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保養地での出来事2
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ダンジョンを中心に発展した都市ドメル。
多くの冒険者が各地から集まってくる活気ある都市だ。貧しい小国のレダの中で、この都市は異彩を放っている。冒険者達の衣食住をサポートする多くの店舗が立ち並び、その周りには武器や防具、魔道具やポーション類等の専門店が軒を連ねる。そこに住むのは獣人だけではない。人族やドワーフやエルフも住み、それぞれの得意分野で商売を営んでいる。
そうなると当然周辺の都市や国との交易も盛んになり、商人達が慌ただしく荷馬車を行き来させているので、物資が滞る事も一切無い。
常に食材や商材が溢れていて、都市全体に行き渡っている。
その根幹にあるのは大きなダンジョンだ。
すでに50階層まで攻略されているが更に深層部分が続いている。そのダンジョンから運び出される魔物の換金対象部位や薬草、鉱物や宝玉、更にドロップアイテムや宝物で、都市全体が潤っているのだ。
それ故に街中で人々の喧騒が途絶える事が無い。街を歩く冒険者達の会話、武器や防具のガチャガチャと鳴り響く音、飲食店や雑貨店の呼び込みの声、時たま響き渡る喧嘩の罵声、その雰囲気を楽しむように歩く観光客達の歓声、街中を歩く人々の間を走り回る子供達の嬌声。
それらすべてがこの都市の姿を物語っている。
乾燥した気候の故に石畳の街路は埃っぽい。風は若干熱気を帯びていて街中の様々な匂いを運んでくる。飲食店の使っている様々なスパイスの混在した匂いが昼夜を問わず漂ってくるのもこの都市の特徴だ。
その埃っぽい石畳の街路をフィリップ王子とリリスは並んで歩いていた。
魔道具で偽装したその姿は狼の特徴を持つ獣人と白猫のような可愛らしい獣人のカップルである。獣人の冒険者が良く使うレザーアーマーとガントレットを着用し、頑丈そうなブーツを履いて歩く姿は、どこまでもこのダンジョンの街にふさわしい。
「リリス。ここでは僕の事を兄さんと呼ぶんだよ。」
「兄さんって・・・。狼と猫が兄妹になるんですか? 種類が別だと思うんですけど・・・」
「そんな細かい事を気に掛ける人などこの都市には居ないよ。」
そう言いながらアハハと笑う王子に呆れた眼差しを向けるリリスである。勿論完全に二人っきりではない。王子の周りをロイヤルガードが警護している気配は感じられる。
街路を行き交う人の数も多い。
歩きながらすれ違う人と肩がぶつかりそうになるリリスを案じて、フィリップ王子がおもむろにリリスの手を握った。
あっ!
手を握られちゃった。
思わず恥じらうリリスに王子は優しく微笑みかけた。
「迷子になりそうだから、このまま歩こうね。」
他意は無さそうだけど、指まで絡めて握るのはどうなのかしら?
まるで恋人繋ぎだわ。
それでも感謝しつつリリスは歩いた。
実際に迷子になりそうなほどに混雑しているからだ。
「それにしても人が多いね。いつもより5割増しだと思うよ。街主催のイベントでもあったのかな?」
そう言うと王子はリリスの手を引き、街路に面した一軒の飲食店に案内した。それほどに大きな店ではないが店内のテーブルはほとんどが客で埋まっている。その端の方でたまたま空いていたテーブルに辿り着き、リリスを座らせると王子はそのままカウンターに出向き、オーダーを店員に告げた。
本来は王族のする事じゃないわよね。
お忍びの偽装姿とは言いながら、フィリップ王子の配慮を申し訳なく思うリリスである。
「・・・兄さん、ありがとう。」
少し躊躇いながら発したリリスの言葉に王子はニヤッと笑った。
「この店には良く来るんだよ。サンドイッチが評判の店なんだ。」
王子の言葉が終わると同時のタイミングで、獣人の店員がトレーに乗せて王子のオーダーした物を運んできた。
「動きが素早いわねえ。身体強化でもしているのかしら?」
「それは無いと思うぞ。」
王子に突っ込まれててへっと舌を出したリリスだが、テーブルに置かれたサンドイッチとドリンクのセットに目が釘付けになった。
サンドイッチと言いながら、何処からどう見てもハンバーガーだ。
バンズ状のパンにたれを絡めた肉が葉物野菜と共に挟まれている。肉の上にはチーズらしきものが乗せられ、更にピクルスのような木の実の加工品まで入っている。
ドリンクはリリスも良く知っているラモの果汁を薄めたレモン風味の物だが、コップの内部には炭酸の泡が見えているのが驚きだ。
この世界に炭酸ドリンクってあったの?
驚くリリスの表情を王子は楽しんでいる様子だ。
「そのドリンクは見た事が無いと思うよ。このドメルの都市の外れで地下から湧き出ている水には泡が入っているんだ。少し喉に刺激があるけどすっきりするから飲んでごらん。」
要するに天然の炭酸泉の事なのね。
コップを掴み一口飲むと、口の中に炭酸の泡が広がる。ラモの果汁が少なめになっていて甘みを加えてあるので飲み口が良い。
これってレモン風味のサイダーじゃないの。
その世界に来てサイダーを飲むなんて思ってもみなかったわ。
そのままハンバーガー風のサンドイッチにかじり付くと、口の中に複雑な味と香りが広がった。甘めにたれが絡んだ肉はダンジョンの魔物の肉なのだろう。癖が無く旨味が凝縮されていて味わいがある。野菜やチーズと絡み合って、実に懐かしくなる味だ。
リリスの満足げな食べっぷりを見て、王子も満足げに自分のサンドイッチを食べ始めた。
時間的には遅い朝食と言ったところだが、店内にはひっきりなしに客が訪れる。街路を歩く人の数も増々増えてきている様子だ。
「それにしても人が多いね。」
そう言いながら王子は隣のテーブルに座っていた初老の夫婦に話し掛けた。
「何時になく人が多いようですが、何かイベントでもあるのですか?」
話し掛けられた温厚そうな獣人の男性がチラッと街路を眺めて口を開いた。
「最近は毎日こんな様子だよ。ギースの街から冒険者や観光客や商人達が流れてきているのだろうね。」
ギースは獣人の国レダの南の端にある都市で、このドメルと同じようにダンジョンを中心に発展した街だ。20階層ほどのダンジョンではあるが、その難易度は高く、ドロップアイテムも秀逸で、練度の高い上級の冒険者からの評価も高い。だがその難易度の故に強烈な魔物の犠牲になる者も後を絶たない。
それこそがギースの知名度を上げている要因である。
「ギースからですか? どうして・・・」
首を傾げる王子に獣人の男性が狼の耳をぴくっと動かした。
「おやっ? その様子だと知らないようだね。ギースのダンジョンがなくなっちゃったんだよ。」
ええっと驚いて王子は手にしていたドリンクを置き、おもむろに聞き返した。
「なくなったってどう言う事ですか?」
「半月ほど前、ギースのダンジョンが突然、単なる洞窟になったんだ。魔物が一切出てこなくなったんだよ。」
獣人の男性の言葉を補足するように、その夫人が話に加わってきた。
「一部の冒険者が言っていたわ。まるでダンジョンコアが何処かに行っちゃったみたいだって・・・」
その言葉を聞いてリリスは飲んでいたドリンクを吹き出しそうになってしまった。慌てて口に手をあて惨事を免れたが、その脳裏には獣人の夫人の言葉が強く響いていた。
ダンジョンコアが何処かへ行った・・・。
まさかあの亜神のかけらの仕業じゃないでしょうね。
水を司る亜神のかけら、ユリア。
リースの地下神殿をダンジョンにすると言っていたわね。
ダンジョンコアはどうするのかと聞いた時に、そんなものはどこかから持ってくるわよと言っていたユリアの言葉が、リリスの鮮明に脳裏に蘇ってきた。
まさか・・・。
慌てふためき、更に考え込むリリスの様子を見て、フィリップ王子も眉をひそめた。
「リリス。まさかと思うがこの件で何か知っている事があるのか?」
「あっ! いえ、別に何も・・・」
誤魔化したものの明らかに怪しまれている。フィリップ王子からの懐疑の眼差しが痛い。
何か言い訳をしようと考えていると、突然街路から大声が響き渡ってきた。
人を押しのけて担架に乗せられた血まみれの冒険者が幾人も運ばれていく。苦しそうな呻き声がその緊急度を実感させている。
その喧騒が過ぎ去ったと思っているうちに、再び大声で人を押しのけ担架が幾つも運ばれていく。
一体どれだけの怪我人が出ているのだろうか。
勿論ダンジョンでの怪我など自己責任だ。だがそれにしても重篤な怪我人が多すぎる。すでに10人以上が運ばれたようだ。
突然の出来事に王子もリリスも椅子から立ち上がり、不安な表情で街路の様子を見つめていた。
多くの冒険者が各地から集まってくる活気ある都市だ。貧しい小国のレダの中で、この都市は異彩を放っている。冒険者達の衣食住をサポートする多くの店舗が立ち並び、その周りには武器や防具、魔道具やポーション類等の専門店が軒を連ねる。そこに住むのは獣人だけではない。人族やドワーフやエルフも住み、それぞれの得意分野で商売を営んでいる。
そうなると当然周辺の都市や国との交易も盛んになり、商人達が慌ただしく荷馬車を行き来させているので、物資が滞る事も一切無い。
常に食材や商材が溢れていて、都市全体に行き渡っている。
その根幹にあるのは大きなダンジョンだ。
すでに50階層まで攻略されているが更に深層部分が続いている。そのダンジョンから運び出される魔物の換金対象部位や薬草、鉱物や宝玉、更にドロップアイテムや宝物で、都市全体が潤っているのだ。
それ故に街中で人々の喧騒が途絶える事が無い。街を歩く冒険者達の会話、武器や防具のガチャガチャと鳴り響く音、飲食店や雑貨店の呼び込みの声、時たま響き渡る喧嘩の罵声、その雰囲気を楽しむように歩く観光客達の歓声、街中を歩く人々の間を走り回る子供達の嬌声。
それらすべてがこの都市の姿を物語っている。
乾燥した気候の故に石畳の街路は埃っぽい。風は若干熱気を帯びていて街中の様々な匂いを運んでくる。飲食店の使っている様々なスパイスの混在した匂いが昼夜を問わず漂ってくるのもこの都市の特徴だ。
その埃っぽい石畳の街路をフィリップ王子とリリスは並んで歩いていた。
魔道具で偽装したその姿は狼の特徴を持つ獣人と白猫のような可愛らしい獣人のカップルである。獣人の冒険者が良く使うレザーアーマーとガントレットを着用し、頑丈そうなブーツを履いて歩く姿は、どこまでもこのダンジョンの街にふさわしい。
「リリス。ここでは僕の事を兄さんと呼ぶんだよ。」
「兄さんって・・・。狼と猫が兄妹になるんですか? 種類が別だと思うんですけど・・・」
「そんな細かい事を気に掛ける人などこの都市には居ないよ。」
そう言いながらアハハと笑う王子に呆れた眼差しを向けるリリスである。勿論完全に二人っきりではない。王子の周りをロイヤルガードが警護している気配は感じられる。
街路を行き交う人の数も多い。
歩きながらすれ違う人と肩がぶつかりそうになるリリスを案じて、フィリップ王子がおもむろにリリスの手を握った。
あっ!
手を握られちゃった。
思わず恥じらうリリスに王子は優しく微笑みかけた。
「迷子になりそうだから、このまま歩こうね。」
他意は無さそうだけど、指まで絡めて握るのはどうなのかしら?
まるで恋人繋ぎだわ。
それでも感謝しつつリリスは歩いた。
実際に迷子になりそうなほどに混雑しているからだ。
「それにしても人が多いね。いつもより5割増しだと思うよ。街主催のイベントでもあったのかな?」
そう言うと王子はリリスの手を引き、街路に面した一軒の飲食店に案内した。それほどに大きな店ではないが店内のテーブルはほとんどが客で埋まっている。その端の方でたまたま空いていたテーブルに辿り着き、リリスを座らせると王子はそのままカウンターに出向き、オーダーを店員に告げた。
本来は王族のする事じゃないわよね。
お忍びの偽装姿とは言いながら、フィリップ王子の配慮を申し訳なく思うリリスである。
「・・・兄さん、ありがとう。」
少し躊躇いながら発したリリスの言葉に王子はニヤッと笑った。
「この店には良く来るんだよ。サンドイッチが評判の店なんだ。」
王子の言葉が終わると同時のタイミングで、獣人の店員がトレーに乗せて王子のオーダーした物を運んできた。
「動きが素早いわねえ。身体強化でもしているのかしら?」
「それは無いと思うぞ。」
王子に突っ込まれててへっと舌を出したリリスだが、テーブルに置かれたサンドイッチとドリンクのセットに目が釘付けになった。
サンドイッチと言いながら、何処からどう見てもハンバーガーだ。
バンズ状のパンにたれを絡めた肉が葉物野菜と共に挟まれている。肉の上にはチーズらしきものが乗せられ、更にピクルスのような木の実の加工品まで入っている。
ドリンクはリリスも良く知っているラモの果汁を薄めたレモン風味の物だが、コップの内部には炭酸の泡が見えているのが驚きだ。
この世界に炭酸ドリンクってあったの?
驚くリリスの表情を王子は楽しんでいる様子だ。
「そのドリンクは見た事が無いと思うよ。このドメルの都市の外れで地下から湧き出ている水には泡が入っているんだ。少し喉に刺激があるけどすっきりするから飲んでごらん。」
要するに天然の炭酸泉の事なのね。
コップを掴み一口飲むと、口の中に炭酸の泡が広がる。ラモの果汁が少なめになっていて甘みを加えてあるので飲み口が良い。
これってレモン風味のサイダーじゃないの。
その世界に来てサイダーを飲むなんて思ってもみなかったわ。
そのままハンバーガー風のサンドイッチにかじり付くと、口の中に複雑な味と香りが広がった。甘めにたれが絡んだ肉はダンジョンの魔物の肉なのだろう。癖が無く旨味が凝縮されていて味わいがある。野菜やチーズと絡み合って、実に懐かしくなる味だ。
リリスの満足げな食べっぷりを見て、王子も満足げに自分のサンドイッチを食べ始めた。
時間的には遅い朝食と言ったところだが、店内にはひっきりなしに客が訪れる。街路を歩く人の数も増々増えてきている様子だ。
「それにしても人が多いね。」
そう言いながら王子は隣のテーブルに座っていた初老の夫婦に話し掛けた。
「何時になく人が多いようですが、何かイベントでもあるのですか?」
話し掛けられた温厚そうな獣人の男性がチラッと街路を眺めて口を開いた。
「最近は毎日こんな様子だよ。ギースの街から冒険者や観光客や商人達が流れてきているのだろうね。」
ギースは獣人の国レダの南の端にある都市で、このドメルと同じようにダンジョンを中心に発展した街だ。20階層ほどのダンジョンではあるが、その難易度は高く、ドロップアイテムも秀逸で、練度の高い上級の冒険者からの評価も高い。だがその難易度の故に強烈な魔物の犠牲になる者も後を絶たない。
それこそがギースの知名度を上げている要因である。
「ギースからですか? どうして・・・」
首を傾げる王子に獣人の男性が狼の耳をぴくっと動かした。
「おやっ? その様子だと知らないようだね。ギースのダンジョンがなくなっちゃったんだよ。」
ええっと驚いて王子は手にしていたドリンクを置き、おもむろに聞き返した。
「なくなったってどう言う事ですか?」
「半月ほど前、ギースのダンジョンが突然、単なる洞窟になったんだ。魔物が一切出てこなくなったんだよ。」
獣人の男性の言葉を補足するように、その夫人が話に加わってきた。
「一部の冒険者が言っていたわ。まるでダンジョンコアが何処かに行っちゃったみたいだって・・・」
その言葉を聞いてリリスは飲んでいたドリンクを吹き出しそうになってしまった。慌てて口に手をあて惨事を免れたが、その脳裏には獣人の夫人の言葉が強く響いていた。
ダンジョンコアが何処かへ行った・・・。
まさかあの亜神のかけらの仕業じゃないでしょうね。
水を司る亜神のかけら、ユリア。
リースの地下神殿をダンジョンにすると言っていたわね。
ダンジョンコアはどうするのかと聞いた時に、そんなものはどこかから持ってくるわよと言っていたユリアの言葉が、リリスの鮮明に脳裏に蘇ってきた。
まさか・・・。
慌てふためき、更に考え込むリリスの様子を見て、フィリップ王子も眉をひそめた。
「リリス。まさかと思うがこの件で何か知っている事があるのか?」
「あっ! いえ、別に何も・・・」
誤魔化したものの明らかに怪しまれている。フィリップ王子からの懐疑の眼差しが痛い。
何か言い訳をしようと考えていると、突然街路から大声が響き渡ってきた。
人を押しのけて担架に乗せられた血まみれの冒険者が幾人も運ばれていく。苦しそうな呻き声がその緊急度を実感させている。
その喧騒が過ぎ去ったと思っているうちに、再び大声で人を押しのけ担架が幾つも運ばれていく。
一体どれだけの怪我人が出ているのだろうか。
勿論ダンジョンでの怪我など自己責任だ。だがそれにしても重篤な怪我人が多すぎる。すでに10人以上が運ばれたようだ。
突然の出来事に王子もリリスも椅子から立ち上がり、不安な表情で街路の様子を見つめていた。
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