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第三章 深い森の中で
要因不明
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ヴェノルの言葉に、マッドとティミーは俯いた。
「そうだ。俺達、あのレンに追われているんだよ。ルグート村で襲われて、このまま村にいるとまたいつアイツが襲って来るか解らねぇ。だが、アイツは確かにティミーを狙っていたんだ。再び村に被害が出る前にアイツを討とうと思って旅に出て、この森に辿り着いたんだよ」
マッドは村で起こった出来事を振り返りながら話す。
レンが村を襲ってきた理由。それは村を出る前にティミーが泣きながら話していた内容だろう。
その内容を、マッドは改めて振り返る。
(そうだ。ティミーの持っている何かを奪おうとしているんだよな。でも、一体何を……)
マッドが考えていると、ティミーは拳を握り締め、マッドとヴェノルに視線を向けた。
「さっきも私の〈あるモノ〉を奪う為に襲って来たのかなって考えていたの。そしたら、その通りだって言われて」
ティミーは震えながら話すと同時に、涙が頬を伝うのを感じた。
レンが村を襲ってきたのが、確実に自分のせいだと先程のレンの言葉で確定した、と悟ったのだ。
「……アイツ、どうしてティミーを」
「分からないよ……。レンは、何を奪おうとしているの……?」
答えが分からず、マッドとティミーは俯いた。
(確かにティミーの〈あるモノ〉を奪うと言って村を襲って数日後に俺達を襲って来たと言う事は、アイツは確実に俺達を殺そうとしている。でも、ティミーがそんな襲われるような物持ってねえし……)
長い沈黙が、時間を支配する。
「……でもさ」
ヴェノルの声が沈黙を破り、幼い顔をしかめ、言葉を続ける。
「そのレンって奴……ティミーの〈あるモノ〉を奪うって言ったんだよね? 俺が見る限り二人がその様な物持っているとは思えないなぁ。見るからに田舎者だし」
最後の言葉は余計だと思ったが、マッドとティミーは反論出来なかった。
確かにマッドとティミーは奪われそうな物など、一切持っていなかったからだ。
「一体何が目的なんだ、レンは……?」
「少なくとも……私が狙われているのは事実だよ」
「……」
ティミーの言葉に、再び長い沈黙が続いた。
「でもさぁ。俺はレンと初対面なのにいきなり飛針飛ばして来たんだよ? 酷いよなぁ! かーなーりームカついたよっ!」
またしてもヴェノルが沈黙を破り、怒っているのにその表情はどこか幼く見えた。
「あぁ、そう言えば……確かにな」
「ムカつくよ本当! それにアイツ……どっかで見た気がするんだよなぁ」
「え……?」
ヴェノルの言葉に二人は驚き、ヴェノルに詰め寄った。
「もしかして……記憶が無くなる前に会った時あるんじゃないの?」
ティミーの言葉に、ヴェノルは顔をしかめる。
「分かんないけど……何か思い出したくない。いや、思い出したくない、と言うか……」
「……無理に思い出さなくても良いさ」
頭を押さえるヴェノルの肩を、マッドはポンと叩いた。
「うん……ありがとう」
ヴェノルは無理に笑顔を作り、勢いよく立ち上がる。
「そう言えばお前……傷は?」
飛針が深く刺さっていたにも関わらずいつの間にか元気になっているヴェノルに、マッドは違和感を感じた。
するとヴェノルはにっこりと笑い、袖を捲り腕を見せる。
「傷の事? もう治っちゃった」
「え?」
「傷が……無い?」
服はボロボロだったが、腕には全く傷が無かった。
「なな……何で!?」
二人は驚いていたが、ヴェノルはニコニコと笑っていた。
「分かんない。そんなに重要な事かな? それより、これからどうするの?」
話の展開を変え、ヴェノルは更に二人をアタフタさせた。
しかし、これからの事を決めなければどうにもならない。
マッドは顔をしかめ小さく息を吐く。
「どうするって……レンを追うしか無いだろ。俺達を狙ってるんだから、全ての目的を聞き出さないと」
「そうだね……それに〈あるモノ〉が一体何なのかも聞かないと」
二人は真剣に話し合い、これからの事を決めた。
レンを追う。そしてマッド達を襲う理由の的となる〈あるモノ〉が何なのかを吐かせる。
今後の事を決めると、ふと疑問が生じた。
「そうだ。俺達、あのレンに追われているんだよ。ルグート村で襲われて、このまま村にいるとまたいつアイツが襲って来るか解らねぇ。だが、アイツは確かにティミーを狙っていたんだ。再び村に被害が出る前にアイツを討とうと思って旅に出て、この森に辿り着いたんだよ」
マッドは村で起こった出来事を振り返りながら話す。
レンが村を襲ってきた理由。それは村を出る前にティミーが泣きながら話していた内容だろう。
その内容を、マッドは改めて振り返る。
(そうだ。ティミーの持っている何かを奪おうとしているんだよな。でも、一体何を……)
マッドが考えていると、ティミーは拳を握り締め、マッドとヴェノルに視線を向けた。
「さっきも私の〈あるモノ〉を奪う為に襲って来たのかなって考えていたの。そしたら、その通りだって言われて」
ティミーは震えながら話すと同時に、涙が頬を伝うのを感じた。
レンが村を襲ってきたのが、確実に自分のせいだと先程のレンの言葉で確定した、と悟ったのだ。
「……アイツ、どうしてティミーを」
「分からないよ……。レンは、何を奪おうとしているの……?」
答えが分からず、マッドとティミーは俯いた。
(確かにティミーの〈あるモノ〉を奪うと言って村を襲って数日後に俺達を襲って来たと言う事は、アイツは確実に俺達を殺そうとしている。でも、ティミーがそんな襲われるような物持ってねえし……)
長い沈黙が、時間を支配する。
「……でもさ」
ヴェノルの声が沈黙を破り、幼い顔をしかめ、言葉を続ける。
「そのレンって奴……ティミーの〈あるモノ〉を奪うって言ったんだよね? 俺が見る限り二人がその様な物持っているとは思えないなぁ。見るからに田舎者だし」
最後の言葉は余計だと思ったが、マッドとティミーは反論出来なかった。
確かにマッドとティミーは奪われそうな物など、一切持っていなかったからだ。
「一体何が目的なんだ、レンは……?」
「少なくとも……私が狙われているのは事実だよ」
「……」
ティミーの言葉に、再び長い沈黙が続いた。
「でもさぁ。俺はレンと初対面なのにいきなり飛針飛ばして来たんだよ? 酷いよなぁ! かーなーりームカついたよっ!」
またしてもヴェノルが沈黙を破り、怒っているのにその表情はどこか幼く見えた。
「あぁ、そう言えば……確かにな」
「ムカつくよ本当! それにアイツ……どっかで見た気がするんだよなぁ」
「え……?」
ヴェノルの言葉に二人は驚き、ヴェノルに詰め寄った。
「もしかして……記憶が無くなる前に会った時あるんじゃないの?」
ティミーの言葉に、ヴェノルは顔をしかめる。
「分かんないけど……何か思い出したくない。いや、思い出したくない、と言うか……」
「……無理に思い出さなくても良いさ」
頭を押さえるヴェノルの肩を、マッドはポンと叩いた。
「うん……ありがとう」
ヴェノルは無理に笑顔を作り、勢いよく立ち上がる。
「そう言えばお前……傷は?」
飛針が深く刺さっていたにも関わらずいつの間にか元気になっているヴェノルに、マッドは違和感を感じた。
するとヴェノルはにっこりと笑い、袖を捲り腕を見せる。
「傷の事? もう治っちゃった」
「え?」
「傷が……無い?」
服はボロボロだったが、腕には全く傷が無かった。
「なな……何で!?」
二人は驚いていたが、ヴェノルはニコニコと笑っていた。
「分かんない。そんなに重要な事かな? それより、これからどうするの?」
話の展開を変え、ヴェノルは更に二人をアタフタさせた。
しかし、これからの事を決めなければどうにもならない。
マッドは顔をしかめ小さく息を吐く。
「どうするって……レンを追うしか無いだろ。俺達を狙ってるんだから、全ての目的を聞き出さないと」
「そうだね……それに〈あるモノ〉が一体何なのかも聞かないと」
二人は真剣に話し合い、これからの事を決めた。
レンを追う。そしてマッド達を襲う理由の的となる〈あるモノ〉が何なのかを吐かせる。
今後の事を決めると、ふと疑問が生じた。
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