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紳士
しおりを挟む緑さんと合流した私は、
少し遅くなったことをペコペコと謝り
早速このだだっ広い土地を案内してもらうことになった。
まずここに住んでいる彼らの一通りの部屋を教えてもらったがプライバシーを守る為なのか、一本廊下に部屋が並んでいるのではなく中々曲がりくねった所に部屋があるのでどうも慣れるまで時間がかかりそうだ。絶対迷う。自ら伺うことないと思うけど...
案内されながら業務的だけど、私にも分かりやすく説明しながら広すぎる家を見学した後外へ出た。
周りは和の庭ぽくもあり、花もあってとても綺麗に整えられていてあまりまじまじと見ていなかったがとても広い土地が拡がっていた。
緑「あの山を2つ越えた辺りまで私達の庭です、あなたの好きにしてもらって構いません。」
「え...これは...冗談...?ははは...」
緑「私が冗談を言うと、お思いですか?」
「...思いません。」
なんと先程言った通り本当に山2つ弱、この御屋敷の土地らしく、そもそもその山ですら遥か遠くに見える。なんなら緑さん達用の個人所有している小さな別荘もポツポツと散らばってあるらしい。本当にお金持ちなんだと改めて思い知らされた。
緑「今度...湖もあるので一緒に行きましょう。私達と。」
まだ納まっていないしっぽをフリフリさせてそっぽを向きながら小さい声で言った緑さんに何だか近づけた気がしてとても嬉しかった。
壁が何となく、いや明らかに他の人よりあったと思っていたから。
「ふふっ、ありがとうございます!その約束守ってくださいね?楽しみにしています!」
そう言うとチラッと目線をこっちに移した緑さんを見て私も緑さんの瞳を見返した。
すると緑さんの普段は無表情で大人っぽい一面が一瞬崩れ落ちた。
ななななんと...目が会った瞬間時が止まったように感じるくらい緑さんの顔が真っ赤だったのだ。
少し、嬉しくなって調子を乗ってしまったかそれから少し目を合わせてくれなくなった。
それから少し敷地内を散歩し、程よく体を動かしたあと和菓子を食べながらお茶を飲み有意義な時間を過ごしていた。
(あ、なんだか落ち着くなぁ。ゆっくり時間が流れていく感じ...こういう雰囲気すきだなぁ...)
私は、昨日は沢山体力を消耗し頭の細胞を最大限活性化させながら現況を理解しようとしていたので周りが思う以上に心身共にかなりストレスを受けて疲れていた。けど、緑さんとのこの時間が疲れた心身を癒していった。
ゆっくりと時間が流れたあと夕食は黄さんと赤さんお手製のスッポン鍋。
黄「やっぱり体力をつけて貰わないとねっ!健康にもきっといいよ!ささ、召し上がれ!」
他にもレバニラや牡蠣、アボカドサラダなど沢山の料理が並んでいてスッポン以外はとても美味しそうだった。
「...頂きます。」
なかなかグロテスクなす恐る恐るスッポンに手を伸ばし、体力を沢山使ったからかパクパクと箸が進む。私が食べ始めた頃に銀さんも来てみんなで食卓を囲んだ。
(誰かとこうやって食卓を囲んだの、いつぶりだろう...)
私はその場の雰囲気に浸り、胸の辺りがが暖かくなっていくのを感じた。こうやってみんなで食卓を囲める日が来るなんて思ってもみなかった。素直に嬉しかった。
そうして食べてるうちに完食し、お腹いっぱいになった所に赤さんが入れてくれたお茶を飲みゆっくりした時間を過ごしていた。
(......はっ!!!!!!)
私は思い出してしまった
この後行わなければいけない事を...
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