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第2章 もう恋なんてしたくない
第18話 レイナの恋愛事情1
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最近のドラマは少女コミックのようなシーンをふんだんに盛り込んだものが多い気がする。マンガや小説だとあまり現実味を感じないのと、夢見ているような感覚があって好き。でも、ドラマは人が演じているから、なんだか胡散臭さを感じて苦手だ。同じ内容なのにどうしてこんなに印象が違うんだろう。
学生時代から長く付き合っていた彼と別れてから特にこれといったお付き合いはなかった。飲み会で知り合った彼とは何度か顔を合わせているうちに「付き合って欲しい」と告白されてから交際が始まった。積極的だなと思ったのは最初だけで、受け身なことが多く、ハジメテの時も強引にキスをして抱きしめたと思えば「こういうことはあまり知らないから……」という。知らないのは私も同じだ。したいと思ったわけでもなく、そういう風に持ち込んだのは彼で、私に何をしろというのだろう。それでも彼は優しいし気遣ってくれるところもあるし、話も合う。いつか結婚するんだろうななんて思っていたけれど、別れたのは彼のママ問題だった。
彼は長男だったけど、2人でアパートを借りて暮らすつもりでいた。何度か会った彼の母も「弟がいるからうちはいいのよ。自分たちで好きなように生活するといいわ」と言っていた。彼の実家は郊外で都内からは遠かったので通勤の問題もある。最初の疑問は彼の実家にお泊りしたとき。入浴してリビングに入ろうとしたときに彼らの会話を聞いたこと。
「アウトレットじゃなくて、スパがいいわよ!スパにしなさいよ。」
彼は母の言葉で知らない間にデート先が変わっていて、彼母の水着を持たされてスパに行くことになった。
二回目の疑問。彼の兄弟とその恋人たちで彼母の誕生日会があったという。私だけ声をかけられなかった。そして呼ばれていない私に楽しそうに話す彼。三回目の疑問。婚約するって決めたわけでもない、プロポーズもされていないのに宝石店に連れていかれ、婚約指輪を彼が購入していた。四回目の疑問、彼母が「レイナさんのご実家の地域は子供を育てるような環境じゃないんだから、ここに一緒に暮らせばいいし、レイナさんは仕事を辞めてパートすればいいんじゃないかと思う」と包み隠さず私に離したとき。
いろいろと限界だった。だって、全部全部彼母の言いなりなんだもの。話し合いなんて言っても、結局私と話したことを彼母に相談し、彼母の答えが彼の答えで、直接彼母と話した方が早いんじゃないかと思うくらいだった。いくらご両親だとは言え、結婚は私と彼のことであって彼の考えはどこにあるんだろう?と思ったら、冷めてしまった。
返す必要もない婚約指輪だけれど、とても金額が大きいものなので彼に返して終わりにした。
それから、マンガのような恋人や恋愛に憧れもあって、飲み会に参加してみたり恋活パーティにも参加してみたけれどあまりうまくいかなかった。せっかく知り合って連絡先を交換したのに、携帯が壊れてしまって連絡先が全部消えてしまったり、私だけが付き合っていると思っていて遊ばれているだけだったということもあった。
なんだかうまくいいかないまま30になってしまい、仕事ばかりの毎日を送っていた。
そんなとき、ひょんなことで知り合ったのがタクミだった。
学生時代から長く付き合っていた彼と別れてから特にこれといったお付き合いはなかった。飲み会で知り合った彼とは何度か顔を合わせているうちに「付き合って欲しい」と告白されてから交際が始まった。積極的だなと思ったのは最初だけで、受け身なことが多く、ハジメテの時も強引にキスをして抱きしめたと思えば「こういうことはあまり知らないから……」という。知らないのは私も同じだ。したいと思ったわけでもなく、そういう風に持ち込んだのは彼で、私に何をしろというのだろう。それでも彼は優しいし気遣ってくれるところもあるし、話も合う。いつか結婚するんだろうななんて思っていたけれど、別れたのは彼のママ問題だった。
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いろいろと限界だった。だって、全部全部彼母の言いなりなんだもの。話し合いなんて言っても、結局私と話したことを彼母に相談し、彼母の答えが彼の答えで、直接彼母と話した方が早いんじゃないかと思うくらいだった。いくらご両親だとは言え、結婚は私と彼のことであって彼の考えはどこにあるんだろう?と思ったら、冷めてしまった。
返す必要もない婚約指輪だけれど、とても金額が大きいものなので彼に返して終わりにした。
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