MASK 〜黒衣の薬売り〜

天瀬純

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《 奇妙な薬たち 〜復習〜 5 》

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【禁足の鼻腔】
花粉症対策の飲み薬。
 起床後、朝食を食べる前に水と一緒に1錠。
どれほど花粉に敏感な人でも、その日から1年間は花粉症で苦しめられずに快適な日常を過ごすことが可能。

【嫌悪滅却EX】
見た目が栄養ドリンクの飲み薬。
 服用後、自身の中で嫌悪の対象とする出来事やそれに関係する記憶や感触などを忘れることができる。ただし、対象となる記憶は48時間以内の出来事に限られる。
同じ効果を持つ吸引型の【七つ星~忘却の彼方~】の簡易版である。

【亜熱帯の氷結】
夏バテ治療薬。
 体がだるく食欲がなかったり、熱っぽくて疲労を感じたりするときに頓用で服用すると、半日経つ頃には回復が可能。
 錠剤型で、水と一緒に服用すると口の中に尋常ではない清涼感が拡がる。

【猫又ストラップ】
 薬売り“黒衣 漆黒”が創った異界の住人の猫又たちのなかで手先が器用な者が趣味で作り始めた物。10cmほどの大きさで、仲間内での評判も良い。薬売りも普段持ち歩いている。
 ストラップの中には匂い玉が1つ入っている。それには、リラックス効果をもつとされる複数の薬草から抽出されるエッセンシャルオイルが染み込ませられている。子供受けが良い。

【骨格筋浄化液】
ロールオン型の塗り薬。
個人差はあるものの、肩や手に塗ることで大抵の肩凝りや腱鞘炎が2時間ほどで完治する。乱用すると、痛覚だけでなく触覚までもが一時的に機能を停止してしまうおそれがある。

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