8 / 102
第8話 衝突
しおりを挟む高坂と上山の関係は日に日に悪化していった。
そんなある日、水上さんが上山を呼び出した。
「上山。ちょっと児玉に対して厳しく言い過ぎじゃねぇか?」
「・・・」
「お前の気持ちもわからなくはないけど、
1年があんまり出しゃばってると
監督や先輩方から目付けられるぞ」
「はい・・・」
翌日、相変わらずアイツはエラーをしてばかりだったが
上山はいつものような怒声は浴びせなかった。
練習後、上山がアイツに歩み寄り
「あ~あ。
お前のせいで水上さんに呼び出し食らっちまったよ」
「えっ?」
「お前さぁ、やっぱ辞めてくれよ。
お前のせいで、俺達、
練習に身が入んねぇし、先輩には怒られるし
本当、迷惑なんだよ」
上山の横で金子がニヤニヤ笑っている。
そこに高坂が近づいてきた。
その様子に気づいた水上さんが
「おい!上山!ちょっと球拾い手伝ってくれ!」
上山をアイツから引き離そうとしてくれたのだろうが
この一言がかえって、上山を苛立たせてしまった。
「球拾いならこいつの方が良いんじゃないっすか?
いっつも自分のエラーした球ばっかり追っかけて、
球拾い慣れてるもんな」
「なんだとぉ!」
高坂が勢いよく、上山に詰め寄った。
水上さんと何人かの先輩が慌てて二人の間に割って入った。
「おい!お前らいい加減にしろ!」
先輩方の制止にも関わらず、高坂と上山は一歩も引かず
お互い今にも殴り掛かりそうだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる