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物心ついた頃から、私は妹よりも劣った存在だった。いや、劣ったというのは語弊があるかもしれない。私と妹は双子の姉妹であったが、妹は美しく愛らしく、私はといえばその足元の小石のようなものだった。つまり、比較対象にもなりえない存在だったのだ。当然のことながら両親は妹を愛し、私のことはほとんど気にもかけなかった。
それは当然のことではあるものの、幼い私には容易に納得できることではなかった。だからその日も、双子で誕生日が同じにもかかわらず「妹の」誕生日パーティーで妹だけが綺麗なドレスを着てみんなから祝われていることに、自分は部屋で大人しくしているよう言いつけられていることに、子供らしく傷ついていた。寂しくて悲しい場所にこれ以上いたくなくて、私は衝動的にこっそり家を抜け出した。誰にも気づかれることはなかった。当然だ。誰も私のことなど気にかけない。
そしてその先で、私は彼に出会ったのだった。
「どうしたの?」
家を飛び出して当てもなくさまよっているときに見かけた、小さなベンチだけが置かれた雑草だらけの寂しい広場。そのベンチに座りうつむいている少年に声をかけたのは心配だったからか、それとも無言で地面の一点をただ見つめている姿に自分と似たものを感じたからだろうか。
彼はゆっくりと顔を上げ、こっちを向いた。
「え……?」
「さっきからずっとここに座ってるから。どうかしたのかなって」
右隣に腰を下ろすと、彼は戸惑った様子を見せながらもやがて家に居たくないのだと答えたので、私もだと言った。
それからしばらくは二人とも無言で、ただ地面を見つめたり雲を眺めたりしていた。しかし小さな猫が広場を横切った時は二人とも目を輝かせた。「かわいいね」と、二人で顔を見合わせて小さく笑う。それがきっかけになったのかはわからないが、彼は自分のことをぽつぽつと話し始めた。
「俺さ、怪我をさせてしまったんだ。義理の母親に、魔法で」
彼は父親が外で作った子供で、母親が亡くなったため父親に引き取られたのだという。浮気の結果として生まれた子供であるため家での扱いは悪く、その時も義理の母親の機嫌を損ね叩かれそうになっていたらしい。
「自分でもよくわからないんだ。その時はただ強い風が吹いた気がして……室内なのに変だなって、そう思った瞬間、義理の母親が目の前に倒れてた」
「それで……その、義理のお母さんは大丈夫だったの?」
「怪我自体は大したことなかったらしい。すぐに治療を受けられたこともあって大事には至らなかった。でもそれは言ってみれば単なる偶然で、もっとひどいことになっていた可能性もあるだろ。それ以来みんな俺に恐ろしいものでも見るような目を向けるようになって、以前にもまして関わることを避けるようになった。実際俺自身も、怖くて仕方ないんだ。あの時魔法は俺の意思で発動したわけじゃない。また無意識のうちに発動してしまったら、その時は本当に人を殺してしまう可能性だってあると思うと」
そんなことがあったんだ。最初に見かけた時から妙に思い詰めたような顔をしていると思っていたけれど、私の勘は当たっていたらしい。
彼は淡々とした口調で話していたが、彼の握り締めた手が小さく震えていた。それに気が付いた私はなんだかたまらなくなって、思わず彼の拳に自分の左手を重ねた。
彼は弾かれたようにこちらを向いた。明るい緑の瞳と視線が重なる。
「あのね、大丈夫だよ。あなたは人を殺したりしない」
それから、私は彼に魔力制御の発達について説明した。感情の高ぶりで意思にかかわらず魔法が発動してしまうことは幼少期には珍しくないこと。大抵は魔力の制御を徐々に身につけていくものだが、魔力を持つものが親族にいない場合だと適切な対応を取れないことがあり、それもまた珍しいことではないこと。なので彼のように幼児期以降でも魔力制御が身についていない例はそれなりに多いこと。他人を傷つけてしまったことは彼の責任ではなく魔法学校に行けばすぐに魔力のコントロールもできるようになること。
「ね? あなたは危なくなんかないよ」
安心して欲しくて、にこりと笑ってみせる。すると、彼は顔を赤らめ、なんだか魂が抜けたようなぼうっとした表情になってしまった。どうしたんだろう、一人で長々と話しすぎて呆れられてしまっただろうか。
「不安がなくなったわけじゃないけど、そうか、少し気が楽になった。ありがとう。それにしても、ずいぶん詳しいんだな」
「うちは魔力保持者が多い家系だしね。それに私、最近はすることがなくて本ばっかり読んでるから覚えちゃった」
「そうなのか」
「うん。今日も妹はパーティーがあったけど、私は……」
そこまで言って、この話をするなら私の家について話すことと同じだと気がついた。
「そうだ、私の話も聞いてくれる?」
私は自分と妹のことを話した。両親は美しい双子の妹に対しては惜しみなく愛情を注ぐが私には全く関心を示さないこと。そうした反応は両親だけではなく他の人も同じようなもので、私を気にかける人は誰もいないこと。
妹は美しく私は醜いのだから当然のことだとわかってはいるのにどうしても悲しいのだと話した時、そんなつもりは微塵もなかったのに、なぜか涙がボロボロ出てきてしまった。
「ぐす、きれいな妹がみんなに好かれるのは当たり前なのに、わかってるのに。私は醜いからみんなから好かれる訳ないって知ってるのに、でも妹だけが誕生日を祝ってもらっていたり、遊んでもらったりしているのを見ると、どうしても辛くなっちゃうの……うう」
「いやそんな、それはおかしいよ。当然じゃないよ。それに君は醜くないよ」
「気を使わせてごめんなさい……否定してもらいたかったとかじゃなくて、でもなんだか悲しくなってきちゃって、ごめんなさい」
これでは否定して欲しくてわざと自虐をしているめんどくさい人間のようではないか。相手の迷惑も考えず泣き始めてしまった時点ですでに自分に嫌気がさしていたが、ますます自己嫌悪が募った。
ああもう本当に嫌だ。ますます涙が出そうになった時、彼が言った。
「気を使ってる訳じゃない」
さっき私から重ねた手を、今度は彼からしっかり握ってきた。涙で濡れた顔をゆっくりとあげると、彼がじっとこっちを見ているのがわかった。少し顔が赤くなっている気がして、不思議に思った。
「君はきれいだ」
顔に急に熱が灯った。なんだか恥ずかしくてたまらなくなってさっと俯く。
「え、えっと」
「言っておくけど、気を使っているわけじゃない。外見もそうだし、初対面の俺の不安を解消するために君は手を握ってくれたし、必死に話をしてくれた。君は好かれるに値する人間だと俺は思う」
ますます顔が熱くなり、私はこくこくと頷くことしかできなかった。
その時まで私を認めてくれる人なんて誰もいなかった。それをこんなにまっすぐな言葉をぶつけられて、平常心で居られるはずがあろうか。しかも、「きれいだ」なんて。
後から思えば、私はこの時恋に落ちたのだと思う。
それからもポツポツと家族とか、読んだ本とか、猫のこととかについて言葉を交わしていたが、やがて日が落ちてきたことに気づいて私は立ち上がった。
「そろそろ帰らないと。パーティーももう終わっちゃっただろうし」
「……そうか」
「ねえ、また会える?」
「いや、実は魔力があるのがわかったことで、これから魔法学校に通わなくちゃならなくなったんだ。14歳だし入学の年齢には達しているから」
えっ14歳?と、私は内心驚いた。身長も同じくらいだし、まさか私より2歳も上だとは思わなかった。
「……じゃあ、会えないんだね。だけど私も二年後には入学する予定だから、そこでまた会えるかも。ここからだと多分、北部の学校でしょう?」
「うん。そうか、じゃあまた会えるんだな」
彼はポケットに手を入れると、何かを取り出した。そして取り出したものを私に差し出す。見ると、鍵モチーフのネックレスだった。石が埋め込まれていて、キラキラと輝いている。
「これやるよ」
「え!もらえないよそんな」
「これ実の母親の形見なんだ、気に入ってたみたいでいつもつけてた」
ますますもらえない!
困惑する私の手に、彼は強引にネックレスを握らせてきた。
じっと見つめられるとそれ以上拒否もしづらくなって、わかったと頷いた。
「また会おうね」
それが、私の初恋の思い出。
そのあとネックレスは見つからないように部屋にこっそり隠しておいたのだけれど、なぜか見つかってしまったようでいつの間にか妹が持っていた。もちろん返してほしいと言ったが、妹は両親に「友達からもらったのにエミリーが取り上げようとしてくる」と泣きついたため、私が怒られることになった。何度も返すよう頼むと、しまいには母親に殴られた。
妹は、たぶん嫌がらせのつもりなのだろう、よくそのネックレスをつけては私に見せてきた。もちろんそれはとても効果の高い嫌がらせだった。
それは当然のことではあるものの、幼い私には容易に納得できることではなかった。だからその日も、双子で誕生日が同じにもかかわらず「妹の」誕生日パーティーで妹だけが綺麗なドレスを着てみんなから祝われていることに、自分は部屋で大人しくしているよう言いつけられていることに、子供らしく傷ついていた。寂しくて悲しい場所にこれ以上いたくなくて、私は衝動的にこっそり家を抜け出した。誰にも気づかれることはなかった。当然だ。誰も私のことなど気にかけない。
そしてその先で、私は彼に出会ったのだった。
「どうしたの?」
家を飛び出して当てもなくさまよっているときに見かけた、小さなベンチだけが置かれた雑草だらけの寂しい広場。そのベンチに座りうつむいている少年に声をかけたのは心配だったからか、それとも無言で地面の一点をただ見つめている姿に自分と似たものを感じたからだろうか。
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「え……?」
「さっきからずっとここに座ってるから。どうかしたのかなって」
右隣に腰を下ろすと、彼は戸惑った様子を見せながらもやがて家に居たくないのだと答えたので、私もだと言った。
それからしばらくは二人とも無言で、ただ地面を見つめたり雲を眺めたりしていた。しかし小さな猫が広場を横切った時は二人とも目を輝かせた。「かわいいね」と、二人で顔を見合わせて小さく笑う。それがきっかけになったのかはわからないが、彼は自分のことをぽつぽつと話し始めた。
「俺さ、怪我をさせてしまったんだ。義理の母親に、魔法で」
彼は父親が外で作った子供で、母親が亡くなったため父親に引き取られたのだという。浮気の結果として生まれた子供であるため家での扱いは悪く、その時も義理の母親の機嫌を損ね叩かれそうになっていたらしい。
「自分でもよくわからないんだ。その時はただ強い風が吹いた気がして……室内なのに変だなって、そう思った瞬間、義理の母親が目の前に倒れてた」
「それで……その、義理のお母さんは大丈夫だったの?」
「怪我自体は大したことなかったらしい。すぐに治療を受けられたこともあって大事には至らなかった。でもそれは言ってみれば単なる偶然で、もっとひどいことになっていた可能性もあるだろ。それ以来みんな俺に恐ろしいものでも見るような目を向けるようになって、以前にもまして関わることを避けるようになった。実際俺自身も、怖くて仕方ないんだ。あの時魔法は俺の意思で発動したわけじゃない。また無意識のうちに発動してしまったら、その時は本当に人を殺してしまう可能性だってあると思うと」
そんなことがあったんだ。最初に見かけた時から妙に思い詰めたような顔をしていると思っていたけれど、私の勘は当たっていたらしい。
彼は淡々とした口調で話していたが、彼の握り締めた手が小さく震えていた。それに気が付いた私はなんだかたまらなくなって、思わず彼の拳に自分の左手を重ねた。
彼は弾かれたようにこちらを向いた。明るい緑の瞳と視線が重なる。
「あのね、大丈夫だよ。あなたは人を殺したりしない」
それから、私は彼に魔力制御の発達について説明した。感情の高ぶりで意思にかかわらず魔法が発動してしまうことは幼少期には珍しくないこと。大抵は魔力の制御を徐々に身につけていくものだが、魔力を持つものが親族にいない場合だと適切な対応を取れないことがあり、それもまた珍しいことではないこと。なので彼のように幼児期以降でも魔力制御が身についていない例はそれなりに多いこと。他人を傷つけてしまったことは彼の責任ではなく魔法学校に行けばすぐに魔力のコントロールもできるようになること。
「ね? あなたは危なくなんかないよ」
安心して欲しくて、にこりと笑ってみせる。すると、彼は顔を赤らめ、なんだか魂が抜けたようなぼうっとした表情になってしまった。どうしたんだろう、一人で長々と話しすぎて呆れられてしまっただろうか。
「不安がなくなったわけじゃないけど、そうか、少し気が楽になった。ありがとう。それにしても、ずいぶん詳しいんだな」
「うちは魔力保持者が多い家系だしね。それに私、最近はすることがなくて本ばっかり読んでるから覚えちゃった」
「そうなのか」
「うん。今日も妹はパーティーがあったけど、私は……」
そこまで言って、この話をするなら私の家について話すことと同じだと気がついた。
「そうだ、私の話も聞いてくれる?」
私は自分と妹のことを話した。両親は美しい双子の妹に対しては惜しみなく愛情を注ぐが私には全く関心を示さないこと。そうした反応は両親だけではなく他の人も同じようなもので、私を気にかける人は誰もいないこと。
妹は美しく私は醜いのだから当然のことだとわかってはいるのにどうしても悲しいのだと話した時、そんなつもりは微塵もなかったのに、なぜか涙がボロボロ出てきてしまった。
「ぐす、きれいな妹がみんなに好かれるのは当たり前なのに、わかってるのに。私は醜いからみんなから好かれる訳ないって知ってるのに、でも妹だけが誕生日を祝ってもらっていたり、遊んでもらったりしているのを見ると、どうしても辛くなっちゃうの……うう」
「いやそんな、それはおかしいよ。当然じゃないよ。それに君は醜くないよ」
「気を使わせてごめんなさい……否定してもらいたかったとかじゃなくて、でもなんだか悲しくなってきちゃって、ごめんなさい」
これでは否定して欲しくてわざと自虐をしているめんどくさい人間のようではないか。相手の迷惑も考えず泣き始めてしまった時点ですでに自分に嫌気がさしていたが、ますます自己嫌悪が募った。
ああもう本当に嫌だ。ますます涙が出そうになった時、彼が言った。
「気を使ってる訳じゃない」
さっき私から重ねた手を、今度は彼からしっかり握ってきた。涙で濡れた顔をゆっくりとあげると、彼がじっとこっちを見ているのがわかった。少し顔が赤くなっている気がして、不思議に思った。
「君はきれいだ」
顔に急に熱が灯った。なんだか恥ずかしくてたまらなくなってさっと俯く。
「え、えっと」
「言っておくけど、気を使っているわけじゃない。外見もそうだし、初対面の俺の不安を解消するために君は手を握ってくれたし、必死に話をしてくれた。君は好かれるに値する人間だと俺は思う」
ますます顔が熱くなり、私はこくこくと頷くことしかできなかった。
その時まで私を認めてくれる人なんて誰もいなかった。それをこんなにまっすぐな言葉をぶつけられて、平常心で居られるはずがあろうか。しかも、「きれいだ」なんて。
後から思えば、私はこの時恋に落ちたのだと思う。
それからもポツポツと家族とか、読んだ本とか、猫のこととかについて言葉を交わしていたが、やがて日が落ちてきたことに気づいて私は立ち上がった。
「そろそろ帰らないと。パーティーももう終わっちゃっただろうし」
「……そうか」
「ねえ、また会える?」
「いや、実は魔力があるのがわかったことで、これから魔法学校に通わなくちゃならなくなったんだ。14歳だし入学の年齢には達しているから」
えっ14歳?と、私は内心驚いた。身長も同じくらいだし、まさか私より2歳も上だとは思わなかった。
「……じゃあ、会えないんだね。だけど私も二年後には入学する予定だから、そこでまた会えるかも。ここからだと多分、北部の学校でしょう?」
「うん。そうか、じゃあまた会えるんだな」
彼はポケットに手を入れると、何かを取り出した。そして取り出したものを私に差し出す。見ると、鍵モチーフのネックレスだった。石が埋め込まれていて、キラキラと輝いている。
「これやるよ」
「え!もらえないよそんな」
「これ実の母親の形見なんだ、気に入ってたみたいでいつもつけてた」
ますますもらえない!
困惑する私の手に、彼は強引にネックレスを握らせてきた。
じっと見つめられるとそれ以上拒否もしづらくなって、わかったと頷いた。
「また会おうね」
それが、私の初恋の思い出。
そのあとネックレスは見つからないように部屋にこっそり隠しておいたのだけれど、なぜか見つかってしまったようでいつの間にか妹が持っていた。もちろん返してほしいと言ったが、妹は両親に「友達からもらったのにエミリーが取り上げようとしてくる」と泣きついたため、私が怒られることになった。何度も返すよう頼むと、しまいには母親に殴られた。
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