45 / 329
ユリアとの再会
しおりを挟む
ドメルのダンジョンを訪れた翌日。
リリスとフィリップ王子は数名の警護兵と共に、リースの地下神殿を訪れた。この地下神殿が最近ダンジョン化していると言う噂が立ち、軍と冒険者ギルドが中心になって調査し始めていると言う。
だがまだダンジョンと呼ぶには早いようで、地下1階では2体のゴブリン、地下2階では2体のスケルトン、地下3階では2体のレイスが出てきただけだった。そして地下4階。ドルキア帝国に建てられた神殿としてはここが最下層になるのだが、魔物は全く出てこなかった。
「拍子抜けだねえ。まだ開店準備中かい?」
フィリップ王子も少しつまらなさそうだ。
「さて、リリス。水の亜神との接点があるのなら、呼び出してみてくれ。」
フィリップ王子の言葉にうなづいて、リリスは立ち止まり、大きく叫んだ。
「ユリア~! 居るのならこっちに出て来てくれないかなあ! お願いがあるのよ~」
リリスの様子を見て王子は目が点になっていた。
「呼び出すと言っても友人を呼び出すような口調だね。何か儀式でもして呼び出すのかと思っていたよ。」
王子は呆れてしまったようだ。だが程なくリリスの前に淡いブルーの光が現われ、人の形になってこちらに近付いてきた。ユリアだ。
「どうしたのよ、リリス。会いに来てくれるのは嫌じゃないけどね。」
相変わらず掴みどころのないユリアだ。
これがユリアですとフィリップ王子に紹介しようとして、リリスは自分の周囲の異変に気が付いた。
王子や兵士が動かない。否、動けないのか?
目や口は動けそうだが身体はその場で硬直したままだ。しかも王子の周囲にあったロイヤルガードの気配も消えている。
「心配しなくても良いわよ。チョロチョロと動けなくしているだけだからね。話は出来るわよ。」
そう言いながらユリアはフィリップ王子に近付いた。王子の顔に緊張が走る。
「どこかで見たような顔だわね。」
王子の顔をまじまじと見つめるユリアに、王子は改めて尋ねた。
「あなたは水を司る亜神なのですか?」
「私の本体はアクア=エル=リヴァイタル。私はその本体のほんの一部よ。かけらと言うか髪の毛のような存在ね。」
髪の毛は謙遜だろうと思いつつ、ここでリリスは疑問に思っていた事を口にした。
「ユリア。あなた、もしかしてギースのダンジョンからダンジョンコアを奪い取ってきたの?」
「あらっ。あそこってギースって言う街だっけ? 20階層しかないダンジョンがあったから、ここなら良いかなって思って・・・・・」
やはりこいつの仕業だ。
「お陰で騒動が起きているのよね。」
「それって私に苦情を言いに来たの?」
ユリアの表情が少し曇った。ここで機嫌を損ねるのは拙い。リリスは首を横に振って、
「違うわよ。その件とは別。近隣のダンジョンでこれを手に入れたんだけど・・・」
そう言いながらリリスは懐から淡いブルーの宝玉を取り出して、ユリアの目の前に差し出した。
その途端にユリアの顔のこわばりが緩んだ。
「あらっ! 懐かしいわね。これって私が創った宝玉じゃないの。」
あれれ、そうなんだ。
「ユリアが創ったものなの?」
「そうよ。私は時たま起きて世界を巡回する時があるのよ。これは1000年近く前に創ったものだわ。私に色々と要求する生意気な青年がいて、そいつに試練を与えたの。でも無事にクリアしたので褒美に創ってあげたのよ。喜んでいたわ、その子。そう言えば・・・」
そう言いながらユリアはフィリップ王子の顔を再びじっと見つめた。
「そうだわ。あんたってあの青年に似ているのよね。名前は・・・・・。そうだ! ウルバヌス。ウルバヌス=グリージアと名乗っていたわね。」
ユリアの言葉に王子は驚きの表情で口を開いた。
「ウルバヌス大帝はドルキア帝国の始祖の名です。」
ユリアの目が懐かしそうにしているように感じられる。
「それであの子の面影があるのね。」
ユリアがリリスから宝玉を手に取ってじっと見つめた。
「長年放置していたから私の魔力が枯渇しているわ。これを元通りにして欲しくてここに来たのね。」
ユリアの言葉にリリスはうんうんと強くうなづいた。
「そうなのよ。水の亜神の息吹を吹き入れて欲しいのよ。」
「息吹ね。そう言う設定と表現をしていたけど、要するに私の魔力を少し注ぐだけなのよね。」
多少自虐気味に話すユリアだ。
「良いわよ。でも無条件では駄目。」
「ではどうすれば?」
王子の言葉にユリアはニヤッと笑った。
「私が演出をしてあげるわ。大体あんた達ってそう言う儀式めいたものが好きだからね。」
「私の本体を祀っている神殿はあるの?」
「王都にあります。」
「それならそこでやるわよ。この宝玉を置いた台座を3人の神官が囲んで祈りを捧げなさい。そうすれば私が本体の姿で現れて宝玉に魔力を注いであげる。日時は・・・3日後の正午ね。国王や王族や諸侯を集めなさい。リリス、あんたも来るのよ。」
私も行くの?
他国の神殿なんだけど・・・。
リリスの疑問を気にしつつ、王子はユリアに確認した。
「3日後ですか? 準備の為の時間がありませんね。」
「突然啓示が降りたとでも言えば良いのよ。」
ユリアはそう言うとくるりと向きを変え、リリスに近付いた。
「リリス。この地下神殿の周囲にお店を出す土地を確保しておきなさい。本格的にダンジョン化したら人が集まってきて繁盛するわよ。」
そんな事、この場で言う事じゃないでしょ。それにダンジョン化が進んでいないようだけど・・・。
疑問に満ちたリリスの表情を読み取って、ユリアは説明を始めた。
「今はまだダンジョンコアのテイムが充分に進んでいないのよ。沢山魔物を造りたいんだけど、まだ充分に言う事を聞いてくれなくてね。あと少し時間が掛かりそう。」
「えっ! ダンジョンコアってテイム出来るものなの?」
「力づくで隷属させるのも芸が無いので、徐々に時間を掛けてテイムしているのよ。まあ、私の意のままに動くようになるのも時間の問題だわ。」
唖然とするリリスに背を向けてユリアは手を振り、神殿の奥に向かって行った。じゃあまたねと言う言葉を残して。
ユリアが消えてしまった直後に王子や兵士達も身体の拘束が解けて、自由に動けるようになった。
「まるで夢を見ていたようだ。」
王子はそう言いながら兵士達に指示を出し、リリスと共に神殿から地上に向かった。
翌日からリリスは魔法学院での学校生活に戻った。だがサラはまだ入院中で学生寮に戻ってこない。封印が解かれた際の影響で魔力の回路に支障があるようで、リハビリをしていると言う。担任のロイド先生の話では復学までにまだ1週間ほど時間が掛かるそうだ。
その間、毎日のように夜になるとフィリップ王子の使い魔がやってくる。初日は若干ウザいと感じたリリスだが、サラが居ないので寂しさを紛らわすには良い相手かも知れない。そう思って話をしているうちに何となく打ち解けてきたようにも感じていた。
取り留めも無い話が大半だが、さすがにドルキア王国の王都の神殿での儀式の前日になると、そのための準備で忙しそうだった。
「リリス。明日の式典には君も参加してもらう。これはユリアからの要請でもあったからね。」
「でもドルキアの王都ですよ。私が行って良いのですか?」
「魔法学院には明日休学の連絡をしておくよ。妹も参加する為に学院を休むからね。」
これって学院側は不審に思わないのかしら?
そう思いつつもリリスは明日の身支度を考えていた。
「私はドレスアップして参加するんですか?」
リリスの話を聞いて王子の使い魔の小人はぷっと吹き出した。
「それは出来ないよ。他国の貴族の娘だからねえ。」
「君には神官の衣装で参加してもらう事にしている。儀式を後方で見ていてくれれば良い。」
それなら良いわ。
フィリップ王子の配慮に感謝して、リリスは明日の身支度を始めた。
リリスとフィリップ王子は数名の警護兵と共に、リースの地下神殿を訪れた。この地下神殿が最近ダンジョン化していると言う噂が立ち、軍と冒険者ギルドが中心になって調査し始めていると言う。
だがまだダンジョンと呼ぶには早いようで、地下1階では2体のゴブリン、地下2階では2体のスケルトン、地下3階では2体のレイスが出てきただけだった。そして地下4階。ドルキア帝国に建てられた神殿としてはここが最下層になるのだが、魔物は全く出てこなかった。
「拍子抜けだねえ。まだ開店準備中かい?」
フィリップ王子も少しつまらなさそうだ。
「さて、リリス。水の亜神との接点があるのなら、呼び出してみてくれ。」
フィリップ王子の言葉にうなづいて、リリスは立ち止まり、大きく叫んだ。
「ユリア~! 居るのならこっちに出て来てくれないかなあ! お願いがあるのよ~」
リリスの様子を見て王子は目が点になっていた。
「呼び出すと言っても友人を呼び出すような口調だね。何か儀式でもして呼び出すのかと思っていたよ。」
王子は呆れてしまったようだ。だが程なくリリスの前に淡いブルーの光が現われ、人の形になってこちらに近付いてきた。ユリアだ。
「どうしたのよ、リリス。会いに来てくれるのは嫌じゃないけどね。」
相変わらず掴みどころのないユリアだ。
これがユリアですとフィリップ王子に紹介しようとして、リリスは自分の周囲の異変に気が付いた。
王子や兵士が動かない。否、動けないのか?
目や口は動けそうだが身体はその場で硬直したままだ。しかも王子の周囲にあったロイヤルガードの気配も消えている。
「心配しなくても良いわよ。チョロチョロと動けなくしているだけだからね。話は出来るわよ。」
そう言いながらユリアはフィリップ王子に近付いた。王子の顔に緊張が走る。
「どこかで見たような顔だわね。」
王子の顔をまじまじと見つめるユリアに、王子は改めて尋ねた。
「あなたは水を司る亜神なのですか?」
「私の本体はアクア=エル=リヴァイタル。私はその本体のほんの一部よ。かけらと言うか髪の毛のような存在ね。」
髪の毛は謙遜だろうと思いつつ、ここでリリスは疑問に思っていた事を口にした。
「ユリア。あなた、もしかしてギースのダンジョンからダンジョンコアを奪い取ってきたの?」
「あらっ。あそこってギースって言う街だっけ? 20階層しかないダンジョンがあったから、ここなら良いかなって思って・・・・・」
やはりこいつの仕業だ。
「お陰で騒動が起きているのよね。」
「それって私に苦情を言いに来たの?」
ユリアの表情が少し曇った。ここで機嫌を損ねるのは拙い。リリスは首を横に振って、
「違うわよ。その件とは別。近隣のダンジョンでこれを手に入れたんだけど・・・」
そう言いながらリリスは懐から淡いブルーの宝玉を取り出して、ユリアの目の前に差し出した。
その途端にユリアの顔のこわばりが緩んだ。
「あらっ! 懐かしいわね。これって私が創った宝玉じゃないの。」
あれれ、そうなんだ。
「ユリアが創ったものなの?」
「そうよ。私は時たま起きて世界を巡回する時があるのよ。これは1000年近く前に創ったものだわ。私に色々と要求する生意気な青年がいて、そいつに試練を与えたの。でも無事にクリアしたので褒美に創ってあげたのよ。喜んでいたわ、その子。そう言えば・・・」
そう言いながらユリアはフィリップ王子の顔を再びじっと見つめた。
「そうだわ。あんたってあの青年に似ているのよね。名前は・・・・・。そうだ! ウルバヌス。ウルバヌス=グリージアと名乗っていたわね。」
ユリアの言葉に王子は驚きの表情で口を開いた。
「ウルバヌス大帝はドルキア帝国の始祖の名です。」
ユリアの目が懐かしそうにしているように感じられる。
「それであの子の面影があるのね。」
ユリアがリリスから宝玉を手に取ってじっと見つめた。
「長年放置していたから私の魔力が枯渇しているわ。これを元通りにして欲しくてここに来たのね。」
ユリアの言葉にリリスはうんうんと強くうなづいた。
「そうなのよ。水の亜神の息吹を吹き入れて欲しいのよ。」
「息吹ね。そう言う設定と表現をしていたけど、要するに私の魔力を少し注ぐだけなのよね。」
多少自虐気味に話すユリアだ。
「良いわよ。でも無条件では駄目。」
「ではどうすれば?」
王子の言葉にユリアはニヤッと笑った。
「私が演出をしてあげるわ。大体あんた達ってそう言う儀式めいたものが好きだからね。」
「私の本体を祀っている神殿はあるの?」
「王都にあります。」
「それならそこでやるわよ。この宝玉を置いた台座を3人の神官が囲んで祈りを捧げなさい。そうすれば私が本体の姿で現れて宝玉に魔力を注いであげる。日時は・・・3日後の正午ね。国王や王族や諸侯を集めなさい。リリス、あんたも来るのよ。」
私も行くの?
他国の神殿なんだけど・・・。
リリスの疑問を気にしつつ、王子はユリアに確認した。
「3日後ですか? 準備の為の時間がありませんね。」
「突然啓示が降りたとでも言えば良いのよ。」
ユリアはそう言うとくるりと向きを変え、リリスに近付いた。
「リリス。この地下神殿の周囲にお店を出す土地を確保しておきなさい。本格的にダンジョン化したら人が集まってきて繁盛するわよ。」
そんな事、この場で言う事じゃないでしょ。それにダンジョン化が進んでいないようだけど・・・。
疑問に満ちたリリスの表情を読み取って、ユリアは説明を始めた。
「今はまだダンジョンコアのテイムが充分に進んでいないのよ。沢山魔物を造りたいんだけど、まだ充分に言う事を聞いてくれなくてね。あと少し時間が掛かりそう。」
「えっ! ダンジョンコアってテイム出来るものなの?」
「力づくで隷属させるのも芸が無いので、徐々に時間を掛けてテイムしているのよ。まあ、私の意のままに動くようになるのも時間の問題だわ。」
唖然とするリリスに背を向けてユリアは手を振り、神殿の奥に向かって行った。じゃあまたねと言う言葉を残して。
ユリアが消えてしまった直後に王子や兵士達も身体の拘束が解けて、自由に動けるようになった。
「まるで夢を見ていたようだ。」
王子はそう言いながら兵士達に指示を出し、リリスと共に神殿から地上に向かった。
翌日からリリスは魔法学院での学校生活に戻った。だがサラはまだ入院中で学生寮に戻ってこない。封印が解かれた際の影響で魔力の回路に支障があるようで、リハビリをしていると言う。担任のロイド先生の話では復学までにまだ1週間ほど時間が掛かるそうだ。
その間、毎日のように夜になるとフィリップ王子の使い魔がやってくる。初日は若干ウザいと感じたリリスだが、サラが居ないので寂しさを紛らわすには良い相手かも知れない。そう思って話をしているうちに何となく打ち解けてきたようにも感じていた。
取り留めも無い話が大半だが、さすがにドルキア王国の王都の神殿での儀式の前日になると、そのための準備で忙しそうだった。
「リリス。明日の式典には君も参加してもらう。これはユリアからの要請でもあったからね。」
「でもドルキアの王都ですよ。私が行って良いのですか?」
「魔法学院には明日休学の連絡をしておくよ。妹も参加する為に学院を休むからね。」
これって学院側は不審に思わないのかしら?
そう思いつつもリリスは明日の身支度を考えていた。
「私はドレスアップして参加するんですか?」
リリスの話を聞いて王子の使い魔の小人はぷっと吹き出した。
「それは出来ないよ。他国の貴族の娘だからねえ。」
「君には神官の衣装で参加してもらう事にしている。儀式を後方で見ていてくれれば良い。」
それなら良いわ。
フィリップ王子の配慮に感謝して、リリスは明日の身支度を始めた。
40
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説


転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる