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新たな加護2
しおりを挟むリリスが植えた若木から正体不明のデータをコピーされた翌日。
リリスはこの日も昼休みに、学舎の傍の公園スペースに足を運んだ。
特に用事は無いのだが、気になって寄り道をしただけである。
だが、公園スペースの小さなベンチに見慣れた使い魔の姿を発見した。
フィリップ王子の使い魔の小人が座っている。
その両肩に芋虫が生えているのが不気味だが・・・。
片方の芋虫はメリンダ王女の使い魔だ。
そうするともう一方の使い魔はエミリア王女なのか?
リリスが近付くと使い魔達の声が聞こえて来た。
「リリス。丁度良かったわ。今、あんたの話でエミリアと盛り上がっていたのよ。」
やはりエミリア王女の使い魔のようだ。
「エミリア。久し振りね。元気だった?」
そう言いながらリリスはベンチに腰掛けた。
エミリア王女は自国の王女様だが、使い魔の状態なので、周囲の目を気にせず馴れ馴れしい言葉遣いになっている。
それはエミリア王女も同意している事だ。
「ええ、私は元気よ。最近体調が良いのよ。それでこの若木の事なんだけど・・・・・」
芋虫が身体を若木の方に向けた。
「よくこの木を探し出してきたわね、リリス。この若木って精霊が吸い寄せられるような波動を出しているわ。」
エミリア王女の言葉を切っ掛けに、リリスは魔装を非表示で発動させた。
その途端に若木の周囲に多数の精霊らしき気配を感じ取る事が出来た。
10体以上の精霊が若木の周囲を漂っている。
そのぼんやりとした輪郭、視認出来るか否かのレベルの淡い色合いと気配は精霊以外にはない。
「リリスったらドライアドにでもなったの? ドライアドを取り込んだのかしら?」
何を言っているのよ。
メリンダ王女の言葉に反論しようとした矢先に小人が口を挟んだ。
「メル。そんな言い方をするなよ。この若木のお陰で癒されている人も多いんだからね。」
小人の言葉にメリンダ王女の使い魔の芋虫が身体を揺らした。
「冗談よ、冗談。ドライアドが宿りそうな木だって、エミリアが言っていたから話の流れで・・・・・」
「話の流れで私を魔物にしないでよね。」
そう言いながら若木を見ていると、その枝の間に白い小動物がちょろちょろと動き回っているのが見えた。
あの白いリスはもしかして・・・・・。
リリスの視線を感じて、その白いリスはベンチに走り寄ってきた。その勢いのままにリリスの膝の上にぴょんと飛び乗った。
「リリス様、お久し振りですね。」
やはりロイヤルガードの責任者のリノの使い魔だ。
でも、どうしてここに居るの?
不思議に思ったリリスの思いを察して、小人が口を開いた。
「リノは僕達の警護の為と言う口実で連れて来たけど、本人の気分転換になっているようだね。」
まあ、四六時中王族の警護を務めるとなると、そのストレスも半端じゃないだろう。
使い魔で木に戯れて遊ぶのも良いのかも知れない。
「でもこの木って本当に不思議ですね。ヒールとはまた違った穏やかな癒しの波動を放っているし、その波長の大半は人間が感知出来ない帯域のものですから・・・」
リノの言葉に触発され、リリスは探知能力を高め、その感覚を極度に研ぎ澄ませてみた。
確かに人間では到底探知出来ないような帯域で、様々な波動が若木から放たれているようだ。
「精霊達も喜んでいますよ。ここは居心地が良いって言っています。」
エミリア王女の言葉に、メリンダ王女も使い魔の芋虫の身体を揺らして同意した。
「そうなのよね。いっその事、この木を王宮に植え替えようかしら。」
そう言った途端に、若木の周囲の空間が徐々に歪み始めた。
若木の輪郭がぼんやりとして薄れていく。
その様子にメリンダ王女も焦って叫んだ。
「ちょっと待ってよ! 冗談よ! 何処にも持って行かないから!」
その言葉を切っ掛けに、若木の周囲の様子が元に戻った。
「これってどういう仕組みなの? 魔法では無さそうだけど・・・・・」
エミリア王女の使い魔の芋虫が、頭をぐるぐると回して精霊達と交信をし始めた。
「駄目だわ。精霊達も何が起きなのか分からないって言っているわ。」
「でも・・・・・ここから動きたくないって事だけは確かなようね。」
エミリア王女の言葉にリリスは静かに頷いた。
若木の周囲の様子が変化した時、リリスは二の腕の小さな黒点が疼いたのを感じていた。
自分の魔力を利用したのか?
そうは言っても魔力が流れた様子も無い。
不可解な現象だったが、若木からは相変わらず癒される波動が放たれてくる。
その心地良さを感じつつ、リリスはメリンダ王女達としばらく歓談していた。
その日の夜。
寝床でうとうとしていたリリスは解析スキルの発動で目が覚めた。
『コピーされてきたデータの処理が終わりました。ステータスの確認をしてください。』
こんな時間に・・・・・。
そう思いながらもリリスは自分のステータスを開いた。
**************
リリス・ベル・クレメンス
種族:人族 レベル25(+2)
年齢:14(+2)
体力:1600(+500)
魔力:4500(+500)
属性:土・火・風
魔法:ファイヤーボール レベル5+++
ファイヤーボルト レベル7+++
アースウォール レベル7
加圧 レベル5+
アースランス レベル3
硬化 レベル3
エアカッター レベル3
エアバースト レベル3
(秘匿領域)
属性:水・聖・闇(制限付き)
魔法:ウォータースプラッシュ レベル1
ウォーターカッター レベル1
ヒール レベル1+ (親和性による補正有り)
液状化 レベル15 (制限付き)
黒炎 レベル2 (制限付き)
黒炎錬成 レベル2 (制限付き)
スキル:鑑定 レベル3
投擲 レベル3
魔力吸引(P・A) レベル3
魔力誘導 レベル3 (獣性要素による高度補正有り)
探知 レベル4++ (獣性要素による高度補正有り)
毒生成 レベル4+ (獣性要素による高度補正有り)
解毒 レベル4+ (獣性要素による高度補正有り)
毒耐性 レベル4+ (獣性要素による高度補正有り)
火力増幅(加護と連携可能)
火力凝縮(加護と連携可能)
亜空間シールド(P・A)(加護と連携可能)
減圧(重力操作)レベル5+
調合 レベル2
魔装(P・A) (妖精化)
魔金属錬成 レベル1++(高度補正有り)
属性付与 レベル1++(高度補正有り)
スキル特性付与 レベル1++(高度補正有り)
呪詛構築 (データ制限有り)
瞬間移動(発動に制限有り)
→ 細胞励起(発動に制限有り)
→ 産土神体現(体験版 発動時間10分)(アップデート不可)
覇竜の遺志を継ぐ者
風神集結
異世界通行手形(調整中につき発動不可)
→ 世界樹の加護
解析
最適化
**************
この細胞励起って何?
『それは生物の細胞に直接働き掛け、その機能を活性化させる波動を創り出すスキルです。』
う~ん。
もしかして、これがあの若木から放たれている波動の元なの?
試してみる必要はあるわね。
『このスキルは発動に制限があって、一日一回のみですね。それも魔力をかなり消費しますので、発動時間は10分ほどです。』
なるほどね。
それで気になるのはこの産土神体現って言うスキルなんだけど、突っ込みどころが満載のようね。
これってそもそも何のスキルなの?
『文字通りだと思いますよ。』
でも、体験版って何なのよ。
アプリじゃあるまいし・・・。
『このスキルについては説明が必要ですね。』
『実は最適化スキルがコピーされてきたデータからスキルとして構築する際に、使えない構成要素がかなりあったのです。それで完全な形に構築出来ず、体験版と言う形に成りました。』
使えない構成要素って、要するにデータ自体の不備?
それともコピーした際の不具合?
『いいえ、そのどちらでもありません。』
『端的に言えば、この世界を構成する法則や定理に合わない物だったようです。それでその代替品を探して最適化したが故に、この形に成ってしまったと言うわけです。』
『例えれば、屋敷の建築設計図面を手に入れたのに、手元に大量の木の枝と砂と紙しかなかったようなものです。最適化スキルの苦悩をねぎらってやって下さい。』
そうなのね。
それでアップデートも出来ないってわけね。
『その件ですが・・・・・それに関しては二重の制限が掛かっています。コピーされてきたデータの中にあった使えない構成要素も一つの要因ですが、もう一つ念押しの様な制限が掛けられました。』
掛けられたってどう言う意味?
誰が掛けたのよ?
データのコピー元の所有者なの?
『普通に考えればコピーされてきたデータの所有者でしょうね。でも違うようです。』
じゃあ、誰が?
『それが分からないのです。スキルとして何とか構築した際に、突然何者かによって掛けられたのです。』
そんな事ってあるの?
『これは荒唐無稽な仮説ですが・・・・・このスキルをこの世界で具現化させたくない存在が居るのかも知れませんね。』
それって例えば、この世界の管理者って事?
『それも不明です。』
う~ん。
良く分からないわねえ。
『いずれにしても、一度人気のない所で試してみてください。』
そうね。
それで世界樹の加護はどんなものなの?
『この加護は現状では、二つの新しいスキルを効率よく運用する為に作用します。』
『ただ、この加護も未知の部分があって、今後どのような加護の作用をもたらすかは不明です。』
う~ん。
随分不思議なものを取り込んじゃったわねえ。
まあ、明日の昼休みに試してみるわね。
ありがとう。
リリスは解析スキルを解除してそのまま眠りに就いた。
翌日の昼休み。
リリスは食事を早めに済ませて薬草園に足を運んだ。
ここなら自分の他には誰も来ない。
唯一ここに来そうなケイト先生も、この時間は昼食後に職員室で午後の授業の準備をしているだろう。
とりあえずは細胞励起ね。
リリスは薬草園の片隅で、魔力を集中させて、新しいスキルである細胞励起を発動させた。
発動と同時に、脳裏に対象を問う言葉が浮かんできた。
対象を絞るのね。
とりあえず自分で良いわ。
自分を対象に発動すると決めると、次にどのレベルで発動するのかが問われてきた。
マックスからミニマムまでのゲージが脳裏に浮かぶ。
とりあえずミニマムの少し上の低レベルで。
そう決めると身体に纏っていた魔力がスッと身体の内部に引き込まれ、身体の奥の方から心地良い波動が全身に伝わって来た。
それはヒールとはまた違った癒しの波動だ。
これってやはりあの若木から放たれている波動だわ。
リリスはその心地良さにしばらく身を委ねていた。
マックスにするとどうなるのだろうか?
そう考えたものの、次に控えているスキルが非常に気になる。
リリスは細胞励起の発動を解除し、産土神体現スキルの発動を促した。
ほんの軽い気持ちで発動させてみたのだが、その途端に脳裏に警鐘のようなものが鳴り響く感覚を受けた。
うっ!
発動させるのは拙かったかしら?
そうは思っても既にスキルは発動している。
リリスの身体中の魔力が激しく体内を渦巻き、足元が激しく振動し始めた。
それと同時に身体全体から、細い糸の様な魔力の触手が無数に突出し始めた。
リリスの身体が金色に輝き始め、足元の大量の魔力の触手によって身体が上に押し上げられていく。
リリスの目線の高さは既に5m近くになっていた。
身体中から更に大量の魔力の触手が伸びていく。
不安を感じたリリスはスキルの解除を促した。
だが何の反応も無い。
うっ!
拙い!
これってどうなるの?
不安に満ちたリリスの気持ちとは裏腹に、産土神体現スキルは本格的に発動していくのだった。
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