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第26話 反抗
しおりを挟む「なんだぁ!大村!」
金子くんが恫喝するように言った。
「それは上山さんに投票しろってことですか?」
「だったらなんだぁ!なんか文句でもあんのか!」
大村くんと金子くんは睨み合っている。
「そんなのおかしいじゃないですか!」
「なんだとコラァ!」
今日の金子くんは強気だ。
最上級生になったからだろうか。
「だったらお前は誰に投票したいんだ?」
上山くんが口を開いた。
上山くんは金子くんの肩を抱き
「こいつか?」
金子くんはニヤニヤしている。
「それともいっそ児玉にでもやらせるか?」
それを聞いて金子くんが大笑いをしながら
「そりゃあ傑作だな!」
何人かの2年生部員も苦笑いしている。
「そうっすね。俺は児玉さんの方が良いと思います」
僕はびっくりして、大村くんを見た。
「はぁ?お前、頭おかしいんじゃねぇの?」
金子くんは続けざまに言った。
「こんなへたくそにキャプテンなんてできるわけねぇじゃん」
大村くんはひるむことなく言い返す。
「自分はキャプテンに上手い下手は関係無いと思います。
それに、もし実力で選ぶなら、
当然、松島さんがキャプテンじゃないですか?」
「なんだとコラァ!」
金子くんが立ち上がって、大村くんに詰め寄る。胸倉を掴み、
「自分がエースだと思って、調子乗ってんじゃねぇぞコラァ!」
大村くんはジッと上山くんを見据えている。
上山くんも大村くんを見据えている。
少し沈黙が続いた後、松島くんが口を開いた。
「大村。先輩に向かって言い過ぎだ。
金子の言う通りだ。調子乗ってんじゃねぇのか?」
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