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第1章 刻まれる番の証

第8話 蒼い狼さんと新婚体験 2

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「それほど広くはないが……」

といいながら案内してくれた2人の家はとても広かった。

「えっ……?」
「もっと広い方がいいか?増築しようか……」
「いやっ!!全然っ!!まだっだから!!」
「そうか?」
「私の実家は一般家庭だったけど、4LDKだったかな…。あっ部屋が4つね。こんなに大きいおうちだったからビックリしたのよ。」
「そうだな……俺たちはこういう感じだったから普通だと思っていた。使用人を雇っているような大きい家は他にあるからな」

テオに手を引かれて小さな庭園にあるベンチに座った。

「レイナは家族と暮らしていたのか?」
「私は仕事の都合で1人で暮らしていたの。アパートってわかるかな。集合住宅というの?1部屋を借りてた。」
「そういう家も街にあるな。レイナは兄弟がいるのか?」
「弟がいるわ。でも…喧嘩ばかりだったけれど」
「年は近いのか?」
「3つ違うの。顔も似ているのよ?」
「そうか。義弟か……会ってみたいな」

(義弟……)

「姉が1人、弟と妹が1人ずついるな」
「ルイの他にも?たくさんいるのね」
「あぁ。弟妹も双子だな。……多産だからな?」

(この世界の人たちは平均何人くらい出産するんだろう……)

「種族によっても子ができやすかったりそうでなかったりもするからな」
「そうなんだ……って、えっ?」
「そんなに産めるのだろうかと考えただろ?」
「なんで??」
「そうなんだ。」

ニカっと笑いながら私の肩を抱き寄せた。一瞬でもテオとルイとの子どもについて考えてしまったことがとても恥ずかしい。

「真っ赤になってる……」

耳元でボソッとささやかれるって破壊力がある。こんなシチュエーション、私知らない。

「いい香りがする……」

テオが私の首筋に顔を寄せてクンクンする。

「ねぇ…くすぐったい」
「……」
「犬みたい……」
「オオカミだ」

ちょっとムッとしたような目をしたかと思うと、少し力よく耳の下あたりをこすられ、髪の毛がさらさらっちしてくすぐったくて身をよじると、さらにぎゅっと肩をつかまれて私の首筋に温かいものがふれた。

「ふぁっ……」
「かわいい」

首筋をしたからつっと舐めあげられて声が漏れてしまった。

「あっ…」
「動くな。」

方を伝って降りてきた手に手首をつかまれてそのままベンチにつなぎとめられてしまった。

「ちょっとまって!」
「……」
「…んっ…はぅ……」
「まだだめ」

ふっと息を吹きかけられて鳥肌が立った。やさしく触れるか触れないか分からないくらいの強さで触れたかと思えば、つよくグリグリっと舌先を押し付けられたり、ぬるぬると舌が首筋を伝う。

「ぅん…ぁ」
「もう少しだから」

ちゅっちゅっと柔らかくついばむように、首の付け根のあたりを唇がふれた。

「あっ」

チカッと痛みがはしると、ペロッと肌をなめ挙げて満足げにほほ笑むテオが立ち上がった。

「ほら、そろそろ夕飯つくろうか。ルイが返ってくる前に終わらせような。」

息が抜けてくだけで言葉がなかなかでてこなかった。

(……こんなことされたことない)

首筋を執拗に舐められたことも恥ずかしいけれど、33歳にもなってこのくらいのことで動揺している自分も恥ずかしかった。

「初めての共同作業な?」

またしてもふわっとテオに抱き上げられ、キッチンまで運ばれることになった。こんな状態でテオと二人で料理できるのかな……
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