へたくそ

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第38話 我慢の限界

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「どうして・・・どうしてこんなことになっちゃうの」
私はどうすることもできず、泣き崩れてしまいました。

「結局、柿崎が正しかったのかもしれない・・・」
鈴木くんが口を開きました。
「鈴木!お前まで何言ってんだよ!
 まさかお前も辞めるとか言わねぇよな」
池崎くんがそう言うと
「俺はまだ辞めない。辞めないけど・・・
 このままの状態が続くなら、
 俺だっていつ辞めたくなるかわかんねぇよ。
 正直、あいつらの気持ちはよくわかるし
 あいつらを止めることなんてできねぇよ」
「そんな・・・」

しばらく沈黙が流れた。
「俺もあいつら説得してくる!」
そう言うと池崎くんは、去って行った3人を追って走り出しました。
「待てよ!」
鈴木くんも池崎くんの後を追いました。

ずっと黙っていた大村くんが
「もう我慢できねぇ」
大村くんは立ち上がり、部室の方へ歩き出しました。
「大村くん、どこ行くの?」
「上山に文句言ってくる」
「ダメよ!そんなの。1人で行ったら、何されるかわかんないよ!」
「そんなこと知るかよ!もうどうなったって良いんだよ!
 このままじゃチームはバラバラだろ!
 チームがバラバラじゃ、野球になんねぇんだよ!」
そう言って、大村くんは歩き始めました。
「待ってよ!大村くん!」
私の呼びかけにも、大村くんは一切、振り返らずに歩いて行きました。

「もう、どうなっちゃうの・・・」
私は一人、取り残されたグラウンドで、ただ泣いていました。
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