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ヒューとカトリーナの放課後 2

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「かっこいいお父さんだね。どこも馬じゃないじゃないか」

「えっ? 馬?」

「君が言ったんじゃないか、パパは馬なのって」

「そんなこと……あ、あれは! 緊張しちゃって、言い間違えちゃっただけ!」

 ヒューのおうちは、市民学校の裏手の住宅街にあるらしい。
 からかってくるヒューにまた頬が熱くなるけど、おしゃべりをしながら町を歩くのは楽しかった。
 パパに往来でイチャイチャするなって言われた。
 イチャイチャなんてしてないよ!



「もうつくよ……どうしたの?」

 なんとなく、町並みに見覚えがあるような気がした。
 きょろきょろと見回して、もしかしてとパパに問う。

「そうだよ、カトリーナ。まだ3歳だったのによく覚えていたね。あれはママが亡くなるまで住んでいた家だよ」

 懐かしそうに微笑んで、パパは壁も屋根も白いかわいいおうちを指差した。
 今は違う家族が住んでいるのだろう、庭には洗濯物がはためいている。

「そうなんですか! 僕の家はあの家の隣なんです」

 ヒューは白いおうちの庭を挟んで隣にある、赤い屋根のおうちを指差した。
 すごい偶然!

「ママが生きてたら、お隣さんだったんだね」

 ヒューと繋いだ右手も、パパと繋いだ左手も、ぎゅっと力がこめられた。

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