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別棟

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身に差し迫った危険なども特に無いということだったので、護衛や稽古は明日からとなり、私達は別棟にある寮へ下がった。


屋敷の客室を普段遣いするよう勧められたが、それは流石に悪いと思い断った。


「ユリウス、すまない。客室の方が良かったか?」


私が聞くとユリウスは首を横に振っていた。


「そんなことないッスよ・・・俺は団長と一緒に居られれば、どこでも構わないッス」


「・・・ありがとう」


私達は寮へ着くと、それぞれの部屋で休んだのだった。



*****



湯浴みをして着替えると、部屋へ備え付けられていた寝間着に着替え、ベッドに入った。


まだ冬の名残りがあるせいか、部屋の外から吹いてくる隙間風は冷たい。私が布団にくるまって眠ろうとした時、部屋の外からノック音が聞こえた。


「団長?起きてますか?」


「あ、ああ・・・」


ユリウスは扉を開けて中へ入って来た。既に寝巻きに着替えており、風呂上がりなのか金色の髪は少し濡れていた。


「どうしたんだ?」


「サムいんすよ、団長・・・昼間、お願いを一つ聞いてくれるって、言ってたじゃないっすか・・・あれ、いま使ってもいいッスか?」


私は嫌な予感がしつつも頷いた。


「俺と寝てくれませんか?」


「・・・は?」


「さむいんスよ、俺の部屋。隙間風がすごくて・・・」


「何だ、添い寝か・・・そんなんでいいのか?私も寒かったんだ。ちょうどいいのかもしれない」


「ほんとっスか・・・なら、お願い事はまた今度にして、今日は一緒に寝てください」


「ああ」


ユリウスは、素早く私のベッドの中へ滑り込むと、寝間着の上から私に抱きついた。


「あたたかいっスね」


「・・・冷たいなユリウス」


ユリウスの身体は冷えきっており、つま先はかなり冷えていた。私はユリウスを抱きしめ返すと眠りについた。


「おやすみ、ユリウス」


「おやすみなさい」


小さな寝息をたてて、二人共いつの間にか眠りに落ちていたのだった。


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