落ちこぼれ子女の奮闘記

木島廉

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魔剣の返却 新たな展開2

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再度呼び出されたゲストルーム。

その中央に置かれたソファに座っていたのは、やはり芋虫を生やした小人だった。

メリンダ王女とフィリップ王子の使い魔だ。

またこの二人なのね。

少しうんざりした気持ちでリリスは対面のソファに座った。

「リリス、ごめんね。また呼び出しちゃって・・・」

「構わないわよ。用事があるから呼び出したんでしょ?」

少し投げやりな口調になってしまったリリスである。

だがメリンダ王女はそれを気にする事も無く、用件を告げ始めた。

「実はねえ、リリス。あんたにドラゴニュートの国の国王様から、正式に招聘状が届いたのよ。」

「招聘状ですって?」

リリスは思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

「そうなのよ。晩餐会にでも誘われているんじゃないの?」

芋虫はそう言うとケラケラと笑った。

「そんなはずは無いわよ。あの連中の事だから、賓客として招聘されたとしても、厄介な局面に追い込まれる事があるんだからね。」

リリスの脳裏に過去の色々な状況が思い起こされる。あの連中とはこれ以上関わりたくない。それがリリスの本音である。
だがリリスの顔色を窺いながら、メリンダ王女はリリスの説得に取り掛かった。

「リリス。あんたの気持ちは分かるわよ。でも相手も我が国に色々な見返りを用意してまで招聘しているのよ。そう言えば・・・」

芋虫は何かを思い出したように、少しの間頭を巡らせる仕草をした。

「魔剣アクアスフレアの実物を返した事への報酬が届いたわ。あんたの実家の領地に黄金を満載した軍用馬車が、明日にも到着するはずよ。」

そんな事で私の心は動かされないわよ。

意地を張るリリスの様子を見て、小人が話に加わってきた。

「ドラゴニュートの国のウバイド国王は、魔剣に関しては異常なほどに低姿勢なんだよ。見返りとしてどんな要求でも聞きそうな様子だ。」

「それだけあの魔剣が大事だと言う事なんだろうね。それはミラ王国にとっても相当に好都合だ。ここは是非とも彼等の招聘に応じてあげるべきだと思うよ。」

小人の言葉に芋虫もうんうんと頷いた。

「そうよ。招聘に応じてあげてよ。念のために私も使い魔の状態であんたに同行するつもりだからね。」

う~ん。
そこまで言われては断れないわねえ。

リリスは止む無く招聘に応じる事にした。
その決断にメリンダ王女もほっとした様子である。
小人も胸を撫で下ろしてリリスに優しく語り掛けた。

「使い魔とは言え王族のメルが同行すれば、万が一にも雑な扱いは受けないと思うよ。」

「それが通じる相手であれば良いんですけどねえ。」

そう言ってリリスはソファの背に大きくもたれ掛かった。

「また後日詳細を伝えるわね。よろしく~」

メリンダ王女のお気楽な口調が気に障る。小人と芋虫はその場からフッと消えてしまった。

やれやれ。

両肩に重荷を担いだような負担を感じながら、リリスは誰も居なくなったゲストルームを後にした。





その日の夜。

自室でルームメイトのサラと談笑していると、コンコンと窓がノックされた。誰か来たのかと思って窓を開けると、中に入って来たのは紫色のガーゴイルだった。ユリアスの使い魔だ。

「リリス。お邪魔するよ。」

そう言ってガーゴイルはパタパタと翼を羽ばたかせて部屋の中に進み、ソファにちょこんと座った。

「あらっ! このガーゴイルってリリスのご先祖様じゃなかったっけ?」

サラには紹介したっけ?

記憶が曖昧だが、ユリアスも幾度となくこの部屋に来ているので、サラとも面識があるのだろう。

「そうなのよ。賢者ユリアス様の使い魔なのよ。」

リリスはサラの問い掛けに答えながら、ユリアスの対面のソファに座った。

「大事な話なら席を外すわよ。」

サラの気遣いがありがたい。用件はまだわからないが、ユリアスは一応サラに願い出た。

「申し訳ないね・・・サラさんだっけ? それほど込み入った話ではないが、リリスの実家からの伝言などもあってな。」

「分かりました。地下の食堂でドリンクでも飲んでますから。」

サラはそう言うとリリスに手を振りながら部屋を出て行った。

「悪いわね、サラ。終わったら連絡するから。」

部屋から出ていくサラの背中にリリスは声を掛けた。


サラが出ていくと、ガーゴイルは身を乗り出してきた。

「リリス。領地の実家が大騒ぎになっておるぞ。大量の黄金が運ばれてきたのだからな。」

ああ、メルの言っていた褒章の事ね。

「しかも軍用馬車二台だ。一台には黄金が満載され、もう一台には宝玉や竜の鱗などがごっそりと積み込まれておった。運んできた兵士の話ではドラゴニュートの国からの報償だと言うのだが、一体どう言う事なのだ?」

ユリアスの驚くのも無理もない。リリスは魔剣を返却した経緯を最初から詳しく説明した。
その話に紫色のガーゴイルは、使い魔とは思えぬほどに様々な表情を見せた。

「そうか。そんな事があったのだな。それにしてもあの伝説の鍛冶職人シューサックの資材庫が、魔法学院の敷地の地下にあったとは驚きだな。」

「そこには儂は入れんのか?」

「そうですね。魔力の波動でセキュリティを掛けているようなので、現状では無理だと思います。」

リリスの言葉にガーゴイルは残念そうな表情を見せた。

「ところでユリアス様は魔剣アクアスフレアの名をご存じでしたか?」

「うむ。名だけは聞いた事がある。水属性のとんでもない魔剣だったと聞く。だが儂の存命中にはもうすでに行方不明になっておったよ。」

まあ、確かに時系列から言えばそう言う事になるわよね。

「でも・・・魔剣にこびりつく魔金属をはがすと、それに伴ってアンデッド化した竜族が現れるなんて事があるんですね。」

不思議そうに話すリリスにガーゴイルは無言でうんうんと頷いた。

「おそらくは魔剣の持つ初期設定なのだろうな。対竜族仕様の魔剣故に、竜族の特性に合わせた設定であることは間違いない。」

「激しい闘争心とタフな生命力。生に対する並々ならない執着心。己の負けを認めようとしない気性。そう言った特性が闇に引きずり込む要素となる事は事実だ。」

「魔剣がそれを吸着して物質化する事で、封印の役割を果たしているのだろうな。」

ユリアスの説明にリリスは違和感を覚えた。

「それってつまり魔剣アクアスフレア自体は、至って普通って事ですか?」

「そうだ。魔剣に封印が掛けられているのではない。魔剣が闇落ちした無数の竜族を封印しているのだよ。」

ううっ!
そう言う事なのね。

リリスは改めて魔剣アクアスフレアの特異性を実感した。

「実はドラゴニュートの国から正式に招聘されているんです。おそらくまた魔剣アクアスフレア絡みで何かあるのかも知れません。」

リリスの不安そうな表情にガーゴイルも表情が暗くなってしまった。

「お前一人だけであちらに行くのではあるまい。同行者は誰だ?」

「メリンダ王女です。使い魔の形での同行ですけど。」

リリスの言葉にガーゴイルはうむと唸って頷いた。

「それならば儂も同行して良いか? 使い魔の形でなら構わんだろう?」

「そうですね。そうしていただけると心強いですね。メルはユリアス様とも面識があるし・・・」

リリスは少し考え込んで話を続けた。

「あちらに行けば、ドラゴニュートの賢者様も居ますよ。デルフィ様と言うお名前ですが。」

「デルフィ殿か! それなら知っておるぞ。儂の生前には既に、ドラゴニュートの賢者として名を馳せておられた方だ。」

そうよねえ。ドラゴニュートは人族よりもはるかに寿命が長いから、そう言う事もあるわよね。

「これは楽しみだ。是非連れて行ってくれ。」

俄然乗り気になったユリアスである。
渡航の日程は後日知らされる事を伝え、リリスはガーゴイルとしばらく談笑した後、窓から再びガーゴイルを送り出した。








そして迎えたドラゴニュートの国への渡航の当日。

待ち合わせの場所は学生寮の玄関だった。
この日は授業があるのだが、国事行為に基づきリリスは特別休暇となる。

小人が運んできた芋虫がリリスの肩に憑依し、その場に現れた紫のガーゴイルを迎えた。
ガーゴイルと芋虫が互いに挨拶を交わす中、小人が懐から転移の魔石を取り出した。

「リリス。この魔石は賢者デルフィ様から送られてきたものだ。転移先はデルフィ殿の研究施設に設定されている。君の魔力の波動に合わせてあるので、君が起動させれば良いだけだ。同行者の登録も必要ない。それだけこちら側を信用していると言う事なのだろうね。」

小人はそう言って転移の魔石をリリスに手渡した。

「フィリップ殿下。それでは行ってまいります。」

「うん。メルの事も頼んだよ。」

小人に見送られ、リリスは転移の魔石を起動させた。



目の周りが暗転し、ほどなく目の前に砂漠が広がった。

日差しが強く、大気が暑い。
乾燥した熱風が足元に吹き、砂塵を巻き起こしている。

近くにデルフィの研究施設が見え、その傍にリリスを待ち受けているデルフィやウバイド国王をはじめ、多数のドラゴニュートの姿があった。

その傍まで歩き、互いに挨拶を交わして周囲を見回し、リリスはその異様な状況を肌身に感じた。
どう考えても招聘と言うにはほど遠い状況に思える。

「メル。この状況はおかしくない?」

話を振られ、芋虫も目を見開き周囲を見回した。

「そうね。リリスに何かやらせようとしているような状況よね。そうでもなければ屋外に呼び出すかしら・・・」

メリンダ王女もリリスと同じ事を感じているようだ。そうなるとやはり魔剣アクアスフレアの封印の件だろう。

ユリアスに意見を得ようとしたが、紫のガーゴイルはデルフィと親し気に会話をしている。

「ユリアス様ったら・・・」

そう思いながら若干不安げな表情を見せるリリスに、ウバイド国王が数名の従者を伴って近付いて来た。

「リリス。君の実家に褒賞を送ったのだが届いたかね?」

「はい。受け取りました。身に余る光栄です。」

形式的に答えたリリスである。だがそれを意にも介さず、ウバイド国王は話を続けた。

「君を招聘したのは他でもない、魔剣アクアスフレアの事でだ。」

うっ!
やはりね。

「君から返却されたアクアスフレアの封印が気になって、先日この場で多数の兵士を待機させ、魔剣の剣身にこびりついている魔金属を少しはがしてみたのだよ。」

「その時の為に、魔金属錬成のスキルを持つ3名の魔導士を国内外から呼び寄せた。その上で儂が魔剣アクアスフレアを持ち、魔導士にスキルを発動させたのだ。」

う~ん。
やはりやってみたのね。

「それで魔金属は大量にはがしたのですか?」

「いや。ほんの少しだよ。デルフィから君が試してみた話を聞いていたのでな。」

嫌だなあ。
デルフィさんったら話が国王様に筒抜けじゃないの。

「はがれた魔金属から出現したアンデッドは10体だった。それで儂の魔力を魔剣に流し、超音波振動の波動を放つつもりだった。だが・・・」

ウバイド国王は話を詰まらせた。

「放たれた超音波振動の波動は、普通のウォーターカッターと変わらなかった。それで慌てて待機していた兵士に後を任せたと言う事なのだよ。」

「兵士達も竜族のアンデッド相手にかなり苦戦したが、何とか退治する事が出来た。だがこれでは封印の解除は遅々として進まない。」

ウバイド国王の表情に軽い怒りが見える。

「儂は魔力を流しながら、魔剣アクアスフレアに語り掛けたのだ。何故超音波振動が発動されないのかと。」

「その途端に儂の脳裏に『総合力不足』と言う言葉が浮かび上がった。それと共に目の前に半透明のパネルが現われた。そこには使用者履歴と書かれており、2名の名前が表記されていた。一人はイメルダ、もう一人はリリス、君の名だ。」

ウバイド国王の眼圧がリリスに迫ってくる。
どう答えて良いのかも分からないリリスの傍に、ガーゴイルを伴ったデルフィが近付いて来た。

「儂からも補足しましょう。」

デルフィは国王の傍に立ち、飄々と話し始めた。

「水魔法のレベルやブレスをはじめとする火魔法を考え合わせると、攻撃力としてはリリスよりも国王様の方が上だろう。そこでこの総合力と言う表現が気になるのだが・・・」

デルフィは国王の顔色を窺いながら言葉を続けた。

「おそらく、君の持つ覇竜の加護などを含めての評価なのだろうと儂は考える。しかもアクアスフレアは明らかに君を呼べと言っているのだ。」

いやいや。
そんな事、魔剣は言っていないわよ。
履歴が表示されただけでしょうに。

戸惑うリリスに芋虫が小声で囁いた。

「リリス。これってもう筋書きが決まっているわね。あんたがあの魔剣である程度の数のアンデッドを駆除しない限り、ここから帰れないわよ。」

ううっ!
ある程度の数と言ってもねえ。

戸惑うリリスの表情を見ながら、ウバイド国王の側近の王族が背後から近付き、リリスに優しく語り掛けた。

「ここまで話せばわかってもらえると思うのだが、君の力でアクアスフレアの魔金属から出現するアンデッドを駆除して欲しいのだよ。半分でもはがさないと国王様のメンツが立たん。」

メンツって言ってもねえ。

この王族はリリスの肩に憑依している芋虫にも語り掛けた。

「王女様。我が国としては今回の招聘の見返りとして、貴国の如何様な要求にも応じるつもりです。このリリスは貴方の臣下ではありませんか。王女様もご英断ください。」

「あらあら。泣き落としに入っちゃったわね。」

メリンダ王女の言葉が軽い。

「リリス。これはもうやってみるしかないんじゃないの?」

「メルったら使い魔だから気楽よね。」

リリスのボヤキに芋虫はフフフと笑って答えない。
リリスは既に詰んでいた。

「分かりました。とりあえずやってみましょう。」

意を決してリリスはそう答えると、国王の従者から魔剣アクアスフレアを受け取った。
その途端に魔剣がブルっと振動し、キュイーンと小さく金切り音を立てた。
まさかと思うがリリスの手に取られて、魔剣が喜んでいるのだろうか?

「リリス。褒賞は弾むぞ。とりあえずやってみてくれ。儂としてもその魔剣の力を見てみたいのだ。」

ウバイド国王の表情が明らかに変わっている。
建国に纏わる魔剣の力を見てみたいと思うその気持ちは、リリスにも充分に理解出来るのだが・・・。



リリスの周囲からドラゴニュート達が離れ、少し離れた場所に法衣を着た3人の魔導士が待機している。
彼等はこの国の内外から呼ばれた魔金属錬成スキルを持つ魔導士達だ。
ドラゴニュートでそのような特殊なスキルを持つ者は、極めてまれな存在なのだろう。

「魔導士達! スキルを発動させろ!」

デルフィの指示で3名の魔導士が魔力を集中させ、魔金属錬成の波動をアクアスフレアに向けて送り込んできた。それに伴って魔剣にこびりついている魔金属が少し浮かび上がろうとしている。

この程度の分量なら。

そう思ったリリスの思いはこの後、完全に覆される事になるのだった。






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