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後日談 黛先生の婚約者
(25)結婚したら
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再び、唯と七海のおしゃべりのみの小話。(24)話の続きです。
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「そう言えば、黛君のお母さんってジャズピアニストの『REIKO』だったんだってね、私あんまりジャズ聞かないんだけど彼女の曲は結構聞いてたんだ。でもこんなに身近な人だなんて知らなかったから吃驚した」
「小学校からの付き合いなのに知らなかったの?」
「うん。今思うと黛君っておしゃべりだけど、ほとんど家族の話とか口にしなかったかも。ピアノ弾けるって言うのも、七海に聞いて初めて知ったもん」
黛と付き合うようになって、自分は今まで彼の事をほとんど知らなかったのだと、七海も漸く気が付いたのだ。おしゃべりな割に、黛は話したくない事は口には出さない。
「そう言えば……黛君って仕事の愚痴とかほとんど言わないんだよね。専門的な話になるからかもしれないけど―――結構口に出す話題に気を使ってるのかも。そんな風に全然見えないけどね」
以前、月経前症候群(PMS)について指摘されたり、手術の手順についてチラリと話が出た事はあるが―――こちらから尋ねなければ愚痴らしい話は全く出てこない。愚痴ったと言うのもずっと以前、こちらから忙しそうだと指摘した時『失敗ばかりだ』と答えた事があるくらいだ。
「へー。ポンちゃんも仕事の愚痴はあんまり言わないタイプだけど―――黛君ってもっとべらべら仕事の話しそうなイメージなのに、意外だね」
「うん、高校の時はそんな風に全く見えなかったしね。と言うか、まさか結婚する関係になるなんて想像もしていなかったからね。今でもこうして付き合っているのが時々不思議な気がするくらい」
「……私は、いずれこうなるような気はしていたけどね」
「え?そう?それって、いつ頃の話?」
それとは知らず黛を意識し始めた頃、想いの端っこが自分の態度に滲み出てしまっていたのだろうか……と七海はちょっと恥ずかしくなった。
「高校生の時かな……?」
「へ?ええ~!本当?そんな前に?」
何せ七海はずっと黛は唯の事を好きだと思い込んでいたくらいだ。その唯が高校の頃に既にそんな風に二人を見ていたなんて―――と七海は俄かには信じられない気持ちだった。
それに……と七海はある事を思い出して、不審気に目を細めて友人の顔を見た。
「でも、それにしては随分、信さんを押していたような……」
「え?アハハ……それはさぁ、ただ単に七海と家族になれそうだったから、盛り上がっちゃっただけで!でもやっぱり、七海には一番黛君が似合っていると思うよ!」
「調子いいなぁ……」
「いいの!私は七海が幸せなら、どっちでも良いんだから」
唯の真っすぐな台詞に、思わず七海は頬を染めた。
そこにコンコンと扉を叩く音がして振り向くと、大きな体の唯パパが白い歯を見せてニコリと笑っていた。
「ケーキ出来たぞ」
「有難う、パパ」
「ありがとうございま~す」
唯パパは七海のお礼に、ニッコリと再び太陽のように笑って頷いた。そしてすぐに、扉の向こうへ姿を消した。
「さあ、食べようか。結構美味しいんだよ、パパのケーキ」
「え!これ、お父さんが焼いたの?!」
唯パパの立派な体格を思い出し、七海は目を丸くした。
あの体格で……この柔らかそうでふわっふわなシフォンケーキを焼くだなんて、意外過ぎると思った。
「そうなの。定年してから暇だからって、料理に凝ってるの」
「え?もう、定年?」
七海は今まで、唯の父親とはほとんど顔を合わせる事は無かった。今日彼が家に居たのはその所為なのかと七海は納得しつつも、驚きを露わにした。
「階級にもよるけど……自衛隊は五十四歳で定年になる人が多いんだって」
「へ~~。でも良かったね。唯が結婚して家を出ても、お母さん寂しくなさそう」
「そうだね。じゃ無かったら、結婚後もきっと同居してたなぁ。七海は籍入れたら黛君のマンションに引っ越すんだっけ?」
「うん……あ、美味い!なにコレ。スッゴイ美味しい……」
唯パパのケーキは絶品だった。
「すご~!お店やれそう。喫茶店とかで出てたら看板メニューになるよ!」
唯が笑いながら言った。
「それパパに言ったら駄目だよ。その気になって、本当にお店出しちゃうから」
「でもまだ五十代でしょ?ウチのお父さんも黛君のお父さんも確か同じくらいの年だけど、今が一番働き盛りって感じで忙しそうだよ。唯のお父さんも家に籠るのはまだ早いんじゃない?」
「まあね。同じ頃退職した人は皆、再就職してるみたいだよ。電気技師とか……色々資格持ってるから設備会社に就職したり、体力を生かして警備会社とか―――パパも少しのんびりしたらまた働くかもって言ってたし」
「人生色々だねえ……五十代で再就職って結構大変そう。今までずっとやってた仕事ときっと全然勝手が違うよね」
すると唯が話題を七海に向けた。
「そう言えば七海って、お仕事続けるの?今のままだと結構休み合わなくない?黛君と」
「え!うーん。そうなんだよね……唯はどうするの?」
「私は子供出来るまで、このままかな?ポンちゃんは忙しいから、家で待ってても寂しいだけだしね」
「子供出来たら……辞めちゃうの?」
「そうだね―――今までみたいに外勤や出張の多い仕事は出来ないから……内勤だけに変えて貰えるなら、育休開けに戻るかもしれないけど……うーん。実はポンちゃんのお母さんに誘われてるんだよね。一緒に働かないかって」
「え?えっとそれは……信さんも働いている不動産会社でって事?畑違い過ぎない?」
意外な話題に七海は首を傾げる。彼女の疑問も尤もだと、唯はしっかりと頷いた。
「外国人向けのシェアハウスを作りたいんだって。それと『民泊』って言って、法律が変わって空いている不動産を宿泊施設にできるようになるらしくって―――ほら、オリンピックが四年後にあるでしょ?観光客向けの対応も拡げたいみたい」
「あーそっか。唯、英語できるし旅行に詳しいから……」
「なんかスゴイよね。子供の頃はポンちゃんママって、パートしている普通の主婦ってイメージしかなかったんだけど……先見の明があるって言うか会社の代表やってるだけあって、実業家って感じだなぁって感心しちゃった」
フーッと唯は息を吐いた。
その複雑な表情を見て、七海は唯の顔を覗き込んだ。
「……やっぱ、唯って……」
「ん?」
「今、『マリッジ・ブルー』?」
「んん!確かに、そうかも……!!」
顔を見合わせて、二人は笑い合った。
『マリッジ・ブルー』も新しい結婚生活の不安も、一緒に笑い飛ばせる相手がいれば何とか乗り越えられそうだ、と七海と唯は思ったのだった。
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お読みいただき、有難うございました。
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「そう言えば、黛君のお母さんってジャズピアニストの『REIKO』だったんだってね、私あんまりジャズ聞かないんだけど彼女の曲は結構聞いてたんだ。でもこんなに身近な人だなんて知らなかったから吃驚した」
「小学校からの付き合いなのに知らなかったの?」
「うん。今思うと黛君っておしゃべりだけど、ほとんど家族の話とか口にしなかったかも。ピアノ弾けるって言うのも、七海に聞いて初めて知ったもん」
黛と付き合うようになって、自分は今まで彼の事をほとんど知らなかったのだと、七海も漸く気が付いたのだ。おしゃべりな割に、黛は話したくない事は口には出さない。
「そう言えば……黛君って仕事の愚痴とかほとんど言わないんだよね。専門的な話になるからかもしれないけど―――結構口に出す話題に気を使ってるのかも。そんな風に全然見えないけどね」
以前、月経前症候群(PMS)について指摘されたり、手術の手順についてチラリと話が出た事はあるが―――こちらから尋ねなければ愚痴らしい話は全く出てこない。愚痴ったと言うのもずっと以前、こちらから忙しそうだと指摘した時『失敗ばかりだ』と答えた事があるくらいだ。
「へー。ポンちゃんも仕事の愚痴はあんまり言わないタイプだけど―――黛君ってもっとべらべら仕事の話しそうなイメージなのに、意外だね」
「うん、高校の時はそんな風に全く見えなかったしね。と言うか、まさか結婚する関係になるなんて想像もしていなかったからね。今でもこうして付き合っているのが時々不思議な気がするくらい」
「……私は、いずれこうなるような気はしていたけどね」
「え?そう?それって、いつ頃の話?」
それとは知らず黛を意識し始めた頃、想いの端っこが自分の態度に滲み出てしまっていたのだろうか……と七海はちょっと恥ずかしくなった。
「高校生の時かな……?」
「へ?ええ~!本当?そんな前に?」
何せ七海はずっと黛は唯の事を好きだと思い込んでいたくらいだ。その唯が高校の頃に既にそんな風に二人を見ていたなんて―――と七海は俄かには信じられない気持ちだった。
それに……と七海はある事を思い出して、不審気に目を細めて友人の顔を見た。
「でも、それにしては随分、信さんを押していたような……」
「え?アハハ……それはさぁ、ただ単に七海と家族になれそうだったから、盛り上がっちゃっただけで!でもやっぱり、七海には一番黛君が似合っていると思うよ!」
「調子いいなぁ……」
「いいの!私は七海が幸せなら、どっちでも良いんだから」
唯の真っすぐな台詞に、思わず七海は頬を染めた。
そこにコンコンと扉を叩く音がして振り向くと、大きな体の唯パパが白い歯を見せてニコリと笑っていた。
「ケーキ出来たぞ」
「有難う、パパ」
「ありがとうございま~す」
唯パパは七海のお礼に、ニッコリと再び太陽のように笑って頷いた。そしてすぐに、扉の向こうへ姿を消した。
「さあ、食べようか。結構美味しいんだよ、パパのケーキ」
「え!これ、お父さんが焼いたの?!」
唯パパの立派な体格を思い出し、七海は目を丸くした。
あの体格で……この柔らかそうでふわっふわなシフォンケーキを焼くだなんて、意外過ぎると思った。
「そうなの。定年してから暇だからって、料理に凝ってるの」
「え?もう、定年?」
七海は今まで、唯の父親とはほとんど顔を合わせる事は無かった。今日彼が家に居たのはその所為なのかと七海は納得しつつも、驚きを露わにした。
「階級にもよるけど……自衛隊は五十四歳で定年になる人が多いんだって」
「へ~~。でも良かったね。唯が結婚して家を出ても、お母さん寂しくなさそう」
「そうだね。じゃ無かったら、結婚後もきっと同居してたなぁ。七海は籍入れたら黛君のマンションに引っ越すんだっけ?」
「うん……あ、美味い!なにコレ。スッゴイ美味しい……」
唯パパのケーキは絶品だった。
「すご~!お店やれそう。喫茶店とかで出てたら看板メニューになるよ!」
唯が笑いながら言った。
「それパパに言ったら駄目だよ。その気になって、本当にお店出しちゃうから」
「でもまだ五十代でしょ?ウチのお父さんも黛君のお父さんも確か同じくらいの年だけど、今が一番働き盛りって感じで忙しそうだよ。唯のお父さんも家に籠るのはまだ早いんじゃない?」
「まあね。同じ頃退職した人は皆、再就職してるみたいだよ。電気技師とか……色々資格持ってるから設備会社に就職したり、体力を生かして警備会社とか―――パパも少しのんびりしたらまた働くかもって言ってたし」
「人生色々だねえ……五十代で再就職って結構大変そう。今までずっとやってた仕事ときっと全然勝手が違うよね」
すると唯が話題を七海に向けた。
「そう言えば七海って、お仕事続けるの?今のままだと結構休み合わなくない?黛君と」
「え!うーん。そうなんだよね……唯はどうするの?」
「私は子供出来るまで、このままかな?ポンちゃんは忙しいから、家で待ってても寂しいだけだしね」
「子供出来たら……辞めちゃうの?」
「そうだね―――今までみたいに外勤や出張の多い仕事は出来ないから……内勤だけに変えて貰えるなら、育休開けに戻るかもしれないけど……うーん。実はポンちゃんのお母さんに誘われてるんだよね。一緒に働かないかって」
「え?えっとそれは……信さんも働いている不動産会社でって事?畑違い過ぎない?」
意外な話題に七海は首を傾げる。彼女の疑問も尤もだと、唯はしっかりと頷いた。
「外国人向けのシェアハウスを作りたいんだって。それと『民泊』って言って、法律が変わって空いている不動産を宿泊施設にできるようになるらしくって―――ほら、オリンピックが四年後にあるでしょ?観光客向けの対応も拡げたいみたい」
「あーそっか。唯、英語できるし旅行に詳しいから……」
「なんかスゴイよね。子供の頃はポンちゃんママって、パートしている普通の主婦ってイメージしかなかったんだけど……先見の明があるって言うか会社の代表やってるだけあって、実業家って感じだなぁって感心しちゃった」
フーッと唯は息を吐いた。
その複雑な表情を見て、七海は唯の顔を覗き込んだ。
「……やっぱ、唯って……」
「ん?」
「今、『マリッジ・ブルー』?」
「んん!確かに、そうかも……!!」
顔を見合わせて、二人は笑い合った。
『マリッジ・ブルー』も新しい結婚生活の不安も、一緒に笑い飛ばせる相手がいれば何とか乗り越えられそうだ、と七海と唯は思ったのだった。
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