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第1章『開店営業編』

第11話『未来のために』

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 スーパーマーケット繁盛は勢いを増していた。
 まあ、ここでしか買えない物ばかりなので当たり前と言えば当たり前なのだが、レジャー施設の評判を聞いて移住してきた人々が働き口としてスーパーマーケットやレジャー施設に殺到したので人員の確保が充分となり、さらなる賑わいを見せるようになった。

 スーパーマーケットはこれを機に一気に商品を増加させて店全体が機能するようになった。
 しかし、弊害として店長としての仕事が忙しくなり、レジャー施設は実質として関係性が薄くなってしまった。
 施設長などを代理で立てるもギルドの会合には顔を出さないわけもいかず日々疲労は溜まっていく一方である。

 それはギルマスのクリスも一緒で、ダンジョン管理やレジャー施設管理に加えてギルマスとしての通常の仕事もこなす日々。
 ギルド職員の増員もなされたがスーパーマーケット同様、初心者ばかりなのである程度育成が済むまでは……と言う感じである。

 そのうえ、問題も出てきた。
 子供従業員と新規従業員の確執である。

 先輩従業員と言え、年端もいかない10代前後の子供たちより立場が低いことに納得のできない大人たちが多かったことだ。
 しかも先輩ということは色々と仕事について教えるという立場にある。
 子供から教えられるというのが気に食わないと考える者たちが多かったのである。

 開店当初からいた子供たちは通常の仕事だけでなく、発注機も使用できるようになっていた。
 それが余計に新人従業員には納得できない要因でもあった。
 どうも発注機の扱いは『信頼の証』だと勘違いしているようで、子供が商品の注文を出すというのが大人として普通に納得できないのだ。

 これは信頼性の問題ではなく、経験値の差と言うものなのだがどういっても理解してもらえなかった。

 まあ、『引継ぎ』が終わったところで子供達にはここを辞めてもらうつもりなのであまり怒るという行為はしないようにして、やんわりと理解してもらおうと考えている。
 子供たちには働くことを一旦止めてもらい、学業を学ばせようと考えている。
 とは言っても俺のいた世界のような科目ではなく、『演算』と『読み書き』に『道徳』、『家事』を教育させたいと考えている。
 このことは前々から子供たちには伝えてある。

 教育期間は3年。
 午前中は教育に充て、午後はアスレチックでの体力強化……というのは名目上で普通に遊んでもらうのが目的である。
 まあ、こうでも言わないと彼らは働きたがるからね。
 生活空間は今まで通りココを利用してもらう。
 3年間の教育が終われば好きな仕事についてもらうようにするつもりだ。
 もちろん、スーパーマーケットで働くことを希望すれば雇うつもりである。

「建物の建築は順調のようだな」
「そっちは問題ない。どちらかと言えば人員の確保の方がな……」
「まあ、最低限の30人が集まれば一応は始められるし。どうにかならないか?」
「何とかギリギリと言うとこかな」

 俺の提案した『学校』を子供だけの教育場にするだけでなく、隣接して冒険者養成学校も作ることにしたのだ。
 まあ隣接と言っても学校の間に食堂と学寮も併設させる。
 学寮はもちろん冒険者用である。
 子供たちの学費は無料。冒険者向けには1年で金貨5枚。これは教育の中で依頼達成で支払われる金額から差額されるという方法で支払いがされるので実質無料に感じる仕組みだ。
 食費、寮費は無料。
 人件費は1ヶ月で金貨1枚。俺の世界では1万円ほどの価値しかないがここでは一般人が1年でやっと稼げるかどうかと言う金額である。
 それがたった1ヶ月で稼げるのだ。無論これは『未来への投資』なのですべての資金は俺のポケットマネーで賄う。
 冒険者への負担金はあくまで大人としての常識の範囲内という設定での物である。
 学校卒業後に『支度金』として一人一人に金貨15枚が支給されるという仕組みなのだ。

 正直、この世界で稼ぐ貨幣は俺には必要ないので貯まる一方だしね。
 今だって、従業員の給料を払っても1割も減っていない状況だしね。
 レジャー施設も名目上は俺が責任者になっているのでそれなりの金額が毎月入ってくる。

 なので、町に還元するのは当然なのである。

 学校事業を進める一方で酪農関係にも手を入れ始めた。
 これは発注機のレベルが上がったことで新たに増えた商品があったからだ。

 『果樹園』に『養蜂所』、『家畜場』を新たに進めることになった事業だ。

 陽当たりのよう丘に果樹園を作り、その隣に養蜂所を作る。
 丘の下の斜面には花畑を作ることで『果樹園』と『養蜂所』と『花畑』で1つのサイクルができる。

 農地はいつの間にか3倍にまで広がっていた。
 それに伴い町の外にある平原一帯を石垣の壁で囲った牧草地を放牧地にして家畜たちを飼育する方向になった。
 で飼育しているのは『魔牛まぎゅう』と『魔豚まとん』に『魔鳥まちょう』と呼ばれる『魔力持ちの動物』なのだ。
 この『魔力持ちの動物』は俺の知る通常の動物の倍ほどの大きさがあり、また魔力が肉に作用して普通に育ててもA5ランクの食肉に匹敵するのだ。
 それをコストを無視してバランスの良い栄養価の食物を与えるようにすればどうなるのか?
 想像するだけでもヨダレが出る。

 また、『魔牛まぎゅう』には乳牛に適した『ホルスタイン種』が存在し、これも育てている。
 『魔牛まぎゅう』のホルスタイン種は妊娠や子供を産んでいなくても生まれて1年後から寿命になるまでミルクを出してくれるのだ。

 現在は『魔羊まひつじ』と『魔山羊まやぎ』を探している。
 この2種は数が少なく、また崖の上のような高地にいるらしく探すのに難航しているのだ。

 『魔羊まひつじ』は『魔毛玉マジックウール』と呼ばれる魔力を含んだ毛でとても貴重なのだ。
 マジックウールで作った服はとても丈夫であり、また占領で染めやすいことから使いやすいという。

 『魔山羊まやぎ』はやはり『乳』だ。
 『魔山羊まやぎ』の乳で作ったチーズ、ヨーグルトは特に美味しいらしく貴族の間では嗜好品として重宝しているとのこと。

 今のところはホルスタイン種で飲料の牛乳、チーズとバターとヨーグルトも作っている。
 ……が、圧倒的に数が少ない。
 特に、『卵』や『牛乳』はいろんな料理使われるので多少増えたくらいではどうにもならない。
 今現在も『魔牛まぎゅう』集めは継続してもらっているところだ。

 まあ、実のところ発注機で『魔力持ちの動物』の商品は購入できるのだが、これはこの町の産業としたいので購入はしていないのだ。
 もっとも、もっと貴重な商品も購入できるので問題は無いんだけどね。

 とにかく、ルポートの町は大きく変わろうとしていた。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

yukahana
2019.08.29 yukahana

誤字・誤変換が幾つかありましたよー
2話 種族がすんdりるのだ。
3話 鳴食べていく
4話 短酸系ジュース
6話 地雷パン

解除

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