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第1章『強すぎた男』

第2話『ステータスとガチャ』

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 意識が戻った時、俺は森の中で倒れている状態だった。
 起きてまず確認したのは自分の格好だった。
 服装は会社から帰る時に着ていた背広姿に革靴という森を歩くのには適さない格好だ。

 ったく、パーラル人ももう少し考えて降ろしてくれよな。
 絶対、面白がってやったことなんだろうけど…。

 そう言えば、この星の知識は入ってるようなこと言っていたな…。

 思考してみると、脳内に色んな知識が『記憶』として浮かんできた。

 この星の名前は、『ガーディナル』。
 この星を取り巻く3つの衛星はその距離の違いと見える角度から『赤・黄色・オレンジ』と別々の配色を持つ。
 ガーディナルは7つの大陸と10の海域から成る世界であり、1年は12ヶ月あり日数で384日、『春風の月、春水の月、春火の月、春土の月、夏風の月、夏火の月、夏土の月、夏水の月、秋火の月、秋土の月、秋風の月、秋水の月、冬火の月、冬風の月、冬水の月、冬土の月』からなる。
一ヶ月は32日、1週間は8日間で『光の日・火の日・雷の日・風の日・土の日・水の日・氷の日・闇の日』からなる。
 1日は28時間で1時間は60分で1分は60秒と言うことなので、この星の大きさは地球より大きいことを意味している。
 ガーディナルにも四季は当然あるが、赤道は1年中真夏日だし、星の地軸に位置する場所は1年中通じて凍結している。
 この辺りは地球と同じようだ。

「ハァ…。どんなに知識があっても、ここがどこの森だかまでは分からいよな…」

 見渡す限り木々ばかり。道らしい道も無し。
 …さて、どうしたものか。

「そう言えば、俺の身体…改造したとか言っていたな」

 この辺りのことも『知識』としてある。
 どうやら、俺の身体は普通よりも強靭になっている。その上、この世界には無い『レベル』と言うものが俺にはある。これはどう見てもパーラル人が面白がってやったことだろう。
 確かにこの世界には魔法やスキルがあり、魔物や魔獣などもいるが…だからと言って、『ゲーム要素』を俺に『植え付ける』ってどうよ?俺の身体を使って遊びすぎだろう。
 太ってはいなかったが、これと言って鍛えていなかった俺の身体はまさに細マッチョになっている。
 一応、学生時代は『文武両道』を心がけ体育会系の部活に入ってはいたが、格闘系に心得はない。
 なので、実戦経験などあるはずもなく…。知識はあるものの本当に戦えるかは疑問だ。
 まあ、マンガやアニメの知識で格闘モノはそれなりに理解はしているんだけどさ。

「とにかく、自分自身の状況確認はしとくか…『ステータス・オープン』」



 ◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇


 リュージ・ハガ 17歳 称号/ガーディナルの救世主
 LV.1
 HP(生命力)/10000
 MP(魔力量)/10000
 SP(技力量)/10000
 体力/10000
 筋力/1000
 敏捷/1000
 器用/1000
 知力/1000
 精神/1000
 技能/1000

 称号スキル/
 
 武術スキル/

 魔法スキル/

 生産スキル/

 冒険者スキル/

 アサシンスキル/

 『スキルガチャ』 『呪文ガチャ』 『武器ガチャ』 『防具ガチャ』 ガチャポイント『300』

 『人物ガチャ』 人物ガチャメダル『0枚』


 ◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇


 この世界の平均的強さが分からないから何とも言えないが…どんだけ強化したんだ?パーラル人。

「それにしても……何で『ガチャ』制なんだよ?」

 パーラル人、遊び過ぎだろう。
 これが『ゲーム要素』の1つなんだろう。

「いやいやいや、納得できねぇから!」

 知識があったり、ゲーム要素があるのに『この星を救え!』って本気かよ。
 しかも具体的な内容はサッパリって、これはストーリー性を出しているってことか?
 ったく、どうやらパーラル人は本気で俺を地球に戻す気ないんだな。

「しかもステータスは一律過ぎて逆に引くし」

 このステータス能力がこの世界でどれだけ凄いのかは『知識』で分かっている。
 だが、この世界では『スキル』は『行動』によって取得するのが一般的で、ガチャ制なんてあるわけがない。
 つまり、パーラル人の言う通りなら俺がこの世界の救世主になるための『要素』なのだろう。

「あー……誰もいないのに大声で独り言って痛いなぁ」

 とりあえず、『ガチャ』について調べる。
 こんな知識まであるのは楽だが、だったら全部よこせよと思う。
 パーラル人は俺に『基本的知識』をくれているが、詳しい情報までは与えてくれていない。
 つまり、俺にこの世界を楽しめさせるのが理由の1つなんだろう。

 ガチャはガチャポイントで引くことができる。
 10ポイントで1回、100ポイントで10回+1回引ける。
 ガチャポイントはどうやら俺自身に起こる『イベント』をクリアすることでポイントを得られるらしい。
 人物ガチャは専用イベントをクリアすると専用メダルがもらえ、それで引けるらしい。

 スキルガチャはこの世界で一般的な能力である『スキル』を獲得できるガチャだ。
 呪文ガチャは魔法系スキルを持っていればその魔法の呪文を獲得できるガチャ。
 武器ガチャはこの世界の武器を手に入れることができるガチャ。
 防具ガチャもこの世界で手に入る防具系の服を手に入れられるガチャである。
 この取得物には『ランク』があり、『ノーマル、レア、銀レア、金レア、Sレア、SSレア、SSSレア、レジェンドレア』がある。
 11連ガチャを引くと、Sレア以上の物を1つは必ず手に入れられるらしい。
 まあ、1回1回引いてもランクの高い物を手に入れられるのだが、確実に手に入れるなら11連で引くのが良いだろう。

「とにかく、1回スキルガチャの11連を引いてみるか……」

 スキルガチャを選んで画面をタップすると、『1回』と『11連』という文字が浮かぶ。
 俺は『11連』を選びタップする。

『身体強化(LV.1)<金レア>』『身体制御(LV.1)<銀レア>』『スタミナ回復(LV.1)<レア>』『超魔力(LV.1)<SSSレア>』『魔力制御(LV.1)<Sレア>』『魔力回復(LV.1)<金レア>』『状態異常回復(LV.1)<金レア>』『気配察知(LV.1)<ノーマル>』『方向感覚補正(LV.1)<ノーマル>』『思考マッピング(LV.1)<ノーマル>』『直感(LV.1)』<銀レア>』

 中々の出目だ。
 この世界に1万以上のスキルがあるらしいが、初期で得られるスキルとしては破格物だろう。

「もう11連やっておくか……」

 スキルは多くても無駄じゃないしな。
 それに、俺としては『ノーマル』率を上げたいというのもあった。

 普通のゲームなら高ランクのスキルを欲しがるだろうが、ここは現実世界である。
 ゲームでは高ランクのスキルがあればどんどん強くなれるが、俺はこの世界で生きていかなきゃならない。
 となると、生活に密着するスキルがあった方が便利なんだよな。

 ということでもう11連する。

 『生活魔法(LV.1)<ノーマル>』『属性魔法(LV.1)<ノーマル>』『木工(LV.1)<ノーマル>』『石工(LV.1)<ノーマル>』『建築(LV.1)<ノーマル>』『超技力(LV.1)<SSSレア>』『技制御(LV.1)<Sレア>』『技力回復(LV.1)<金レア>』『闘気技法オーラアーツ(LV.1)<レジェンドレア>』『無限空間収納庫アイテムボックス<SSSレア>』『採取(LV.1)<ノーマル>』

 確かにノーマルスキルは増えたけどさ……。
 その分、他のスキルランクがえげつない。

 よし。ステータス確認だ。



 ◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇


 リュージ・ハガ 17歳 称号/ガーディナルの救世主
 LV.1
 HP(生命力)/10000(+1000)
 MP(魔力量)/10000
 SP(技力量)/10000
 体力/10000(+1000)
 筋力/1000(+100)
 敏捷/1000(+100)
 器用/1000(+100)
 知力/1000
 精神/1000(+100)
 技能/1000

 身体スキル/
 『身体強化(LV.1)』『身体制御(LV.1)』『スタミナ回復(LV.1)』
 『状態異常回復(LV.1)』『無限空間収納庫アイテムボックス

 武術スキル/
 『超技力(LV.1)』『技制御(LV.1)』『技力回復(LV.1)』
 『闘気技法オーラアーツ(LV.1)』

 魔法スキル/
 『超魔力(LV.1)』『魔力制御(LV.1)』『魔力回復(LV.1)』
 『生活魔法(LV.1)』『属性魔法(LV.1)』

 生産スキル/
 『木工(LV.1)』『石工(LV.1)』『建築(LV.1)』

 冒険者スキル/
 『思考マッピング(LV.1)』『採取(LV.1)』

 アサシンスキル/
 『気配察知(LV.1)』『方向感覚補正(LV.1)』『直感(LV.1)』


 『スキルガチャ』 『呪文ガチャ』 『武器ガチャ』 『防具ガチャ』 ガチャポイント『100』

 『人物ガチャ』 人物ガチャメダル『0枚』


 ◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇



 まあ、スキルはこんなもんだろう。
 俺はほかのガチャをやるべきか考えるのだった。
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