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第15話 秘密特訓
しおりを挟む「それより早く片付け終わらせて行きましょうよ」
池崎くんがそう言うと、大村くんが
「行くってどこへ?」
「やべっ!」
池崎くんがしまった!といった様子で、僕の方を見ている。
少し悩んだ様子を見せた後、開き直ったように
「もう良いっすよね。こいつらには言っちゃっても」
池崎くんは、急に胸を張って、少し偉そうに、勿体ぶりながら
「実は」
「児玉さんと俺」
「秘密特訓やってんだよね」
「秘密特訓!?」
大村くんと町村さんが声を揃えて言った。
「バカ!声がデカいって!」
池崎くんは大村くんと町村さんに顔を近づけ
「いっつも練習の後、
河原のグラウンドで一緒に練習してんの」
「なんで河原のグラウンドなんだ?
練習ならここでやれば良いのに」
「ばぁか!ここでやったら秘密特訓にならねぇだろ?」
「はぁ?別に秘密にする必要ねぇじゃん」
「全くこれだから素人は・・・
影で努力するからカッコイイんじゃねぇの。
ねぇ、児玉さん」
池崎くんが僕の方に顔を向けて言った。
「いや、別にそういう訳じゃ・・・」
僕がそう言うと、
池崎くんはまた大村くんと町村さんに顔を近づけ
「それに、ここでやってて
上山と金子に見つかったら、また面倒くせぇだろ」
「確かに」
大村くんと町村さんが声を揃えて言った。
「いや、普通に呼び捨てするなよ」
僕は苦笑いするしかなかった。
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