落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

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久し振りの帰省3

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青白い空間の中でリリス達に迫る黒い人影。

その黒い人影が目の前に近付いたその時、上の方から白く光る塊りが突然飛来し、黒い人影の前にドスンと落ちて来た。
それは良く見ると白く光る巨大な剣だ。

その剣の放つ光に黒い人影はたじろぎ、後ろの方に引き下がった。
白く光る剣はその場で形を変え、メタルブレードを装着した半透明の騎士の姿になった。

この姿は・・・剣聖ジークフリート!

それにしてもどうしてここに?

リリスの顔に目配せをし、ジークフリートは黒い人影に向けて魔力を放った。
その激しい魔力の流れが滝のように黒い人影に注ぎ込み、その勢いで後ろに飛ばされてしまった。

「久し振りだな、リリス。」

ジークフリートはリリスに向かって話し掛けた。
その様子をドナルドやマキは固唾を飲んで見つめている。

「ジークフリート様、どうしてここに?」

「うむ。それは儂の仲間が闇落ちをしそうになっていたので、急いで救出に来たのだよ。」

仲間って?

リリスの思いを察して、ジークフリートは黒い人影が飛ばされた方向に手招きをした。
それに応じて仄かに光る何かが近付いてくる。

ジークフリートの傍まで近付いて来たのは、白く仄かに光る小さな少女だった。
その目鼻立ちが良く見える。
これは先ほどまで黒い人影だったものなのだろうか?

「こやつは儂と同じ、剣聖なのだ。アリアと名乗る剣聖だ。と言っても本体のかけらの様な存在なのだがな。」

「剣聖! そうすると聖剣に宿っていたのですか?」

「そうだ。ここに宿っているのだよ。ここは聖剣の中に創られた仮想空間だ。」

そう言いながらジークフリートは両手を広げて周囲を示した。

「聖剣アリアドーネ。古来より伝わる由緒ある聖剣なのだが、そこに宿る剣聖が突然、持ち主と共に消失してしまった。その際に聖剣アリアドーネに自身のかけらを残していった。それがこの未熟な剣聖なのだ。」

ジークフリートは傍らに立つ少女の頭を軽く撫でた。

「この聖剣の所在はしばらく分からぬままだった。まさかこのようなところに安置されていたとは知らなかったぞ。」

ジークフリートの言葉を聞き、少女が半透明のメタルブレードを軽く引っ張った。

「アリアドーネの持ち主はマキナ・・・」

そう呟く少女の頭をジークフリートは再び軽く撫でた。

そうそう。
このマキナって人が問題なのよね。

リリスは自分の疑問を解くために少女に問い掛けた。

「そのマキナさんってどこかに行っちゃったの?」

「うん。突然消えちゃったの。」

少女は小声でそう呟いた。
その様子を見てジークフリートはふとリリスに尋ねた。

「リリス。お前はそのマキナと言う人物に心当たりがあるのか?」

「いえ。これは私の憶測ですけど・・・・・」

そう言いながらリリスは、ドナルドとマキの顔をちらっと見た。
この二人に聞かせて良い話ではない。ドナルドも父親として心配するだろう。
リリスの思いを察したのか、ジークフリートはふっと魔力を放った。
その魔力がドナルドとマキの身体に纏わりつき、二人の意識を瞬時に奪ってしまった。

「話し難い内容であれば、こうするしかあるまい。」

リリスはジークフリートの配慮に感謝して、マキナとの出会いの事を話し始めた。
アルバに飛ばされた異世界での戦いの事を詳細にジークフリートに伝えたのだ。

「お前は異世界に飛ばされたと言う事なのか? そこで出会ったそのヒーラーが聖女を目指す人物で、マキナと名乗ったのだな?」

リリスは無言で頷いた。

「リリス。お前の身体の中にそのマキナと言う女性の魔力が流れたのなら、その痕跡を探り魔力の質を確かめる事は可能だ。少し協力してくれ。」

そう言うとジークフリートはリリスの額に手を置き、その魔力で軽く精査し始めた。更にその際に僅かな魔力を抜き出したようで、その感覚がリリスに残っている。
ジークフリートはその僅かな魔力を小さな光の球にし、少女の額に埋め込む様に吸収させた。

「マキナ! そう! これは間違いなくマキナの魔力!」

少女の声にジークフリートはうんうんと頷いた。

「どうやらお前が出会った女性はマキナで間違いなさそうだ。だがこちらの世界に再召喚するのは難しそうだな。」

「そうですね。私ですらかなりの時空の歪を生じてしまいましたからね。再召喚となるとどうなる事やら・・・」

そう言って考え込むリリス。
これは少女に諦めてもらうしかない状況だ。

だが少女はふと呟いた。

「私が向こうに行く。」

「それは駄目だ!」

咄嗟にジークフリートは大声をあげて少女を制した。

「マキナの行先に精霊界が有るのか否かも分からん。下手をすると向こうの世界に行った途端に消滅するぞ。しかも人族ならまだしも、精霊の類が時空を超えるとなると、どれだけ時空の歪が生じるかも知れない。とんでもない災厄が天体レベルで起きかねないからな。」

「それなら・・・・・どうするの?」

少女の寂しそうな声が痛々しい。

「マキナは私を残したまま、直ぐに戻ってくるって約束したのに・・・・」

「今となっては致し方あるまい。それともそこで眠っている女性と契約を結ぶか?」

ジークフリートは意識を失ってその場に座り込んでいる、マキの身体を指差した。

「そうだわ。マキちゃんなら適任よ。だって元聖女なんだもの。」

リリスの言葉にジークフリートはほう!と声をあげた。

「この女性が元聖女だと言うのだな。少し確かめさせて貰おう。」

ジークフリートはそう言うとマキに魔力を放って覚醒させた。更にマキの魔力を少し吸引して吟味した。

「うむ。確かに聖女としての素養は充分に持っているようだ。リリス。お前の周囲にはどうしてこのような特異な者が集まるのだ?」

「それは私にも分かりませんよ。マキちゃんとは深い縁があって交流していますけどね。」

リリスの言葉にうんうんと頷きながら、ジークフリートは少女に話し掛けた。

「このマキと言う女性なら契約者として間違いないと思うぞ。確かめてみよ!」

少女はジークフリートの言葉に頷き、その手をマキの方に差し出した。

一方、様子の分からないマキは躊躇って後ろに引き下がろうとした。

「マキちゃん。大丈夫よ。その少女は聖剣に宿る剣聖なの。契約者を失って闇落ちしそうになっていただけなのよ。」

「マキちゃんが契約してあげれば、マキちゃんを守る聖剣としての機能を発揮してくれるはずだから。」

そう言われてもピンとこないマキは、う~んと考え込むだけだ。
その傍らに少女が寄り添って、その魔力をマキに流した。

「う~ん。清廉で特殊な魔力ねえ。私の聖魔法のスキルが活性化してくるのが分かるわ!」

マキは少女の手を握っていたわるような表情を向けた。少女もそれに応じて微笑みを返している。

「うむ。魔力の相性は良さそうだな。」

「マキと言ったな。そなたがこの聖剣アリアドーネの持ち主となり、アリアと契約を結ぶが良い。そなたの聖魔法の魔力がある限り、アリアはそなたを守り知恵を与えてくれる。」

ジークフリートの言葉にマキは半信半疑の表情だ。
だがジークフリートが聖剣ホーリースタリオンに宿る剣聖であり、魔法学院の生徒リトラスがその契約者である事をリリスが伝えると、その概略が理解出来た様子だった。

「聖魔法を極めた者ならば、聖剣を持つが良い。」

ジークフリートの言葉にマキは意を決した。アリアの手を取り、よろしくねと声を掛けた。
アリアもその手を握り返し、無言で頷いている。

ジークフリートに契約を結ぶ言葉を教わり、マキはその場でそれを宣言した。

「私は聖魔法を更に研鑽して極める為、剣聖アリアとの契約を結びます!」

その言葉と共にアリアの身体が青白く光り、魔力の球となって消えていった。

「あれ? 何処に行ったの?」

戸惑うリリスにジークフリートはハハハと笑った。

「聖剣アリアドーネに宿ったのだよ。ここはその聖剣の中の亜空間だと理解しておらんのか?」

ああ、そうだったわね。
アリアは聖剣と一体になったのね。

「とりあえず外に出るぞ。」

ジークフリートはそう言うとパチンと指を鳴らした。
その途端に周囲の様子が一変し、元の霊廟の中に戻っていた。

台座の上に浮かんでいる聖剣アリアドーネをジークフリートが手に取り、立ち上がったマキに手渡した。
マキが聖剣を手にすると、聖剣は一瞬眩く光を放った。

「アリアはその中に宿っておる。お前が呼び出せば何時でも現われるぞ。だが用件も無く呼び出すのは遠慮してくれ。」

ジークフリートの言葉にマキは神妙な表情で頷き、聖剣の剣身を優しく撫でた。

「ショートソードだから、マキちゃんにもピッタリのサイズだわ。」

「そうね。この剣って、持っているだけで守られている実感があるわ。」

マキは嬉しそうな表情で聖剣を抱きしめた。

「それでは儂はこれで帰るとする。リリス、達者でな。」

ジークフリートはそう言い残してふっと消えてしまった。

後に残されたリリスとマキは、眠っているドナルドを起こし、霊廟の外に出た。

「一体何があったんだ? 何が起きたんだ?」

首を傾げながらフラフラと歩くドナルドに、リリスはもう全て終わったと笑顔で伝えたのだが、ドナルドはそれでも納得出来ない様子だった。
だが、墓所の浄化が全て終わったので、とりあえずマキに感謝し、馬車で屋敷に戻る事にしたのだった。



その夜の夜。

夕食を終えた後、リリスは自室にマキを招いた。

それはマキから、マキナの事について教えて欲しいと言われていたからだ。

リリスはアルバによって200万年前の地球に飛ばされてしまった事、その場で知り合ったのがヒーラーのマキナであった事などを詳細に説明した。
その話を聞きながら、マキは随所に驚きの声をあげていた。

「私達の居た世界も、元々は魔素と魔力によって構成されていたんですね。」

神妙なマキの表情にリリスもうんうんと頷いた。

「そうなのよ。いえ、そうらしいのよ。まあ、アルバ様に聞いた話なんだけどね。」

「でもそのアルバ様って、結局何者なんですか?」

「超越者の類だと言っていたわ。その世界の管理者の補佐をする立場だって・・・」

二人きりなので、マキの口調が後輩の口調になっている。

「う~ん。そのアルバ様にマキナさんの素性を聞きたいですよねえ。」

そう言ってマキはソファの背にもたれ掛かった。

その時、突然ドアがコンコンとノックされた。

誰だろうと思ってドアを開けると、そこには不思議な光景が目に入った。

紫のガーゴイルがパタパタと羽ばたきながら宙に浮いている。これはユリアスの使い魔だ。だがそのガーゴイルがタキシードを着たコオロギを抱きかかえていた。

これってまさか・・・・・。

「儂を呼んだか?」

コオロギが平然と問い掛けて来た。

これってどういう状況なのよ?

躊躇いながらも、そのままにしておけないので、とりあえずリリスはガーゴイルとコオロギを自室に招き入れた。
その2体の使い魔の様子にマキも戸惑っている。
まあ、無理も無い事だ。

「マキちゃん。そのコオロギはアルバ様の使い魔なのよ。」

「まあ、そうなんですか。アニメのキャラの丸パクリですね。」

マキの言葉にコオロギは怪訝そうに、

「そんな事を言わないでくれよ。これでも君らに気を遣ってこの姿を選んだのだから・・・」

そういってユリアスの手から離れ、コオロギはデスクの上にすくっと立った。
マキはその姿にくすっと笑って挨拶をした。

「初めまして。マキです。」

「ああ、そなたがマキさんだね。よろしくね。」

通り一遍の挨拶を交わしたところで、リリスはコオロギに問い尋ねた。

「それでどうしたんですか? 私の部屋まで尋ねてくるなんて。」

コオロギはリリスの言葉を聞きながら、蝶ネクタイの両端を引っ張って形を整えた。
その仕草もやはりあのアニメを彷彿とさせる。

「どうしても何も、こんな稀有な状況を見て、黙っておけなかったんだよ。」

「儂の世界からの転移者が二人も集結しているのだからな。」

コオロギはそう言うと二人の顔をじっと見つめた。

「まあそれはたまたまですよ。何かの縁があって、同じ世界で知り合っていた二人が同時に召喚されてしまっただけです。」

「それはたまたまと言うレベルではないと思うぞ。もっとも、リリスはマキの転移に巻き込まれただけだがな。」

「まあ、そう言う事ですよ。それでユリアス様はどうしたんですか?」

話を振られたガーゴイルは、バツが悪そうにポリポリと頭を掻いた。

「偶然出会ったのだが、妙に気が合ってなあ。屋敷の片隅で色々と話し込んでいたのだよ。それで先ほど、お前達がアルバ様を呼んでいると聞いたので、本人を連れて来たわけだ。」

別に呼んでないわよ!

そう思ったもののリリスは口には出さなかった。
マキが食い入るようにコオロギを見つめていたからだ。

「丁度良かったです。アルバ様にマキナさんの事を聞こうと思っていたので。」

マキちゃん。
アルバ様をあまり持ち上げない方が良いわよ。
今までの経緯で私もあまり関わりたくないんだから・・・。

リリスの思いを知らず、マキはアルバに好意的な視線を送った。
それに気を良くしてアルバは話し始めた。

「儂がマキナと知り合ったのは、まだ儂が人族であった頃だ。聖魔法の強力な使い手を欲しておったアグラスと言う国で、今までにないほどの大規模な召喚儀式が行われたのだ。その際に召喚されたのがマキナと言う名の19歳の女性だった。」

「マキナは稀有な聖魔法のスキルを持ち、国の保護の元で研鑽を積み、大祭司となって聖魔法の新たな体系を産み出したのだ。」

「儂はマキナが召喚されて一か月ほど経った頃、彼女の魔力の調整の為に賢者アルバとしてしばらく指導していた事がある。」

そう言ってアルバは追憶をしているような表情を見せた。

「その時マキナから聞いた話では、突然の召喚に遭遇した際に、近くに居た剣聖を巻き込んだと言っておった。だがそれは儂の居た世界では存在を維持出来ず、10日ほどで消滅してしまったらしい。」

うっ!
それって剣聖アリアの本体の事よね。
やはり元の世界では存在を維持出来なかったのね。

そう思ってマキの顔を見ると、マキはリリスの思いを悟った様に黙って静かに頷いた。

マキナに関してリリスには、少し気掛かりな事があった。
聖女を目指していたマキナは何処で研鑽を積んでいたのだろうか?
300年ほど前となると、もしかするとその当時権勢を誇っていたあの国かも・・・・・。

「アルバ様。マキナさんの出身地は分かりますか?」

リリスの言葉にアルバは再び思いを巡らせた。

「うむ。その当時彼女から聞いた話では確か・・・・・」

アルバは少し間を置いた。

「アストレア神聖王国と言う国で生まれ育ったと言っておったぞ。」

うっ!
やはりそうなのね。

アストレア神聖王国の名を聞いて、リリスの胸に言い知れぬ不安が過って来たのだった。







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