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第48話 自信を持てよ
しおりを挟む「ずっと気になってたんだけど
お前さぁ、練習中、何で俺や後輩たちにまで、
「はい」とか「すみません」とか敬語で返事するんだよ」
松島くんの問いかけに僕は戸惑った。
「何でって・・・
僕、へたくそだし、みんなに迷惑かけてるし
教えてもらってる立場だから、なんとなく・・・」
「そんなの関係ねぇだろ。
お前の一番良くないところはそこだよ。
自分でへたくそだと思い込んでるところ。
もっと自信持ってやれよ」
「でも・・・」
「お前は確かにへたくそだ。
野球センスも正直無い。
でも、誰よりも練習してるのはお前だろ?」
「うん・・・」
「練習は裏切らない。
だから、あんな打球が打てたんじゃねぇのか?
できると思えば、できないこともできたりするし、
できないと思えば、できることもできないもんだよ」
「そんなもんかなぁ」
「そんなもんだよ」
そう言うと松島くんは立ち上がり
「悪いけど、俺ちょっと部室に用あるから
先に行かせてもらうぞ」
「うん。今日はありがとう」
松島くんはそう言うと部室の方に歩いて行った。
「お疲れっした!」
大村くんと池崎くんが松島くんに挨拶をすると
松島くんは手を上げて、それに応えた。
松島くんの背中が遠くなっていく。
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