324 / 363
後日談 黛家の妊婦さん4
(184)帰り道で
しおりを挟む
時系列として、前話の女子会ランチの後。
黛視点のお話です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日も定時には、上がれなかった。
いや、そもそも定時に帰れるなどと言う発想が間違っているのかもしれない。
緊急医療センターには、毎日多くの患者が訪れる。黛が経験の浅い研修医であるが故、手際が悪いと言うことは全く否定できない。が、それ以上に押し寄せる患者の数が多いのも事実だ。それでも今日は、まだ日勤だ。夜間勤務に比べれば、良いほうかもしれない。
夜間の救急に駆け込む患者と聞けば、大事故や重篤患者をイメージされるだろう。しかし実際は、患者の九割は風邪や軽い怪我など、緊急性のない症状でここを訪れる。そういった患者を窓口で追い返すようなことはないが、本当に緊急の患者が救急車で運ばれた時、十分な対応が出来なくなるのではと、怖くなることがある。
黛の指導医師は「何とかするしか仕方ねぇだろ」と笑うが……言えるだけの経験と技量を持つ人間だから言えるのだろう。黛には未だ、そう言い切れる何もない。
「黛先生!……ですよね?」
ひょこり、と小柄な影が横に並んだ。
「お疲れさまです。今、帰りですか?」
「えーと……」
見覚えが、あるような気はする。
しかし知らない相手から声を掛けられることは、黛には昔からよくあることだ。幼い頃から目立ち過ぎるほど目立つ容姿をしているので、自分が覚えていない相手や話した事もない相手から、一方的に覚えられていることは多い。
しかし研修医となってからは、仕事で世話になる相手は出来る限り顔と名前を覚えるようにしている。だから直接関わった人間ではないのだろう、と当りを付けた。
「あの、大学で看護師をしている馬渡です。ちょうど仕事帰りだったんです。偶然ですねぇー!」
前の研修先だった、大学病院に勤めている看護師らしい。それで見覚えがあるのか、と納得する。ギリギリ知合い、と言ったところだろうか。しかし名前は名乗って貰わなければ、分からなかっただろう。
「ああ、お疲れ様です」
「新しいトコ、忙しいですか?」
「そうですね。―――あ、俺こっちですので」
改札が目に入ったので、黛は会釈して別れようとした。
「わ、私も! こっちなんです!」
すると、真っすぐ改札を通り過ぎようとしていたように見えた馬渡が、クルリと向きを変え、後を付いて来た。そのまま黛に続いて、カードをかざして改札をくぐる。大股で歩く黛の後を、小柄な彼女がチョコチョコと小走りで歩いていた。同じ方向なのだろうか、と気にも留めずに歩き、いつもの乗り口に並ぶ。すると黛のすぐ後ろで、彼女も足を止めた。頬を真っ赤にして、肩で息をしている。
その様子を一瞥した黛は『少し面倒だな』と思う。
電車で一人になれる時間は貴重なのだ。スマホで情報をチェックしたり、読まなければならない本に目を通したり、二子玉川が近づく頃には目を閉じて本日の仕事に関する一人反省会を開いたりもする。そうして仕事でささくれだったメンタルに整理を付けてから―――できる限り万全に頭を切り替えて、愛する妻の待つ我が家へ帰るのが、黛の近頃の習わしだった。その習慣が崩される予感がしたのだ。
案の定、隣に立った馬渡は、まるで黙っているのが罪であるかのように話し掛けて来る。
「いつもこの時間なんですか? あ、違いますよね。夜勤もありますしね!」
「やっぱり、日本は医師も看護師も少なすぎですよね。病床当たりアメリカの五分の一って、格差あり過ぎですよね」
「平岩さんご存知ですか? 私ちょっと苦手で。今日も注意されたんですよー」
「その時計、素敵ですね! いいなぁ、私も欲しい!」
声を低く押さえていたとしても、黛は電車内で仕事の話をするのはどうかと思う。適当に相槌や返事を返していたら、最初は仕事に関することだった話題が徐々にどうでも良い世間話に変わって言った。いつ話し終るのだろう、と内心溜息を吐く。
ある程度馬渡が自分に好意を持って接している、と言うことくらい黛には分かっている。交流の無い女性から好意を向けられることには、慣れているからだ。
しかしだからと言って、浮かれているわけではない。黛が素のままで接すると、腹を立てる女性が多すぎるのだ。学生時代は何と思われようと気にならなかったが、さすがに看護師に毛嫌いされるのは、面倒だった。万が一、一緒に仕事をすることになれば、かなりやり辛い事になる。自然と、馬渡が話せば話すほど、黛の口は重くなった。
降車する駅に辿り着いた時『これで解放される』とホッとしたのも束の間。黛が会釈して降りようとすると、何故か降りる気配の無かった彼女も慌てて列車を飛び降りた。怪訝そうに黛が視線を向けると、馬渡は笑って弁解した。
「あの、私ここで用事があって……!」
「そうですか」
頷いた黛が「じゃあ」と言って大股に歩き出すと、何故か再びちょこまかと、馬渡が後をついて来る。同じ改札をくぐった後、漸く『これは違うだろう』と確信するに至った。
まさか、このまま家まで付いて来る気だろうか? 少しうんざりしつつも、黛はこのまま適当に受け流すのを諦めた。
「俺に、何か用事ですか?」
改札を過ぎ、暫く歩いて壁際に寄る。立ち止まり、付き纏う馬渡を振り返った。すると馬渡はパッと頬を染めて、上目遣いに黛を見返して来た。
「あの、その……もし良かったら、一緒にご飯でも……どうですか?」
黛は一つ溜息を吐いてから、口を開いた。
「時間の無駄でしょう」
「え?」
笑顔のまま、馬渡が固まった。言葉の意味を捕らえかねているのか、ポカンと黛を見上げ瞬きを繰り返している。
そこで、黛は考えた。説明不足を補うことにする。
「俺は仕事以外の時間は、好きな事にしか使いたくない。特に親しくもない女の人と食事をする時間があったら、家に帰って妻に会いたいです。その方がずっと有意義だと思いませんか」
馬渡は、言葉を発することなく。ただ目を丸くして、黛を見ていた。
これでも説明が足りないのかと、黛は首を傾げる。
しかしこれ以上、もう一分たりとも時間を無駄にしたくなかった。
返事はないが、一応自分が伝えたいことは伝えられたと思う。
そう自己満足した黛は、大きく頷いた。それから「じゃあ、これで」と、事務的に手をあげる。そしてボンヤリ佇む馬渡を後に残して、立ち去ったのだった。
** ** **
その一部始終をたまたま駅のその場所を通り掛かった新が、目撃していた。
家路を急ぐ黛に、スキップするような勢いで駆け寄る。
「龍ちゃん! 今帰り?」
「ああ、新か」
チラリと隣に目を向けるが、歩みを緩めず黛は歩き続ける。新も身長も足の長さも黛に引けは取らない。特に息を切らすこともなく、黛の速度に問題なく付いて行く。そのまま並んで歩き始めた。
前を向いたまま、黛が尋ねた。
「本田の家に行くのか?」
「うん。しっかし、龍ちゃん。相変わらずだねー」
新が、畏敬の籠った溜息を洩らした。
「?」
「見てたよ! 可愛い女の子に、ずいぶん酷いこと言ってたよね」
一瞬何を言われているのかピンと来ず、黛は新を振り向いた。しかし興味深げに自分の覗き込んでいる視線に、先ほどの場面を見られていたのだと理解した。
「……そうか?」
「そうだよ!」
強く主張されて、ふむ、と黛は頷いた。
「出来るだけ、親切に話したつもりだけどな」
速度を緩めず歩きながら、黛は首をかしげる。
正直言えば、あの時、黛は馬渡を無視して逃げることも出来た。
けれども、誤魔化して期待する余地を残せば、彼女は今後同じような行動を起こすかもしれない、と考えたのだ。だからわざわざ貴重な自由時間を削って彼女に向き合い、自分の気持ちを説明した。
今後顔を合わせる可能性もあるから、敢えてそうしたのだ。ある意味、親切心もあった。相手の為にも「全くその気のない自分に貴重な時間を割くより、もっと他を当たった方が良い」とハッキリ言うべきだと思ったのだ。
「え……『あれ』で?!」
黛の思考回路を全く理解できない新は、驚愕する。
そして、実際その場面を目にしてつくづく思った。やはり黛のように女性に厳しく対応するのは、自分には無理だろうな……と。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黛は『親切』と言い切りましたが、プライドを傷つけられた馬渡さんは、すっかり黛嫌いになりました。
黛の意図に反して、結局仕事がやりづらくなる展開かもしれません……! でも親切にしても、付き纏われて大変かもしれないので、どちらが良いか分かりません。痛み分け?
馬渡さんは、医者と結婚したくて看護師になった人です。あちこち好みの医師をターゲットにして、アンテナを張っています。黛を駅で見掛けて、奥さんが妊娠中だ言う情報も聞きつけていたので『これはもしかしてワンチャンあるかも?!』と期待して、くっついて来ました。
彼女は世間的にはかなり可愛いのですが、黛の脳には引っ掛からないので、黛視点でその描写はスルーされました。他の研修医には、けっこうチヤホヤして貰えるので自分の容姿には自信を持っています。
話し掛けても暖簾に腕押し状態の黛に対してはこう思っていました。
『黛先生は何で素っ気ないの?』→『素っ気ないフリしてるんじゃない?』→『こっちから押させば、なびくかも。プライドの高いタイプかしら?』
誰にもなびかない高嶺の花を落としてみたい、と言うチャレンジ精神もあったと思います。
平岩さんをはじめ、ハードな職場で真面目に働いている看護師さんにとっては、他のことに気を散らしているようでイラっとすることもあるでしょう。と言う訳で、割と職場では厳しめに接されています。
以上、蛇足の補足説明でした(^^;)
なお、今後馬渡さんがお話で活躍する予定はありません。
お読みいただき、誠にありがとうございました!(^◇^)
黛視点のお話です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日も定時には、上がれなかった。
いや、そもそも定時に帰れるなどと言う発想が間違っているのかもしれない。
緊急医療センターには、毎日多くの患者が訪れる。黛が経験の浅い研修医であるが故、手際が悪いと言うことは全く否定できない。が、それ以上に押し寄せる患者の数が多いのも事実だ。それでも今日は、まだ日勤だ。夜間勤務に比べれば、良いほうかもしれない。
夜間の救急に駆け込む患者と聞けば、大事故や重篤患者をイメージされるだろう。しかし実際は、患者の九割は風邪や軽い怪我など、緊急性のない症状でここを訪れる。そういった患者を窓口で追い返すようなことはないが、本当に緊急の患者が救急車で運ばれた時、十分な対応が出来なくなるのではと、怖くなることがある。
黛の指導医師は「何とかするしか仕方ねぇだろ」と笑うが……言えるだけの経験と技量を持つ人間だから言えるのだろう。黛には未だ、そう言い切れる何もない。
「黛先生!……ですよね?」
ひょこり、と小柄な影が横に並んだ。
「お疲れさまです。今、帰りですか?」
「えーと……」
見覚えが、あるような気はする。
しかし知らない相手から声を掛けられることは、黛には昔からよくあることだ。幼い頃から目立ち過ぎるほど目立つ容姿をしているので、自分が覚えていない相手や話した事もない相手から、一方的に覚えられていることは多い。
しかし研修医となってからは、仕事で世話になる相手は出来る限り顔と名前を覚えるようにしている。だから直接関わった人間ではないのだろう、と当りを付けた。
「あの、大学で看護師をしている馬渡です。ちょうど仕事帰りだったんです。偶然ですねぇー!」
前の研修先だった、大学病院に勤めている看護師らしい。それで見覚えがあるのか、と納得する。ギリギリ知合い、と言ったところだろうか。しかし名前は名乗って貰わなければ、分からなかっただろう。
「ああ、お疲れ様です」
「新しいトコ、忙しいですか?」
「そうですね。―――あ、俺こっちですので」
改札が目に入ったので、黛は会釈して別れようとした。
「わ、私も! こっちなんです!」
すると、真っすぐ改札を通り過ぎようとしていたように見えた馬渡が、クルリと向きを変え、後を付いて来た。そのまま黛に続いて、カードをかざして改札をくぐる。大股で歩く黛の後を、小柄な彼女がチョコチョコと小走りで歩いていた。同じ方向なのだろうか、と気にも留めずに歩き、いつもの乗り口に並ぶ。すると黛のすぐ後ろで、彼女も足を止めた。頬を真っ赤にして、肩で息をしている。
その様子を一瞥した黛は『少し面倒だな』と思う。
電車で一人になれる時間は貴重なのだ。スマホで情報をチェックしたり、読まなければならない本に目を通したり、二子玉川が近づく頃には目を閉じて本日の仕事に関する一人反省会を開いたりもする。そうして仕事でささくれだったメンタルに整理を付けてから―――できる限り万全に頭を切り替えて、愛する妻の待つ我が家へ帰るのが、黛の近頃の習わしだった。その習慣が崩される予感がしたのだ。
案の定、隣に立った馬渡は、まるで黙っているのが罪であるかのように話し掛けて来る。
「いつもこの時間なんですか? あ、違いますよね。夜勤もありますしね!」
「やっぱり、日本は医師も看護師も少なすぎですよね。病床当たりアメリカの五分の一って、格差あり過ぎですよね」
「平岩さんご存知ですか? 私ちょっと苦手で。今日も注意されたんですよー」
「その時計、素敵ですね! いいなぁ、私も欲しい!」
声を低く押さえていたとしても、黛は電車内で仕事の話をするのはどうかと思う。適当に相槌や返事を返していたら、最初は仕事に関することだった話題が徐々にどうでも良い世間話に変わって言った。いつ話し終るのだろう、と内心溜息を吐く。
ある程度馬渡が自分に好意を持って接している、と言うことくらい黛には分かっている。交流の無い女性から好意を向けられることには、慣れているからだ。
しかしだからと言って、浮かれているわけではない。黛が素のままで接すると、腹を立てる女性が多すぎるのだ。学生時代は何と思われようと気にならなかったが、さすがに看護師に毛嫌いされるのは、面倒だった。万が一、一緒に仕事をすることになれば、かなりやり辛い事になる。自然と、馬渡が話せば話すほど、黛の口は重くなった。
降車する駅に辿り着いた時『これで解放される』とホッとしたのも束の間。黛が会釈して降りようとすると、何故か降りる気配の無かった彼女も慌てて列車を飛び降りた。怪訝そうに黛が視線を向けると、馬渡は笑って弁解した。
「あの、私ここで用事があって……!」
「そうですか」
頷いた黛が「じゃあ」と言って大股に歩き出すと、何故か再びちょこまかと、馬渡が後をついて来る。同じ改札をくぐった後、漸く『これは違うだろう』と確信するに至った。
まさか、このまま家まで付いて来る気だろうか? 少しうんざりしつつも、黛はこのまま適当に受け流すのを諦めた。
「俺に、何か用事ですか?」
改札を過ぎ、暫く歩いて壁際に寄る。立ち止まり、付き纏う馬渡を振り返った。すると馬渡はパッと頬を染めて、上目遣いに黛を見返して来た。
「あの、その……もし良かったら、一緒にご飯でも……どうですか?」
黛は一つ溜息を吐いてから、口を開いた。
「時間の無駄でしょう」
「え?」
笑顔のまま、馬渡が固まった。言葉の意味を捕らえかねているのか、ポカンと黛を見上げ瞬きを繰り返している。
そこで、黛は考えた。説明不足を補うことにする。
「俺は仕事以外の時間は、好きな事にしか使いたくない。特に親しくもない女の人と食事をする時間があったら、家に帰って妻に会いたいです。その方がずっと有意義だと思いませんか」
馬渡は、言葉を発することなく。ただ目を丸くして、黛を見ていた。
これでも説明が足りないのかと、黛は首を傾げる。
しかしこれ以上、もう一分たりとも時間を無駄にしたくなかった。
返事はないが、一応自分が伝えたいことは伝えられたと思う。
そう自己満足した黛は、大きく頷いた。それから「じゃあ、これで」と、事務的に手をあげる。そしてボンヤリ佇む馬渡を後に残して、立ち去ったのだった。
** ** **
その一部始終をたまたま駅のその場所を通り掛かった新が、目撃していた。
家路を急ぐ黛に、スキップするような勢いで駆け寄る。
「龍ちゃん! 今帰り?」
「ああ、新か」
チラリと隣に目を向けるが、歩みを緩めず黛は歩き続ける。新も身長も足の長さも黛に引けは取らない。特に息を切らすこともなく、黛の速度に問題なく付いて行く。そのまま並んで歩き始めた。
前を向いたまま、黛が尋ねた。
「本田の家に行くのか?」
「うん。しっかし、龍ちゃん。相変わらずだねー」
新が、畏敬の籠った溜息を洩らした。
「?」
「見てたよ! 可愛い女の子に、ずいぶん酷いこと言ってたよね」
一瞬何を言われているのかピンと来ず、黛は新を振り向いた。しかし興味深げに自分の覗き込んでいる視線に、先ほどの場面を見られていたのだと理解した。
「……そうか?」
「そうだよ!」
強く主張されて、ふむ、と黛は頷いた。
「出来るだけ、親切に話したつもりだけどな」
速度を緩めず歩きながら、黛は首をかしげる。
正直言えば、あの時、黛は馬渡を無視して逃げることも出来た。
けれども、誤魔化して期待する余地を残せば、彼女は今後同じような行動を起こすかもしれない、と考えたのだ。だからわざわざ貴重な自由時間を削って彼女に向き合い、自分の気持ちを説明した。
今後顔を合わせる可能性もあるから、敢えてそうしたのだ。ある意味、親切心もあった。相手の為にも「全くその気のない自分に貴重な時間を割くより、もっと他を当たった方が良い」とハッキリ言うべきだと思ったのだ。
「え……『あれ』で?!」
黛の思考回路を全く理解できない新は、驚愕する。
そして、実際その場面を目にしてつくづく思った。やはり黛のように女性に厳しく対応するのは、自分には無理だろうな……と。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
黛は『親切』と言い切りましたが、プライドを傷つけられた馬渡さんは、すっかり黛嫌いになりました。
黛の意図に反して、結局仕事がやりづらくなる展開かもしれません……! でも親切にしても、付き纏われて大変かもしれないので、どちらが良いか分かりません。痛み分け?
馬渡さんは、医者と結婚したくて看護師になった人です。あちこち好みの医師をターゲットにして、アンテナを張っています。黛を駅で見掛けて、奥さんが妊娠中だ言う情報も聞きつけていたので『これはもしかしてワンチャンあるかも?!』と期待して、くっついて来ました。
彼女は世間的にはかなり可愛いのですが、黛の脳には引っ掛からないので、黛視点でその描写はスルーされました。他の研修医には、けっこうチヤホヤして貰えるので自分の容姿には自信を持っています。
話し掛けても暖簾に腕押し状態の黛に対してはこう思っていました。
『黛先生は何で素っ気ないの?』→『素っ気ないフリしてるんじゃない?』→『こっちから押させば、なびくかも。プライドの高いタイプかしら?』
誰にもなびかない高嶺の花を落としてみたい、と言うチャレンジ精神もあったと思います。
平岩さんをはじめ、ハードな職場で真面目に働いている看護師さんにとっては、他のことに気を散らしているようでイラっとすることもあるでしょう。と言う訳で、割と職場では厳しめに接されています。
以上、蛇足の補足説明でした(^^;)
なお、今後馬渡さんがお話で活躍する予定はありません。
お読みいただき、誠にありがとうございました!(^◇^)
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,362
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる