転生したら脳筋姫に?!転生先ゲームの難易度が高すぎる件について~不可思議な幻想曲~

片上尚

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体調が戻るまで、結局丸2日かかった。

…普通は魔力を使い切ると一晩寝るぐらいで回復するが、それだけ実力以上のものを使った、ということだろう。
父からすると、それでも常人から比べると驚異的な回復スピードらしい。
「日ごろの鍛錬の成果だな!」と良い笑顔で言われた。
ゆっくり休んでいる間、色々と考えたし、父母とはいろんな話をした。

父も、母と同じくエイドーロンとなった私を変わらず娘として受け入れていること。
領地経営をはじめとした頭脳労働はやはり母がほとんどやっていること。
私の記憶はやはりまだまだ足りていなさそうだ、ということ。
父は当主になる前、一度だけこの国からの選帝侯の候補に入り、他の候補と競い合ったことがあること。
…ちなみに、武力的には優秀でも頭脳的な面でいまいち(オブラートに包んでいるっぽい)な結果で選ばれなかったらしい。

私のことも話した。
魔法が無い世界で生まれ育ったこと。
魔法を使っているような「機械」がたくさんあったこと。
「機械」を使って、たくさんの人が物語を読みながら作者にあれこれ言うようなイメージで、この世界での出来事を読んでいたこと。

エイドーロンは数が多いだけあって、色々なことが解明されているらしい。
皆色々開発したり改革したりするため、この世界の文明はただ単なるナーロッパではなくガラパゴス化しているようだ。
そして、この世界のことを知った経緯はいろいろな種類があるらしい。
物語として読んだ人もいれば、お芝居で見た内容だという人もいること。
私のようにゲーム形式で見た人や音だけで聞いた人もいること。
うーん、外伝的な感じで小説化やドラマCD化はされてた気がするけど、舞台って出てたかな…?
そこまで詳細にメディアミックスまで追っていたわけではないからいまいちよくわからない。

体調が回復してすぐ、ケガや火傷をしたという人達のところに順に謝りに行った。
「いつものことじゃないですか。」
「大したことないので気にしないでください。」
と言ってくれる人が大半だったが、中には利き腕に重い火傷を負ってしまっていた人もいた。
父が適性のある医師や薬の手配はもちろん、回復まで生活の基盤を持つとは言っているが、それにしても痛むのではないかと思って聞くと、
「慣れてるので」
と返された。
この世界の人たちは、回復魔法があるからなのか「いずれ治る」という意識が強く、痛みに強いのかもしれない。
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