けるの?それとも専門?」
今度は七海が首を傾げた。
「うーん、まだ決めかねてるんだよねー。OLさんも良いなって思うんだけど、うっかりバリバリ働いちゃって居心地良くなって終いに寂しいおひとり様一直線……って言う未来が見える気がして」
七海は想像力が豊かだ。
これは本人も認めている事だがその妄想力も逞しく、少しいやかなり思い込みが激しい所がある。黛君と付き合ってすぐ別れた時も「自分の妄想力に振り回されたっ……!」と悔しそうに話していたのを思い出す。
「じゃあ、小さい頃は何になりたかったの?」
「小さい頃?……和菓子屋さんかな?近所の大福が大好きでね、絶対この和菓子屋さんで働くんだって決めてたなぁ」
「もしかして、時々ポンちゃんちに持って行く大福のお店?」
「そう!ずっと大好きなんだ……!でも、大福屋の従業員のお給料で暮らしていける訳ないしなぁ……」
七海が初めてポンちゃんちに遊びに行った時、近所の和菓子屋さんで買った大福をお土産に持参して来てくれた。小さい頃から出入りしている私は、そんな事思い付きもしなかったので七海の気遣いに随分感心したものだった。
そう言えば我儘な黛君はヨモギ大福を独占していた。以来七海は、必ずヨモギ大福を二個以上買って来る。黛君以外の人もヨモギ大福を食べられるように。
でもいつも結局もう一つのヨモギ大福も、黛君のお腹に消える事が多い。そんな時の七海の顔と言ったら……悔しそうだったり、悲しそうだったりして―――とっても面白い……って嘘、嘘!気の毒だって思ってるよ……!七海ゴメン!
「大福屋さんかぁ……いいねぇ」
「でしょ?でも現実的じゃないかなぁって。せいぜい大学入ってからバイトで雇ってもらうのが関の山かも」
「七海がバイトしたら、私買いに行くよ!」
「ありがとー!あ、違った『いらっしゃいませ』か」
「気が早いっ」
突っ込みを入れると七海はクスクスと笑いを噛み殺した。私も大笑いしそうだったけど、図書室で騒ぎ過ぎて追い出されたくないから我慢した。
スマホのアラームが鳴った。そろそろバスケ部の練習が終わる時間だ。
私と七海は荷物や本を片付けて図書室を出た。
玄関に辿り着いてスマホでポンちゃんの連絡を入れた直後、ニョキリと背の高い彼が姿を見せた。
「お待たせ」
「ポンちゃん、お疲れー!」
飛びつくと、ポンちゃんはしっかりと受け止めてくれる。
「俺も疲れたぞ」
黛君が駆け寄って来て、ポンちゃんの後ろから顔を出した。
いつものようにアピールして来るので、一応彼も労っておく。
「お疲れさま」
すると黛君はニッコリと嬉しそうに笑った。
それからクルリと振り向いて七海に歩み寄ると「お前は何か言う事ないのか」と絡み始める。
七海と私はチラリと視線を交わしあった。
(言い方が可愛くないよね……)
と、お互い目で気持ちを伝え合う。
「はいはい、お疲れさん」
七海は面倒臭そうに返事をした。黛君はおざなりな返事でも返ってくればそれで気が済むようで、自分の下駄箱に靴を獲りに行く。
その遣り取りと見て今度はポンちゃんと目を合わせ、クスリと笑った。
何だか黛君が、徐々に七海に懐いているような気がするんだ。
本人達は気付いてないみたいだけど。
……二人とも思い込みが激しい性質だからかな?
道が狭いから帰り道は二列になる事が多い。
四人で帰る時、以前は最初ポンちゃんと黛君、私と七海で並んで歩いていて暫くすると何故か私と黛君、その後ろにポンちゃんと七海という組み合わせになる事が多かった。
そんな時の私は主に黛君の話の聞き役だ。黛君は頭の回転が素晴らしく速い。最初は何とか話に付いて行こうと頑張るのだが、飛び続ける会話に段々付いて行けなくなり申し訳ないけれども最後の方は聞き流すのが常だった。それでも黛君は十分満足しているようなので曖昧に笑いながら頷いていた。
ところが最近このフォーメーションに少し変化が出て来た。
私と黛君が並ぶ事もあるのだけれど、最近は黛君の隣が七海である事が多くなって来た。その後ろをポンちゃんと私が話しながら歩く。
思い込みや妄想力が強いと自認するだけあって、黛君の話がどんなに斜め上に飛んでも七海はちゃんと内容を把握して付いて行く。そして黛君が極端な話をするたび、絶妙な突っ込みを入れるのだ。その様子が漫才みたいで、ポッと聞こえて来た二人の遣り取りにポンちゃんと私が思わず吹き出してしまう事があるくらい。
「ところで黛君って、進路希望何て書いたの?」
「T大、K大。私立はW大、K大」
「ゲッ、本気?ハイレベル過ぎ~いったい何になるつもりなの?」
「外科医、外交官、外食産業の経営者」
「バラバラじゃん!全部『外』で統一してるだけじゃん、ダジャレじゃん、オヤジか!」
「本当は外科医。母親が親父と同じ職業にしろって言うし」
「意外~いっつも偉そうなクセに、親の言いなりになるタイプだったんだ」
「生活資金も教育資金も全て負担して貰っているから当たり前だろ?お前は親に育てて貰って置いて、恩返しもせずにニートになる気か?それとも家事手伝(カジテツ)でもやるのか―――あての無い結婚相手を待ちながら―――ハハハっ!あー寂しいお前の四十代が目に浮かぶようだな」
「~~うるさいっ!私が何になろうと、誰と結婚しようとアンタに関係ないでしょう?」
「まるで就職も結婚もできるような口振りだな」
「~~で、できるよっ!……と、思う……けど……っ、もー黛君こそこの間また振られたんでしょ、私の事言えないじゃない!」
「一度も自分から告白した事無い俺と、誰にも告白された事の無いお前を……同列に並べるのか?それ、言ってて虚しくならないか?」
「くうっ!悔しいけど、言い返せない……っ」
黛君がすごくイキイキしている……。
私はこっそり、ポンちゃんに耳打ちした。
「こんな楽しそうな黛君、今まで見た事ある?」
ポンちゃんは首を振って真面目な顔で返事をした。
「黛の話に付いて行けて、しかも心折れない女子ってスゴイよな」
最近私達はこう思っている。
―――黛君の相手になる女の子って、七海しかいないんじゃないかって。
黛君の考えている事は、全く持って未だに分からない。
それに七海には全くその気は無いようだ。
彼女の気持ちは十二分に分かるので、押し付ける事はしない。
でも黛君がこのまま短いサイクルで女子と付き合っては別れてを繰り返していたら―――私とポンちゃんの家に入り浸る未来が見えるような気がする。すっごく嫌、と言うほどでは無い。黛君がいい人だって知っているから。
でも密かに―――私達は七海に期待をかけているのだ。七海にとってはその期待は……迷惑でしかないと思うけれど。
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