落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

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召喚者の痕跡3

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エリスの実家であるフリックス家を通じて、行商人キリルに王家からの特殊な注文が依頼されて一か月後の休日。

リリスは昼過ぎに王城の敷地内にあるゲストハウスに呼び出されていた。
メリンダ王女から玉鋼が手に入ったとの連絡があったからである。

ゲストハウスに入るとエントランスで執事が出迎え、リリスは奥のリビングホールに案内された。
そこはリビングホールと呼ばれるにふさわしい広さで、10人も座れるようなL字型の豪華で大きなソファとテーブルのセットが四方に配置されている。
その一角にメリンダ王女とフィリップ王子が座り、その対面に行商人キリルの背中が見えた。
メイドに案内されてそのソファの一角に座り、互いに挨拶を交わしたリリスだが、キリルを見た瞬間にハッと息を呑んでしまった。

黒い髪に黒い瞳、浅黒い肌ではあるがその顔立ちは明らかに日本人だ。

自己紹介をする中で、キリルの家系が代々そのような容貌だと聞き、リリスは確信を持つに至った。

明らかにこの人は日本から召喚された人物の子孫だ。
普段は農地を開拓し、国に一大事があれば武装して兵士となる。
先祖代々そのような立場を継続してきたと言うのだが、リリスはそれを聞いてふと屯田兵を思い浮かべた。

そう言えば・・・・・何となく北海道との関連性を思い浮かべてしまうわね。
レイブン諸島のレイブンって、もしかして礼文・・・『れぶん』の事?
小豆と言えば十勝の小豆が思い浮かぶし・・・。

リリスは困惑の中でテーブルの上を見た。
広いテーブルの上に大量のどら焼き、木箱に満載された小豆、そして小刀が並べられている。

キリルはその小刀を手に取り、対面のリリスの前に静かに置いた。

「リリス様の実家の領地内に、腕の立つ鍛冶職人がおられるそうですね。私も玉鋼を所望されるとは驚きでした。」

キリルの言葉を聞き、メリンダ王女がリリスに問い掛けた。

「その剣ってあまり見ない形ね。細くて折れそうだけどそれで良いの?」

リリスもこの世界で刀剣は目にした事が無い。それ故にメリンダ王女の疑問も頷ける。

「まあ、素材として玉鋼が手に入れば良いのよ。剣の心材にするんだから。」

そう言いながらリリスは鞘から小刀を抜き、刀身を上に向けてその峰に手を添えた。
目に高さに上げてじっと見る。
美しい刀身だ。
リリスは元の世界でアニメから日本刀に興味を持ち、実物の展示会に出掛けた時の記憶を蘇らせた。

「切先からの刃紋がとても美しいですね。刀工の巧みな技が感じられるわ。」

リリスはそう言うと懐から一枚の紙を取り出し、小刀の刃の上にかぶせてスッと引き下ろした。紙は何の抵抗も無く真っ二つに寸断された。

「うん。良い切れ味だわ。素材として使うには勿体ないかも・・・・・」

リリスの言葉にキリルはほうっ!と声をあげて感心した。

「リリス様は刀剣の良さがお分かりなのですね。刀剣は切れ味が大事ですからねえ。」

リリスとキリルの会話にメリンダ王女は疑問を感じた。

「でも細くて直ぐに折れちゃいそうだけど、実戦で役に立つの?」

「そんなに簡単に折れないわよ。しなやかさと剛性を併せ持つように、素材を重ね合わせて鍛造するんだから。」

リリスの言葉にキリルはうんうんと頷いた。

「良くご存じですね。商人としても安心してお渡し出来ますよ。」

「まあ、無駄にはしませんから安心してください。」

そう言いながらリリスは小刀を鞘に納めた。
その様子を見てメリンダ王女はリリスに語り掛けた。

「今回の取引での支払いは王家が立て替えておくわね。でもアリアリーゼに匹敵する聖剣を再生出来ればチャラにしてあげるわ。」

「まあ! ありがたい思し召しだわ。」

皮肉交じりに答えたリリスの言葉に、メリンダ王女はニヤッと笑った。

「それで玉鋼以外の素材は大丈夫なのかい?」

フィリップ王子の言葉にリリスはうんうんと頷いた。

「何とかなると思います。アリアリーゼの素材の分析はほぼ出来ていますので。」

「まあ、時間は掛かっても良いから良い仕事をしてよね。それと・・・・・」

メリンダ王女はリリスに話しながら、ふとキリルの方に顔を向けた。

「キリルさん。このドーラって言うお菓子は王家でも折に触れて注文しますね。」

キリルはその言葉を聞き、スッと背筋を伸ばした。

「はい。今後ともよろしくお願いします。」

メリンダ王女は笑顔で頷き、メイドに指示を出して紅茶を用意させた。
テーブルの上に並べられたどら焼きを食べお茶を飲む。
和やかなティータイムの準備が整い、4人は歓談の場を持ったのだった。



その日の夜。

学生寮の自室に戻ったリリスは、ソファに座ってふと考えた。

ここからどうしたら良いの?

オリハルコンやヒイロカネ、更に魔力の誘導体を手に入れなくてはならないのだが・・・・・。
色々と考えても良い策が思い浮かばない。
それに肝心の玉鋼の扱い方も良く分からない。

シューサックさんに聞くしかないわね。

それはあまりにも曖昧な結論だが、自分の思いに応えてくれるような気がする。
リリスはその夜、シューサックに会いたいと念じながらベッドに入った。


リリスの思いが通じたのだろう。

眠り込んでふと気が付くと、リリスは真っ白な部屋の中に呼び出されていた。

真っ白なイスとテーブルが置かれ、そこに初老の老人が二人座っていた。
シューサックとキングドレイクだ。

相変わらず仲が良いわね。余程気が合うのかしら。

そう思いながらリリスは二人の対面に座った。

「リリス。お前から呼び出すとは珍しいな。まあ、用件は分かっているのだがな。」

シューサックの言葉にキングドレイクが口を挟んだ。

「そんな勿体ぶった言い方をするな。リリスが聖剣の錬成をする状況になって嬉々としていたではないか。」

シューサックはへへへと笑って頭を掻いた。

「それにしてもアリアリーゼを再び錬成する事になるとはなあ。」

まるで自分が造るような言い草だ。
リリスはそれをスルーして話し始めた。

「それで玉鋼の事なんですけど・・・・・」

リリスの不安そうな表情を他所に、シューサックは嬉しそうに口を開いた。

「何も案ずる事は無いよ、リリス。お前が引き継いだ魔金属錬成のスキルには、特殊な高度補正が幾つも掛かっていたはずだ。」

「玉鋼の扱いもその中に含まれている。お前なら普通に錬成出来るはずだ。」

そうなのね。
それなら大丈夫かしら・・・。

リリスの表情を見ながら、シューサックはあご髭を撫で、眉を上げて問い掛けた。

「それで他の素材の入手のめどは立っているのか?」

そうそう。
それも問題なのよね。

「いいえ、まだどうしたら良いのか分からなくて。王家に頼む事も考えてはいるんですけど・・・」

「それならユリアスに頼め。」

シューサックの言葉にキングドレイクも強く頷いた。

「ユリアスは賢者ドルネアからレミア族の遺産の管理を任されている筈だ。その中には極めて純度の高い魔金属や魔力の誘導体もあるだろう。」

そう言いながらキングドレイクは自分の身体を指差した。

「魔力の誘導体なら竜の鱗を使うんだな。細かく砕いて剣の心材の錬成時に混入させれば良い筈だ。」

「シューサック! そうだったよな?」

シューサックはキングドレイクの言葉に強く頷いた。

「その通りだ。おそらく竜の鱗もレミア族の研究施設に保管されているだろう。」

「ユリアスはお前の身内だ。お前が持っているスキルを多少知られても問題はあるまい。直に相談するのが良いと思うぞ。」

そうよね。
ユリアス様ならスキルがバレても問題は無いわね。

リリスは納得した表情でシューサックに問い掛けた。

「それにしても・・・・・あのレイブン諸島の人達って何者なんですか? シューサックさんって現地に行ったんですよね?」

リリスの言葉にシューサックはうんうんと頷いた。

「お前が不思議がるのも無理も無い。間違いなく転移者の子孫だよ。それも多分屯田兵の一族だと思うぞ。」

「ああ、やはりそうなんですね。」

「うむ。儂が彼の地を訪れたのは500年前じゃった。だがその時点で既に召喚時の記憶などは失われてしまっていた。その地に伝わる古文書などを参照すると、召喚されたのは恐らく1000年ほど前だろう。」

シューサックの言葉にリリスはうっと唸った。
確かに異世界召喚は時空を超えるものなのだが・・・。

「しかも不思議なことに地域ごと召喚されてしまっておる。一族まるごと召喚されたようなものだ。それも穀物や武具まで含めてだからな。」

リリスは武具と聞いて疑問が湧いて来た。

「そう言えばキリルさんは、実家の武器蔵から小刀を取り出してきたと言っていたわ。」

「屯田兵ってそんなに武具を取り揃えていたものなんですか?」

シューサックはリリスの言葉を聞き首を横に振った。

「まあ、一般的には屯田兵は軽装備だったはずだ。だが彼等は違う。儂も500年前に彼らの戦い方を見せて貰ったが、彼等は長刀は使わない。」

「小刀を差し、クナイや太い針を主に使うのだが、戦う相手によって麻痺毒や強毒も使う。これは明らかに忍者の戦闘形式だ。」

「彼らの一族がどこかの忍びの里から屯田兵として入植したのかも知れん。その領主の下で諜報活動や暗殺などの特殊任務を請け負っていたのだろうな。」

シューサックの説明にリリスはう~んと唸って考え込んだ。

そう言う出自の人達だったのね。
それにしても地域まるごと召喚されるってどう言う状況なのよ。
その召喚時の様子を知りたいわねえ。

あれこれと思いを巡らせるリリスの様子を見ながら、キングドレイクはうんうんと頷いた。

「いずれ隠された事実が明らかになる時が来るだろうな。リリス。お前が関わると大なり小なり予期せぬ変化が起こる。聖剣の素材がきっかけで何かが動き始めたのかも知れんぞ。」

「そんな大げさな言い方は止めてくださいよ。厄介事に巻き込まれるのは御免ですからね。」

リリスの言葉にキングドレイクはワハハハハと高笑いをした。

リリスは二人に礼を述べ、深い眠りに陥っていった。




翌日の放課後。

リリスは薬草園に出向き、周りに人が居ない事を確認した上で、小さな魔道具を取り出した。
ユリアスとの連絡用の魔道具だ。
それを作動させてしばらく待つと、リリスの目の前にユリアスの使い魔である紫のガーゴイルが出現した。

「リリス。何か用事か?」

「ユリアス様。実はお願いがあって・・・・・」

リリスはこれまでの経緯を簡単に話した。その過程で魔金属錬成などのスキルを持っている事もユリアスには話したのだが、ユリアスの反応は意外にも冷静だった。

「お前ならどんなスキルを持っていても不思議には思わんよ。」

そう言いながら紫のガーゴイルは思いを巡らす仕草をした。

「今在庫を確かめておる。・・・・・うむ、お前の必要とする素材ならたっぷりあるぞ。お前さえ良ければ今すぐにでも確かめるか?」

「確かめるって・・・レミア族の研究施設に赴くって事ですか?」

「そうだ。今日の授業はもう終わったんだよな。それなら直行しても大丈夫だろう?」

ガーゴイルの言葉にリリスはうんうんと頷いた。

それならと言う事で、ガーゴイルが闇魔法の転移を発動させ、リリスはその場からレミア族の研究施設に直行した。

暗転した視界が定まると、目の前にはユリアスが立っている。

その傍らには賢者ドルネアのホログラムも立っていた。
だが賢者ドルネアはニコニコと笑っているだけで、話し掛けても返事をしない。

「ドルネア様の疑似人格は既に役目を終えたと言って、消滅してしまったのだよ。儂としては寂しい限りなのだがな。」

「儂にここの全てを託し、レミア族の知識と記録を全て習得した時点で、人工知能は儂の従者になってしまったのだよ。」

「勿論、儂が問い掛ければ的確な返答はしてくれるのだがな。」

そうなんだ。
それって確かに寂しい事よね。
でもそれはユリアス様がここの主人になったって事でもあるのよね。

「さあ、倉庫に案内しよう。」

ユリアスの言葉に促され、リリスはその後に付いて歩いた。

中央のホールから伸びる長い廊下の端に巨大な倉庫が並んでいる。
種類別に分類された幾つもの倉庫の中から、魔金属等の蓄えられた倉庫に入ると、その内部は魔力の波動が濃厚に満ちていた。
これは大量の魔金属の故だ。

大きなインゴットや角材の形状の魔金属が並ぶ中、ユリアスの指示で複数のホムンクルスが素材を搬出した。
それらが大きな台車に積まれて中央のホールに運ばれていく。

台車の上にあるのは棒状になったオリハルコン、ヒイロカネ、そして魔力誘導体である竜の鱗が数枚。

「これで良いのだな。」

ユリアスの言葉にリリスはうんうんと頷いた。

中央のホールに運び込まれた素材が大きなテーブルの上に並べられた。
リリスはマジックバッグから小刀を取り出し、魔金属の素材の横に並べた。

「ほう! 変わった形の剣だな。」

ユリアスは刀剣を知らないようだ。

「これは刀剣です。玉鋼を聖剣の心材にするために手に入れました。」

「それで、竜の鱗を粉砕したいのですが・・・・・」

リリスは竜の鱗を指差した。
ユリアスはそれを手に取り、ホムンクルスに指示を出して手渡した。
別の部屋に粉砕機があるらしい。

しばらくしてホムンクルスが細かく粉砕された竜の鱗を小箱に入れて運んできた。
直径が5mmほどの粒状だ。
一般的に魔力誘導体は、少し形が残っている方がより良く効果を発揮すると言う。

「それでは始めますね。」

リリスの言葉にユリアスはうむと頷いて、リリスの傍から少し離れた。

リリスは魔力を集中させ、魔金属錬成のスキルを発動させた。
両手に熱いほどに魔力が集中している。

片手で小刀を持ち、もう一方の手で挟むように持ちながら魔力を流していく。
剣の心材の形をイメージしながら魔力を流すと、小刀の刀身がまるで飴細工のように形を変え始めた。
その形状がまだ定まらないうちに、棒状の玉鋼を粉砕された竜の鱗の中に突っ込むと、ジュッと言う音と共に竜の鱗の粒が玉鋼に吸い込まれていくのが不思議だ。
玉鋼との相性が良いからなのだろう。

更に錬成しながら数度、竜の鱗の粒を含ませる事約10分。
小刀は薄い棒状の玉鋼と化した。
長さは120cmほどで、魔力を帯びて仄かに光っている。

続いてリリスはオリハルコンとヒイロカネを取り出し、その割合を確かめながら錬成して合金化し始めた。
オリハルコンの薄い板とヒイロカネの薄い板を張り合わせながら、混ぜ合わせるイメージで錬成すると、これも飴細工のようにお互いに絡み合いながら一体化していった。

こうして出来た剣身の素材を玉鋼の心材の両側に貼り合わせながら、再度錬成を加える事30分。
刃渡り130cmほどの1本の剣身が出来上がった。

かなり魔力を費やしたのだろう。
リリスの額には脂汗が滲んでいる。
リリスはふうっと大きなため息をついてその場に座り込んでしまった。

テーブルの上に置かれた剣身を指で擦りながら、ユリアスはうんうんと唸って幾度も頷いた。

「見事なものだ。どこでこんな技量を手に入れたんだ?」

ユリアスの問い掛けにリリスは直ぐに答えられず、少し間を置いてようやく口を開いた。

「イメージが頭に浮かんでくるんです。魔金属錬成のスキルに高度補正が幾つも重ね掛けされていて、そのお陰だと思います。」

「まあ、そうは言っても魔力操作に相当習熟していなければ、思い通りの形状には出来ないはずだ。」

ユリアスはそう言いながら、リリスの肩をポンと叩いた。

この剣をアリアが気に入ってくれるかしら?

リリスはアリアの顔を思い浮かべ、次の作業を想定していたのだった。











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