転生したら脳筋姫に?!転生先ゲームの難易度が高すぎる件について~不可思議な幻想曲~

片上尚

文字の大きさ
上 下
26 / 26

25

しおりを挟む
アバターとNPC。
「プレイヤー」がいるエイドーロンと作者が操作しているキャラクター達については、基本的にエイドーロンかそうじゃないか、という見分け方をしていた。
ただ、噂では作者が操作する運営側NPCがいる、という噂はあった。
あまりにもストーリーにクリティカルな話を出し続けていたり、功績は目立たない割には重要なポイントばかりで登場したり…
ただ、ステータスを見ると普通のプレイヤーが操作するエイドーロンと変わりはなく、あくまでも「噂」レベルだったはず。
とはいえ、アーネがエイドーロンだということには変わりがないし、あの子がまさか運営の中の人だった…なんてことはないだろう。

「いや、アーネは私の記憶が間違いでなければ確かにエイドーロンだったんだけど…」

とはいえ、見分け方とか前世の知識の詳細をこの場でうまく説明…私の語彙力じゃ無理だ…

「いいえ、そんなはずは!」

そう言って食い下がるアーネを#ブロムクビスト侯爵夫妻__アーネ父母_#が制止する。

「アーネ。そんなに心配することは無い。」

「そうよ。貴女がエイドーロンだったとしても、私たちの娘であることには変わりないわ。」

「お父様…お母様…」

目を潤ませながら自身の父母を見るアーネ。
エイドーロンは富をもたらすんだから良いものなんじゃなかったんだろうか?
どうすればよいのかと母に目線を送ると、ため息をつきながら答えてくれた。

「エイドーロンになると、途端に性格が豹変したり旅に出たりというのは序の口。大きな富をもたらすものがいる一方で、家を破滅に導くものも少なからずいるわ。セシルは比較的善良なエイドーロンだったから良かったけど…
セシル、アーネのエイドーロンはどんな子だったのか、貴女がわかる範囲でいいから教えてくれるかしら?」

なるほど、確かに記憶の欠片を見つけるまでは完全に「前世知識を持った他人」になる。
私の場合はそこそこ早く見つかったが、そうではない人も居るのだろう。
自分が全く異なる人格になって、家族を窮地に陥れてしまうかもしれないと考えると怖いかもしれない。

「私が知るエイドーロンのアーネはちょっと変わってたけど、頭は物凄く良いいい子だったよ。領地もどんどん繁栄させてたし、そんなに悪いことは起こらない…と思う。私はアーネがエイドーロンでもそうじゃなくても、仲良くしてくれればうれしいけど…」

腐女子だったことなんて言わなくても良いよね…?親御さんもいるし。
母は微笑んでこちらを見てるし、#ブロムクビスト侯爵夫妻__アーネ父母_#は私に向かって深く頭を下げ、「娘をお願いします」と礼を言ってくる。
…アーネは頬を赤らめて

「セシリア様…!し、仕方が無いですわね、セシリア様は私がついてないとすぐ腕力で物事をお決めになりますし…!アーネが全力でサポートしますわ!」

いいね、ツンデレ。
楽しい学園生活になりそうだ。

父?最後までスクワットしてた。
後で母に叱られればいいと思う。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

トレジャーキッズ

著:剣 恵真/絵・編集:猫宮 りぃ
ファンタジー
だらだらと自堕落な生活から抜け出すきっかけをどこかで望んでいた。 ただ、それだけだったのに…… 自分の存在は何のため? 何のために生きているのか? 世界はどうしてこんなにも理不尽にあふれているのか? 苦悩する子どもと親の物語です。 非日常を体験した、命のやり取りをした、乗り越える困難の中で築かれてゆくのは友情と絆。 まだ見えない『何か』が大切なものだと気づけた。 ※更新は週一・日曜日公開を目標 何かございましたら、Twitterにて問い合わせください。 【1】のみ自費出版販売をしております。 追加で修正しているため、全く同じではありません。 できるだけ剣恵真さんの原文と世界観を崩さないように直しておりますが、もう少しうまいやり方があるようでしたら教えていただけるとありがたいです。(担当:猫宮りぃ)

推しと行く魔法士学園入学旅行~日本で手に入れた辞典は、異世界の最強アイテムでした~

ことのはおり
ファンタジー
渡会 霧(わたらい きり)。36歳。オタク。親ガチャハズレの悲惨な生い立ち。 幸薄き彼女が手にした、一冊の辞典。 それは異世界への、特別招待状。 それは推しと一緒にいられる、ミラクルな魔法アイテム。 それは世界を救済する力を秘めた、最強の武器。 本棚を抜けた先は、物語の中の世界――そこからすべてが、始まる。

【コピペ】を授かった俺は異世界で最強。必要な物はコピペで好きなだけ増やし、敵の攻撃はカットで防ぐ。え?倒した相手のスキルももらえるんですか?

黄舞
ファンタジー
 パソコンが出来ない上司のせいでコピーアンドペースト(コピペ)を教える毎日だった俺は、トラックに跳ねられて死んでしまった。 「いつになったらコピペ使えるようになるんだ―!!」  が俺の最後の言葉だった。 「あなたの願い叶えました。それでは次の人生を楽しんでください」  そういう女神が俺に与えたスキルは【コピペ(カット機能付き)】  思わぬ事態に最初は戸惑っていた俺だが、そのスキルの有用性に気付き、いつのまにやら異世界で最強の存在になっていた。

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我
ファンタジー
 日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。  仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。  そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。  そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。  忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。  生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。  ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。 この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。 冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。 なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

処理中です...