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ルシア12歳、今私にできる事
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しおりを挟む「お母様…!」
「ジョルジオ!?」
お母様はジョルジオのタックルを食らいよろめいているが、私は私でこの展開に目を白黒させている。
一体どういう経緯でジョルジオが実の父の家に突撃するに至ったのか…まあ、屋敷にはダリオお兄様とジョルジオ(と使用人たち)しかいなかったはずだから、お兄様が動いたのに気付いた、と考えるのが順当だろう。
本来なら、ジョルジオが出生の秘密を知るアレコレは主人公と出会ってからのはずなのだが…
とはいえ、何も知らず偶然でここにいる可能性もある。
お兄様がどこまで話しているのかがわからない以上、この地雷原のど真ん中シチュエーションで口を開くことは可能なら避けたい。
「ジョルジオ、どうして」
お母様も動揺しているが、それは当然だろう。
ジョルジオからすると実の父親とはいえ、一応は浮気相手の家に愛息子がやって来てしまったのだから。
「お母様、お姉様に何をしていたのですか」
今にも魔法を放とうとしていたのは一目瞭然だったからだろう。
困惑顔で言い募る。
「…ジョルジオ。家に帰ってから説明するわ。今は黙って帰りなさい。」
少しの沈黙の後、お母様は腹を決めたのか、ただの魔力の塊に戻ってしまった魔法を手にしたまま険しい顔でジョルジオに話しかける。
「嫌です!どうしてですか!」
「どうしても、よ。貴女は高貴な血筋なのだから、聞き分けなさい。」
「なんですか、その高貴な血筋って!!やっぱり僕はお父様の子どもじゃないって本当なのですか?」
「…そこまでわかっているなら、大人しくしていなさい。『コレ』は薄汚い血の女であって、あなたの姉なんかじゃないわ」
「そんな…お姉様だってお母様の子どもです!」
「あなたまでこの女に誑かされるのね…!コレを私の子どもだと思ったことなんて一度もないわ!消えてしまえ!!!」
お母様はそう狂気をはらんだ眼でこちらを睨みつけながら言い放つと、私に向かって魔力を塊のままたたきつけた。
もう終わりかと思った。思ったのだが。
私は真っ白な光と全身を殴打されるような痛みに包まれたが、それらはほどなくして収まり、目を開けるとどす黒い憎悪のオーラに包まれたお母様と、私のことを心配するような淡い光に包まれたジョルジオがそこに立っていた。
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