転生したら脳筋姫に?!転生先ゲームの難易度が高すぎる件について~不可思議な幻想曲~

片上尚

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とりあえずは両親と合流していると、数メートルもあろうかという巨大な蝶が5匹、ホールにあらわれた。

「わ~、でっか…」

「いよいよクラス分けね。」

母がそう言ったか言わないかで蝶がぱちん、とはじけたかと思うと、小さな無数の蝶になって私たちの手元に飛んできた。
赤い蝶が私の指に止まり、小さな紙を落としてきたので開いてみると、「3」と記載されている。

「それがクラスナンバーよ。蝶は教室まで案内してくれるわ。私たちも付いていくから。」

母がそう教えてくれたので周りを見渡すと生徒たちはぞろぞろと動き出していた。
私の蝶もふわりと飛び立ったので、見失わないように慌てて後を追う。
長い長い廊下がカラフルな髪色で溢れるが、途中の分岐でどんどん人が減っていく。
もしかしてクラスの教室同士は結構離れているんだろうか。

ちなみに途中で、アーネ一家と合流することができた。
アーネが興味津々に尋ねてくる。

「私は4番でした。セシル様は何番でしたの?」

「3番…」

早速、アーネとクラスが離れることが確定してしまった。

「あら、大人数で行う授業も多いから、隣同士のクラスであれば結構一緒の授業があるはずよ?良かったじゃない。」

「20クラス以上ありますからね。一度も会わないまま卒業する相手も多いですわよ?」

私とアーネの母が口々に言う。
…私、そんなにしょんぼりして見えたのだろうか。

「大丈夫ですわ、セシル様。このアーネ、可能な範囲でご様子をうかがいに参りますわ!」

「…ありがとう。でも無理はしなくていいから。」

「だってセシル様お一人ですと戦闘訓練ばかりされてそうで…」

「大丈夫、勉強もちゃんとするから…」

きっとみんなそこを心配しているのだろうと思い一応口に出しておく。
親たちからはくすくすと笑い声が起きている。

「…寮の部屋は一緒ですから、わからないことがあったら何でも聞いてくださいませ」

「はーい」

そうやり取りする私たちを、家族たちはほほえましいものを見るように見守っている。
父はまたあちこちの教室を解説したり、のぞきこもうとしたりして母に怒られていた。

そうして、雑談をしながら歩いているといつの間にか教室にたどり着いていた。

「それではここで。」

「うん、またあとで。」

そう言ってアーネ家族と分かれ、私は両親と一緒に3組の教室のドアを開けた。
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