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第33話 お前もやるか?
しおりを挟む全員が信じられない、聞き間違いかといった表情で
呆然と立ち尽くしていました。
あの金子くんでさえも。
松島くんだけは、黙って素振りを続けていました。
「上山くん!待ってよ。もう十分だろ。
今日はこれくらいにしてやってくれよ」
僕は思わず声をあげてしまいました。
「ダメだ。こんなもんで強くなれるとでも思ってんのか?」
上山くんがそう言うと、
隣で金子くんがまたニヤニヤし始めました。
「でも・・・」
僕が何も言えずにいると、上山くんは続けて言った。
「なんならお前もやるか?
お前が一番へたくそなんだからな。
ま。やっても無駄か」
金子くんが声をあげて笑った。
大村くん、池崎くん、町村さんは金子くんを睨み付けている。
「わかった。僕も一緒にやるよ」
「児玉さん!」
僕の言葉に、池崎くんが驚いた様子で声をあげた。
上山くんはニヤリとして
「よーし!じゃあ全員、円になれ!」
僕は率先して、腕立て伏せの姿勢を取った。
僕に続いて、大村くん、池崎くん、他の1年生たちが続いた。
「声出していけよ!」
「はい!」
「よし、始め!」
「1、2、3、4、・・・・」
上山くんの号令で腕立て伏せが始まった。
バットを持って、
上山くんと金子くんが回りをウロウロしている。
町村さんや他の2年生部員は
心配そうにこちらを見ていた。
松島くんは時折、こちらの様子を伺いながら、
素振りを続けていた。
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