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この日のプログラムはこれで終わりだったようで、再び保護者も集まった後、解散になった。
全員で寮に向かい、保護者達は居室を確認した後、帰国となるようだ。
「ここが、イルマリネンの寮よ。」
アーネ一家と向かったのは、赤を基調とした外装の、4階建ての大きな洋館だった。
イルマリネンの寮、ということは国ごとになっているんだろうか?
「校内では各国混ざって学ぶけど、眠る時人間はどうしても無防備になるわ。公国同士の小競り合いが絶えない時代もあったから…」
ぽかんと見上げる私の脳内を察したのか、母が説明してくれる。
中に入ると雰囲気の良いいかにもなゴシック風洋館(語彙力ry)で、既にこちらで待機していたアーネの侍女が部屋まで先導してくれた。
館内はかなり広く、私たちの部屋は4階。
とはいえエレベーター(のようなもの)が各所に設置されているので、移動はそれほど苦痛じゃない。
さっすがガラパゴスなナーロッパ……
「お待ちしておりました、こちらへどうぞ。」
一同が部屋に着くと、ダニエラが出迎えてくれた。
イルマリネン付きの侍女、ということをアピールするものなのか、赤を基調としたお仕着せに着替えていた。
そして部屋。
え、2人用の部屋なのにキッチン、2家族入っても全く窮屈じゃない程度の応接セット付の居間、お風呂トイレ別、寝室2部屋に侍女部屋って…
寮っていうよりもホテルのスイートな感じ。
そうして全員が居間に入ると、早速紅茶が出される。
「懐かしいですね、この寮。」
「ええ、自分が学生の時以来ですわ」
#ブロムクビスト侯爵夫妻__アーネ父母_#と母が和やかに話し出す。
うちの父?窓際でスクワットしてるわ。
身内しかいなくなったにしてもそれはちょっとどうよ?
「それで、その後例の件は?」
「いえ、特に兆候はなく…」
「…そう。早いに越したことはないですが、こちらがどうこうできるものではありませんし。ご心配なさらず。」
「その…セシリア様。うちのアーネがエイドーロンだというのは本当なのでしょうか?」
ブロムクビスト夫人が不安げに私に尋ねる。
そうか、例の件ってそのことか。
「あー、えーと…」
私の世界では確かにそうだったけど、こちらの世界が必ず同じになると断言して良いのだろうか?
「私、違いますわ!そうですよね、セシリア様!」
「え?」
「私があまりに才気煥発だから、きっとセシリア様が私のことをエイドーロンだと勘違いされただけですわ!」
ん?
全員で寮に向かい、保護者達は居室を確認した後、帰国となるようだ。
「ここが、イルマリネンの寮よ。」
アーネ一家と向かったのは、赤を基調とした外装の、4階建ての大きな洋館だった。
イルマリネンの寮、ということは国ごとになっているんだろうか?
「校内では各国混ざって学ぶけど、眠る時人間はどうしても無防備になるわ。公国同士の小競り合いが絶えない時代もあったから…」
ぽかんと見上げる私の脳内を察したのか、母が説明してくれる。
中に入ると雰囲気の良いいかにもなゴシック風洋館(語彙力ry)で、既にこちらで待機していたアーネの侍女が部屋まで先導してくれた。
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さっすがガラパゴスなナーロッパ……
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え、2人用の部屋なのにキッチン、2家族入っても全く窮屈じゃない程度の応接セット付の居間、お風呂トイレ別、寝室2部屋に侍女部屋って…
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そうか、例の件ってそのことか。
「あー、えーと…」
私の世界では確かにそうだったけど、こちらの世界が必ず同じになると断言して良いのだろうか?
「私、違いますわ!そうですよね、セシリア様!」
「え?」
「私があまりに才気煥発だから、きっとセシリア様が私のことをエイドーロンだと勘違いされただけですわ!」
ん?
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