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第1章 刻まれる番の証
第13話 元の世界に帰りたい 3
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食事の後に日本で流行っていたタピオカの話をしたところ、2人とも興味深々だったのでタピオカもどきがつくれないかなぁと考えていたところ、私の通勤道具だけは手元にあることを思い出した。気が動転していたとはいえ、なんで忘れていたのか。私にはまだ日本にいたときの私物がある!
クローゼットを開けると昨日より洋服が増えている気がする。ルイがちょこちょこ洋服を足しているようで、かわいらしい感じの服が増えている気がするのは見なかったことにしよう。隅の方に置いたバックを取り出して中を見ると私の荷物はそのまま入っていた。
「よかった……」
"異世界転移"という常識外の出来事があっただけに、カバンの中身、元の世界の物が手元からなくなっていてもおかしくないなと思ったのでホッとしたけど悲しい。ここが夢とかではなく、やっぱり現実なんだなぁという気持ちになる。
私は荷物が多いのでいつも重たいなぁなんて思っていたけれどちょっと良かったかもしれない。ちょうど会社に持っていこうと思っていた飴とかお茶など入っていたし、市販の薬もワンセットある。飲もうと思っていたお茶がマイボトルに入ったまま…なのは後でちゃんと綺麗にしよう。パソコンとタブレットとスマホの3点セットがるけれど、これって使えるんだろうか?電源コードや充電器はあるけど電気がないし、これは使えないだろう。でもバッテリーは少しの期間は使うことができるし、簡易的なソーラー充電もついているから気長に待てば充電できるかもしれない。
「これだけでもあってよかった!この世界にはないものだけど、突然この世界に来てしまったんだからkの位は許してくれないとね」
そういえばルイがよく私の髪を風の魔法で乾かしてくれる。私の世界には魔法がなかった。私もそういうのが使えたら便利だったな。アニメのように魔法が使えたとかいう特典みたいなものはないのかな。2人は異世界人は魔法が使えないと言っていたけど、これまでの人はそうだったかもしれないけれど私は使えるかもしれない。いや、もしかしたらすごい力を持っているがゆえに先人は能力を隠していたということもあるかもしれない!落ち着いたら、挑戦してみよう。
そういえばこの世界のことを少しずつ教えてもらっているけれど、魔法については何も聞いていなかった。自分が使えないから興味がなかったけれど、そもそもここの世界の人は魔法が使える人もいるから知っておかなければならないこともあるかもしれない……。わからないことがわからないから、何を二人に聞けばいいのかもわからないし、こっちの人にとって"私"ってどんな存在なのかもイマイチわからない。
スマホを手に取ると画面が明るくなった。全く操作しなかったのでそれほど電池は減っていないみたい。
トントン
「ちょっといいか?」
「どうぞ」
出していた荷物をパパっとカバンの中に戻してクローゼットにしまった。
「大丈夫か?」
「なにが?」
「なんか様子が違うようにみえたから」
そういって私の頭をポンポンとした。
「何かあったら言えよ」
「うん。ありがとう」
そういうと、ちょっとテオの表情が緩んだ。
「ルイは?」
「すぐ来ると思う。あれも心配してた」
「そっか……あのね」
「ん?」
テオは私を抱えながらソファに座ったんだけど、なんだか私もこのだんだん慣れてきてしまったような気がする。
「これ」
「これ?」
「ここ、私の首のここ、赤くなっちゃったよ」
キスマークがついたところを指さしてみせたら、テオはスッと目線をそらした。
「赤くなっているの目立つよ。なにか意味があるの?」
テオの目元が赤くなった。
「……」
「ねぇ……なんで?」
「……」
「どうして?」
ルイが求愛の印だっていってたけど本当なのだろうか。本当に、番の首筋を噛むのだろうか。ルイが顔を手で多い隠してしまって表情が見えない。
「………」
「許してあげてください」
「だってそれは死活問題だと思う」
「……そうですね……」
ルイがふるふると肩を震わせている。
「なんで笑うの?重要なことなのにっ!」
「……っ……」
「そうですねぇ。重要ですよね?」
ルイは横目でにまにまとテオをみていた。
「じゃあ確認してみましょうか?」
クローゼットを開けると昨日より洋服が増えている気がする。ルイがちょこちょこ洋服を足しているようで、かわいらしい感じの服が増えている気がするのは見なかったことにしよう。隅の方に置いたバックを取り出して中を見ると私の荷物はそのまま入っていた。
「よかった……」
"異世界転移"という常識外の出来事があっただけに、カバンの中身、元の世界の物が手元からなくなっていてもおかしくないなと思ったのでホッとしたけど悲しい。ここが夢とかではなく、やっぱり現実なんだなぁという気持ちになる。
私は荷物が多いのでいつも重たいなぁなんて思っていたけれどちょっと良かったかもしれない。ちょうど会社に持っていこうと思っていた飴とかお茶など入っていたし、市販の薬もワンセットある。飲もうと思っていたお茶がマイボトルに入ったまま…なのは後でちゃんと綺麗にしよう。パソコンとタブレットとスマホの3点セットがるけれど、これって使えるんだろうか?電源コードや充電器はあるけど電気がないし、これは使えないだろう。でもバッテリーは少しの期間は使うことができるし、簡易的なソーラー充電もついているから気長に待てば充電できるかもしれない。
「これだけでもあってよかった!この世界にはないものだけど、突然この世界に来てしまったんだからkの位は許してくれないとね」
そういえばルイがよく私の髪を風の魔法で乾かしてくれる。私の世界には魔法がなかった。私もそういうのが使えたら便利だったな。アニメのように魔法が使えたとかいう特典みたいなものはないのかな。2人は異世界人は魔法が使えないと言っていたけど、これまでの人はそうだったかもしれないけれど私は使えるかもしれない。いや、もしかしたらすごい力を持っているがゆえに先人は能力を隠していたということもあるかもしれない!落ち着いたら、挑戦してみよう。
そういえばこの世界のことを少しずつ教えてもらっているけれど、魔法については何も聞いていなかった。自分が使えないから興味がなかったけれど、そもそもここの世界の人は魔法が使える人もいるから知っておかなければならないこともあるかもしれない……。わからないことがわからないから、何を二人に聞けばいいのかもわからないし、こっちの人にとって"私"ってどんな存在なのかもイマイチわからない。
スマホを手に取ると画面が明るくなった。全く操作しなかったのでそれほど電池は減っていないみたい。
トントン
「ちょっといいか?」
「どうぞ」
出していた荷物をパパっとカバンの中に戻してクローゼットにしまった。
「大丈夫か?」
「なにが?」
「なんか様子が違うようにみえたから」
そういって私の頭をポンポンとした。
「何かあったら言えよ」
「うん。ありがとう」
そういうと、ちょっとテオの表情が緩んだ。
「ルイは?」
「すぐ来ると思う。あれも心配してた」
「そっか……あのね」
「ん?」
テオは私を抱えながらソファに座ったんだけど、なんだか私もこのだんだん慣れてきてしまったような気がする。
「これ」
「これ?」
「ここ、私の首のここ、赤くなっちゃったよ」
キスマークがついたところを指さしてみせたら、テオはスッと目線をそらした。
「赤くなっているの目立つよ。なにか意味があるの?」
テオの目元が赤くなった。
「……」
「ねぇ……なんで?」
「……」
「どうして?」
ルイが求愛の印だっていってたけど本当なのだろうか。本当に、番の首筋を噛むのだろうか。ルイが顔を手で多い隠してしまって表情が見えない。
「………」
「許してあげてください」
「だってそれは死活問題だと思う」
「……そうですね……」
ルイがふるふると肩を震わせている。
「なんで笑うの?重要なことなのにっ!」
「……っ……」
「そうですねぇ。重要ですよね?」
ルイは横目でにまにまとテオをみていた。
「じゃあ確認してみましょうか?」
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