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保養地での出来事1
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魔法学院の休日を迎えて、リリスは学生寮の最上階からマリアナ王女と共にドルキアの保養地に転移した。同室のサラはまだ入院中なので特に説明したり、気遣う必要はない。サラの退院にはまだ数日掛かるようだ。2泊3日の予定なので、それほどに持ち物は無い。むしろ何も持たなくても行き先の保養所にはあらゆる日用品や衣装などもあると聞き、リリスは思わず納得してしまった。
それはそうよね。
王族用の保養所なんだから、不便を感じるような事はあるはずが無いわよね。
当然の事ながら身の回りの世話をするメイドや執事も居るだろう。ホテルに常備されているアメニティグッズも高価な物が揃っている筈だ。
リリスの思いの通り、転移して目にした保養地の屋敷は豪華な内装の造りだった。エントランスホールの豪華なシャンデリアに目を奪われ、屋敷の至る所に置かれている豪華な調度品に感心するばかりだった。
何気なく高価な物が置かれているのは流石ね。
一応地方貴族の娘としての立場もあり、それなりに高価な物には触れてきたリリスではあったが、この場にある物はすべてそのクオリティにおいてはるかに高いレベルの物だと感じた。家具の一つ一つに施された丁寧な彫り物も見事で、その木材そのものも希少で高級なものばかりだ。
ドルキア王国って財政が豊かなの?
そう思ったリリスの表情を興味深そうに読み取って、迎えに出てきたフィリップ王子が説明を始めた。
「レダとの国境付近に金鉱山が幾つもあるんだよ。そのお陰で我が国は財政的にはかなり潤っている。その幾つかの金鉱山のうちの一つをレダに譲渡した見返りで、この保有地が王領となったんだ。」
白のジャケットに白のスラックス姿で出迎えてくれたフィリップ王子は、寛いだ表情でリリスに笑顔を向けた。
若干チャラいけど、それほどに癖のある人じゃなさそうね。
リリスの王子に対する評価も若干変わりつつあるようだ。
リビングホールの大きなソファに座り、メイドが運んできた紅茶で一息入れると、マリアナ王女が保養地でのスケジュールを説明し始めた。
「リリスさん。今日は私と湖のクルージングに行くのよ。良いわね?」
良いわねと聞かれても嫌だなんて言う筈も無い。只々うんうんとうなづくだけのリリスである。
「それで明日は兄上が良い所に案内してくれるそうよ。」
ビスクドールのような艶やかな肌を煌めかせて、マリアナ王女は上品にほほ笑んだ。どこまでも絵になる王女の姿である。
「その件だが、リリスはドメルと言う都市を知っているかい?」
初めて聞く地名にリリスは首を横に振った。
「この保養地の西側にあるレダの地方都市だが、ダンジョンを中心に栄えた都市で、歩くだけでも楽しい街だよ。そこを案内してあげるからね。」
これってデートのお誘いかしら?
「でもお忍びで獣人の国に行くんですか?」
「そこは心配ないよ。偽装していくからね。」
偽装ですって?
リリスの疑問に満ちた表情を見て、フィリップ王子はニヤッと笑った。
その胸元から小さな魔道具を取り出して、その場で魔力を注ぎ込むと、黒い闇に王子の身体全体が包み込まれてしまった。その数秒後、闇が晴れるとそこには王子の衣装を纏った獣人が立っていた。
表情はフィリップ王子のままだがその肌は褐色で毛深く、頭には狼の耳がツンと立っている。ふさふさした尻尾がスラックスの後部からはみ出していた。
「どうだい? どこから見ても獣人だろ? 見た目だけじゃなく、魔力の波動まで偽装しているんだ。」
手が込んでいるわねえ。
クンクンと鼻を嗅ぐと、獣人特有の体臭まで感じられた。
「この姿は魔道具にセッティングされているんだ。君も明日は魔道具を使って獣人に偽装するからね。」
「ええっ! 私もですか?」
「そうだよ。その方が自然だからね。それにレダにミラ王国の貴族の娘が単独で密入国しているのも不自然だよ。」
それはそうなんだけど・・・。
戸惑うリリスにフィリップ王子は魔道具を手渡した。
「君の偽装はすでにセッティング済みなんだよ。気に入ってもらえると思うんだ。とりあえずその魔道具に魔力を流してごらん。」
言われるままにリリスは手渡された小さな魔道具に魔力を注ぎ込んだ。その途端に目の前が闇に包まれて見えなくなってしまった。それと同時に身体中をあれこれと弄り回されているような感覚がある。少し気味の悪い感覚だ。
数秒で闇は消え去った。それと同時にフィリップ王子とマリアナ王女が、おおっと声を上げた。
「可愛い!」
マリアナ王女の言葉に実感の湧かないリリスだが、フィリップ王子はメイドに指示をして大きな姿見を持ってこさせた。台車の付いた大きな縦長の鏡に全身を映すと、そこには猫耳と尻尾の生えたリリスの姿が目に入った。
・・・白猫だ。
自分で言うのも少し躊躇ってしまうが、確かに可愛い。
元の世界のコスプレでもここまでのクオリティは表現出来ないだろう。
尻尾もふさふさしていて触れば確かな触感がある。単なる造り物でない事は明らかだ。猫耳も耳の周りの筋肉を意識すればピクピクと動かす事も出来る。
「兄上。この偽装って相当思い入れがありますねえ。」
「そうだろう? リリスの魅力を充分に引き出したつもりだよ。」
王女の言葉に自慢げに答えるフィリップ王子である。
そんな兄妹のやり取りについ気恥しくなってしまうリリスだが、この姿で獣人の国の街を歩くのも楽しいかも知れない。そう思うとつい笑みがこぼれてしまう。姿見の前で色々とポーズをとるリリスを王子も微笑ましく見つめていた。
その後のマリアナ王女とのクルージングはとても楽しいものだった。爽やかな風に吹かれて湖上を走る船の上で、リリスは全ての疲れが吹き飛んでしまったように感じた。
夜になって和やかなディナーを頂き、用意されたゲストルームに入ると、リリスはほっと溜息をついた。楽しかったが中身の濃い一日だ。
他国の王族と行動を共にすると考えただけでもストレスが溜まる。それを凌駕するほどに楽しい一日ではあったのだが。
冷静に考えると、自分が無謀な事をしているようにも思える。
でも王族の誘いを断るのも無礼よね。
そう思ってこのまま流れに身を任せる事にしたリリスは、明日のドメルでの散策を楽しみにしてベッドに入った。
慣れない土地での疲れもあり、吸い込まれるように眠りに就いたリリスだが、暫くして何かがざわめくような感覚を感じて目が覚めてしまった。
このざわめきは解析スキルの仕業ね。
『起こしてしまったようですね。』
それでどうしたの?
『探知魔法の波動の嵐ですよ。あらゆる方向から多数の探知を受けています。すでに探知や鑑定と言うレベルではありませんね。軽度の精神攻撃に近いレベルです。』
探知って私に向けて?
『そうです。煩わしいので全て跳ね除けていますが、それでも懲りずに波長を変え、スキルのレベルを上げてまで繰り返していますよ。』
ここでは私ってそんなに怪しい存在なの?
あんたが探知を全て跳ね返すから、逆に怪しく思われているんじゃないの?
支障のない程度に見せてあげれば気が済むと思うけどね。
『ここまで来たら意地ですよ。』
いやいや。
そんなところで意地を張らなくても良いから。
『この様子だと、朝までこの攻防戦が続くでしょうね。なにせ相手はダークエルフですから。』
ええっ!
ダークエルフってどうして?
彼等は他種族にはかかわりを持たない筈だけど・・・。
『ご存知では無かったようですね。この国のロイヤルガードは全てダークエルフですよ。ダークエルフの中でも彼等は人族に友好的な部族です。所謂傭兵ですね。』
そうなんだ。
知らなかったわ。
それであのもやっとした人族とは思えない気配を見せていたのね。
動きも人間離れして機敏だったし・・・。
『念のため魔装を発動させてください。それで精神攻撃にも耐性を発揮出来ますからね。』
精神攻撃を受ける可能性があるの?
『それはあくまでも保険です。安眠が最大の目的ですから。』
それにしても私って全方位的に怪しまれるような事をしたのかしら?
『王族の傍に近付く者を警戒するのは彼等の本業ですよ。気にする事はありません。ですが彼等が執拗に気に掛ける事と言えば・・・』
うんうん。それで何?
『先日の地下神殿で襲ってきた法衣の男に放った神経毒かも知れませんね。』
あっ!
そう言えばマリアナ王女が解毒が困難だったとか、未知の毒じゃないかって騒がれていたとか言っていたわね。
・・・それって結局毒が原因なのね。
やはり毒関連のスキルって騒動の火種だわ。
『毒を持つ事が悪い事ではありません!』
あらまあ。
きっぱりと言うのね。
『あの程度の毒を即座に解毒できない未熟さを恥じるべきです。』
どうしてそんなに毒に関して拘るのかしらね。
まあ良いわ。
眠くなってきたから後は任せるわね。
『了解です。安心してお休みください。』
リリスは解析スキルに勧められたとおり、魔装を非表示で発動させた。その途端にそれまで感じていたざわめきも消え、穏やかな心で再び眠りに就いた。
それはそうよね。
王族用の保養所なんだから、不便を感じるような事はあるはずが無いわよね。
当然の事ながら身の回りの世話をするメイドや執事も居るだろう。ホテルに常備されているアメニティグッズも高価な物が揃っている筈だ。
リリスの思いの通り、転移して目にした保養地の屋敷は豪華な内装の造りだった。エントランスホールの豪華なシャンデリアに目を奪われ、屋敷の至る所に置かれている豪華な調度品に感心するばかりだった。
何気なく高価な物が置かれているのは流石ね。
一応地方貴族の娘としての立場もあり、それなりに高価な物には触れてきたリリスではあったが、この場にある物はすべてそのクオリティにおいてはるかに高いレベルの物だと感じた。家具の一つ一つに施された丁寧な彫り物も見事で、その木材そのものも希少で高級なものばかりだ。
ドルキア王国って財政が豊かなの?
そう思ったリリスの表情を興味深そうに読み取って、迎えに出てきたフィリップ王子が説明を始めた。
「レダとの国境付近に金鉱山が幾つもあるんだよ。そのお陰で我が国は財政的にはかなり潤っている。その幾つかの金鉱山のうちの一つをレダに譲渡した見返りで、この保有地が王領となったんだ。」
白のジャケットに白のスラックス姿で出迎えてくれたフィリップ王子は、寛いだ表情でリリスに笑顔を向けた。
若干チャラいけど、それほどに癖のある人じゃなさそうね。
リリスの王子に対する評価も若干変わりつつあるようだ。
リビングホールの大きなソファに座り、メイドが運んできた紅茶で一息入れると、マリアナ王女が保養地でのスケジュールを説明し始めた。
「リリスさん。今日は私と湖のクルージングに行くのよ。良いわね?」
良いわねと聞かれても嫌だなんて言う筈も無い。只々うんうんとうなづくだけのリリスである。
「それで明日は兄上が良い所に案内してくれるそうよ。」
ビスクドールのような艶やかな肌を煌めかせて、マリアナ王女は上品にほほ笑んだ。どこまでも絵になる王女の姿である。
「その件だが、リリスはドメルと言う都市を知っているかい?」
初めて聞く地名にリリスは首を横に振った。
「この保養地の西側にあるレダの地方都市だが、ダンジョンを中心に栄えた都市で、歩くだけでも楽しい街だよ。そこを案内してあげるからね。」
これってデートのお誘いかしら?
「でもお忍びで獣人の国に行くんですか?」
「そこは心配ないよ。偽装していくからね。」
偽装ですって?
リリスの疑問に満ちた表情を見て、フィリップ王子はニヤッと笑った。
その胸元から小さな魔道具を取り出して、その場で魔力を注ぎ込むと、黒い闇に王子の身体全体が包み込まれてしまった。その数秒後、闇が晴れるとそこには王子の衣装を纏った獣人が立っていた。
表情はフィリップ王子のままだがその肌は褐色で毛深く、頭には狼の耳がツンと立っている。ふさふさした尻尾がスラックスの後部からはみ出していた。
「どうだい? どこから見ても獣人だろ? 見た目だけじゃなく、魔力の波動まで偽装しているんだ。」
手が込んでいるわねえ。
クンクンと鼻を嗅ぐと、獣人特有の体臭まで感じられた。
「この姿は魔道具にセッティングされているんだ。君も明日は魔道具を使って獣人に偽装するからね。」
「ええっ! 私もですか?」
「そうだよ。その方が自然だからね。それにレダにミラ王国の貴族の娘が単独で密入国しているのも不自然だよ。」
それはそうなんだけど・・・。
戸惑うリリスにフィリップ王子は魔道具を手渡した。
「君の偽装はすでにセッティング済みなんだよ。気に入ってもらえると思うんだ。とりあえずその魔道具に魔力を流してごらん。」
言われるままにリリスは手渡された小さな魔道具に魔力を注ぎ込んだ。その途端に目の前が闇に包まれて見えなくなってしまった。それと同時に身体中をあれこれと弄り回されているような感覚がある。少し気味の悪い感覚だ。
数秒で闇は消え去った。それと同時にフィリップ王子とマリアナ王女が、おおっと声を上げた。
「可愛い!」
マリアナ王女の言葉に実感の湧かないリリスだが、フィリップ王子はメイドに指示をして大きな姿見を持ってこさせた。台車の付いた大きな縦長の鏡に全身を映すと、そこには猫耳と尻尾の生えたリリスの姿が目に入った。
・・・白猫だ。
自分で言うのも少し躊躇ってしまうが、確かに可愛い。
元の世界のコスプレでもここまでのクオリティは表現出来ないだろう。
尻尾もふさふさしていて触れば確かな触感がある。単なる造り物でない事は明らかだ。猫耳も耳の周りの筋肉を意識すればピクピクと動かす事も出来る。
「兄上。この偽装って相当思い入れがありますねえ。」
「そうだろう? リリスの魅力を充分に引き出したつもりだよ。」
王女の言葉に自慢げに答えるフィリップ王子である。
そんな兄妹のやり取りについ気恥しくなってしまうリリスだが、この姿で獣人の国の街を歩くのも楽しいかも知れない。そう思うとつい笑みがこぼれてしまう。姿見の前で色々とポーズをとるリリスを王子も微笑ましく見つめていた。
その後のマリアナ王女とのクルージングはとても楽しいものだった。爽やかな風に吹かれて湖上を走る船の上で、リリスは全ての疲れが吹き飛んでしまったように感じた。
夜になって和やかなディナーを頂き、用意されたゲストルームに入ると、リリスはほっと溜息をついた。楽しかったが中身の濃い一日だ。
他国の王族と行動を共にすると考えただけでもストレスが溜まる。それを凌駕するほどに楽しい一日ではあったのだが。
冷静に考えると、自分が無謀な事をしているようにも思える。
でも王族の誘いを断るのも無礼よね。
そう思ってこのまま流れに身を任せる事にしたリリスは、明日のドメルでの散策を楽しみにしてベッドに入った。
慣れない土地での疲れもあり、吸い込まれるように眠りに就いたリリスだが、暫くして何かがざわめくような感覚を感じて目が覚めてしまった。
このざわめきは解析スキルの仕業ね。
『起こしてしまったようですね。』
それでどうしたの?
『探知魔法の波動の嵐ですよ。あらゆる方向から多数の探知を受けています。すでに探知や鑑定と言うレベルではありませんね。軽度の精神攻撃に近いレベルです。』
探知って私に向けて?
『そうです。煩わしいので全て跳ね除けていますが、それでも懲りずに波長を変え、スキルのレベルを上げてまで繰り返していますよ。』
ここでは私ってそんなに怪しい存在なの?
あんたが探知を全て跳ね返すから、逆に怪しく思われているんじゃないの?
支障のない程度に見せてあげれば気が済むと思うけどね。
『ここまで来たら意地ですよ。』
いやいや。
そんなところで意地を張らなくても良いから。
『この様子だと、朝までこの攻防戦が続くでしょうね。なにせ相手はダークエルフですから。』
ええっ!
ダークエルフってどうして?
彼等は他種族にはかかわりを持たない筈だけど・・・。
『ご存知では無かったようですね。この国のロイヤルガードは全てダークエルフですよ。ダークエルフの中でも彼等は人族に友好的な部族です。所謂傭兵ですね。』
そうなんだ。
知らなかったわ。
それであのもやっとした人族とは思えない気配を見せていたのね。
動きも人間離れして機敏だったし・・・。
『念のため魔装を発動させてください。それで精神攻撃にも耐性を発揮出来ますからね。』
精神攻撃を受ける可能性があるの?
『それはあくまでも保険です。安眠が最大の目的ですから。』
それにしても私って全方位的に怪しまれるような事をしたのかしら?
『王族の傍に近付く者を警戒するのは彼等の本業ですよ。気にする事はありません。ですが彼等が執拗に気に掛ける事と言えば・・・』
うんうん。それで何?
『先日の地下神殿で襲ってきた法衣の男に放った神経毒かも知れませんね。』
あっ!
そう言えばマリアナ王女が解毒が困難だったとか、未知の毒じゃないかって騒がれていたとか言っていたわね。
・・・それって結局毒が原因なのね。
やはり毒関連のスキルって騒動の火種だわ。
『毒を持つ事が悪い事ではありません!』
あらまあ。
きっぱりと言うのね。
『あの程度の毒を即座に解毒できない未熟さを恥じるべきです。』
どうしてそんなに毒に関して拘るのかしらね。
まあ良いわ。
眠くなってきたから後は任せるわね。
『了解です。安心してお休みください。』
リリスは解析スキルに勧められたとおり、魔装を非表示で発動させた。その途端にそれまで感じていたざわめきも消え、穏やかな心で再び眠りに就いた。
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