24 / 47
ルシア12歳、今私にできる事
23
しおりを挟む
「ちょっとトラブルがありまして…」
そう濁してはみたのだが、収まらなかったのはジョルジオだ。
「リッチオーニ公爵が走って来て、お姉様とぶつかったんです。そのままお姉様を口説こうとしていたので、僕が止めたんです!」
偉いでしょう!と言わんばかりに胸を張るジョルジオ。
室内はさっきの話題もあってか当然微妙な空気になる。
「そ、それでそのあとどうしたんだ?」
アレクス殿下が一番立ち直りが早かったようで、とりあえず先を促すと、ジョルジオはさらに言い募る。
「それが、びっくりなんです!ここだけの話にしていただきたいのですが、もう結構なおじさんなのに、お姉様の手の甲に口づけして『後日埋め合わせを』っておっしゃって…!これってお茶に誘う口実ですよね?」
「…リッチオーニ公爵であれば…うん。そのぐらいおっしゃっても全くおかしくはないが…」
ダリオお兄様がリアクションに困っている。
アレクス殿下も微妙な顔をしながら言う。
「叔父上は好みの女性と見ると声をかけずにおれない方だからな…。ルシア、それ以上のことはされていないよな?」
「はい、もちろんでございます。私の不注意でぶつかってしまい…申し訳ありません。」
そう言ってそっと目を伏せる。
「いや、いい。ただ、叔父上はこの婚約について知らされていないはずだから…ちょっと厄介だな。もしかしたら手を変え品を変え誘ってくるかもしれん。困ったら俺に相談してくれ。」
「ありがとうございます。」
「…ジョルジオはルシアを守ってくれてご苦労だった。これからも姉思いの弟でいてくれ。」
「ありがとうございます、任せてください!」
褒められて喜ぶワンコ…ではなくジョルジオ。
段々本当にしっぽが見えてきた気がする。
「殿下、私も微力ながらお力になります。何かありましたら報告いたしますね。」
ダリオお兄様もそういって後ろに回り私の肩に手を添える。
こちらはデフォルトの悪役笑いだ。
というか、お兄様は人前だと自身を「僕」ではなく「私」と呼ぶと初めて知った。
「ああ、ダリオについていてもらえれば大概のことは問題ないだろう。よろしく頼む。」
そこまで言ってアレクス殿下がにっこり笑い、やっと場の空気がゆるんだ。
そう濁してはみたのだが、収まらなかったのはジョルジオだ。
「リッチオーニ公爵が走って来て、お姉様とぶつかったんです。そのままお姉様を口説こうとしていたので、僕が止めたんです!」
偉いでしょう!と言わんばかりに胸を張るジョルジオ。
室内はさっきの話題もあってか当然微妙な空気になる。
「そ、それでそのあとどうしたんだ?」
アレクス殿下が一番立ち直りが早かったようで、とりあえず先を促すと、ジョルジオはさらに言い募る。
「それが、びっくりなんです!ここだけの話にしていただきたいのですが、もう結構なおじさんなのに、お姉様の手の甲に口づけして『後日埋め合わせを』っておっしゃって…!これってお茶に誘う口実ですよね?」
「…リッチオーニ公爵であれば…うん。そのぐらいおっしゃっても全くおかしくはないが…」
ダリオお兄様がリアクションに困っている。
アレクス殿下も微妙な顔をしながら言う。
「叔父上は好みの女性と見ると声をかけずにおれない方だからな…。ルシア、それ以上のことはされていないよな?」
「はい、もちろんでございます。私の不注意でぶつかってしまい…申し訳ありません。」
そう言ってそっと目を伏せる。
「いや、いい。ただ、叔父上はこの婚約について知らされていないはずだから…ちょっと厄介だな。もしかしたら手を変え品を変え誘ってくるかもしれん。困ったら俺に相談してくれ。」
「ありがとうございます。」
「…ジョルジオはルシアを守ってくれてご苦労だった。これからも姉思いの弟でいてくれ。」
「ありがとうございます、任せてください!」
褒められて喜ぶワンコ…ではなくジョルジオ。
段々本当にしっぽが見えてきた気がする。
「殿下、私も微力ながらお力になります。何かありましたら報告いたしますね。」
ダリオお兄様もそういって後ろに回り私の肩に手を添える。
こちらはデフォルトの悪役笑いだ。
というか、お兄様は人前だと自身を「僕」ではなく「私」と呼ぶと初めて知った。
「ああ、ダリオについていてもらえれば大概のことは問題ないだろう。よろしく頼む。」
そこまで言ってアレクス殿下がにっこり笑い、やっと場の空気がゆるんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
601
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる