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「血によって命ず、火矢よ行け!」
父がそう言い、細長い火を飛ばす。
最初は1本1本だったが、途中で命令が「火矢よ雨のごとく降れ!」になったところものすごい数が的の中央に飛んでいった。
ただし、的に当たった瞬間火は消えている。
「いいかセシル。いつも言っているが、魔法はコントロールが大事だ。
大きくするのは魔力をつっこめばいくらでも大きくなるが、自身の魔力を全部賭けた攻撃を躱されてはどうしようもなくなってしまう。
躱す余地すらないだけ強大な攻撃はできなくもないが、それはもはや兵器だ。
それよりもまず着実に相手を追い詰め、ダメージを与える手段を身につけろ。
極力的を破壊しないサイズの矢をなるべく早く連続で打つ練習をするがいい。」
おお、なるほど、だから朝は的を燃やし尽くして怒られたのか。
なるべく破壊しないで素早くね、ふむ。
この脳筋親父もなかなか頭脳戦をするんじゃないか。
というわけで、Let’s実践!
「血によって命ず、火矢、当たれ!」
行け、よりも当たれの方が命中率上がるかなーと思ってアレンジしてみる。
当たった。
当たったけどまたそこそこの爆発だ。
「…もっと込める魔力を絞って。昨日休んだ分コツを忘れたか?」
セシルもさすがに一日で忘れるほど鳥頭じゃない…と思う。
「血によって命ず、火糸矢よ、当たれ!」
糸ぐらいの細さって指示しちゃえばなんとかなる?という思いつきで、細心の注意を払って指先から糸ぐらいのレーザーを出すようなつもりで放つと…
よし、穴開いた!
「……やればできるじゃないか!いつもなら的がギリギリ燃え尽きるぐらいまで抑えるので限界だったのに…急にコツをつかんだのか?」
あ、今までできなかったのね。
やっぱりパワー系だった、と。
「糸みたいにしたの。もっと練習していいよね?」
「ああ、どんどんやると良い。」
いくつかやってみて大丈夫そうだったので、父の真似&アレンジをし「火糸矢よ降れ!」も成功。
雨のように、はイメージさえできるようになれば省略しても大丈夫なのね。
的の大体中央にも当てているし、あとは精度を上げていけば対人間でも平気でもいけそう。
…動いているものを対象にしたいところなので、学園チュートリアルの間に魔物狩りすればいいか。
あそこはお決まりながら訓練用ダンジョンあったはずだし。
「今日一日でずいぶん上達したな!この的は全部燃える前提で出したから、最後に好きに魔法を使っていいぞ。」
「やった、親父ありがとう!」
そう言われてよくよく考えると『不可思議な幻想曲』では基本的に使える魔法は選択式だったんだよなぁ。
もっと凝った詠唱があったような気がするし…なんだったっけ…
あ!せっかくだし規模の大きそうなのでいっか。
殲滅戦に使っていたアレ…
「尊き火の神イルマリネン、末裔の血オーケシュトレームの名によって乞い願う。舞い踊る聖なる炎にて蔓延る悪を燃やし尽くしたまえ」
詠唱中に父の叫び声が聞こえた気がしたが集中して言い切る。
その瞬間、私の視界はブラックアウトした。
父がそう言い、細長い火を飛ばす。
最初は1本1本だったが、途中で命令が「火矢よ雨のごとく降れ!」になったところものすごい数が的の中央に飛んでいった。
ただし、的に当たった瞬間火は消えている。
「いいかセシル。いつも言っているが、魔法はコントロールが大事だ。
大きくするのは魔力をつっこめばいくらでも大きくなるが、自身の魔力を全部賭けた攻撃を躱されてはどうしようもなくなってしまう。
躱す余地すらないだけ強大な攻撃はできなくもないが、それはもはや兵器だ。
それよりもまず着実に相手を追い詰め、ダメージを与える手段を身につけろ。
極力的を破壊しないサイズの矢をなるべく早く連続で打つ練習をするがいい。」
おお、なるほど、だから朝は的を燃やし尽くして怒られたのか。
なるべく破壊しないで素早くね、ふむ。
この脳筋親父もなかなか頭脳戦をするんじゃないか。
というわけで、Let’s実践!
「血によって命ず、火矢、当たれ!」
行け、よりも当たれの方が命中率上がるかなーと思ってアレンジしてみる。
当たった。
当たったけどまたそこそこの爆発だ。
「…もっと込める魔力を絞って。昨日休んだ分コツを忘れたか?」
セシルもさすがに一日で忘れるほど鳥頭じゃない…と思う。
「血によって命ず、火糸矢よ、当たれ!」
糸ぐらいの細さって指示しちゃえばなんとかなる?という思いつきで、細心の注意を払って指先から糸ぐらいのレーザーを出すようなつもりで放つと…
よし、穴開いた!
「……やればできるじゃないか!いつもなら的がギリギリ燃え尽きるぐらいまで抑えるので限界だったのに…急にコツをつかんだのか?」
あ、今までできなかったのね。
やっぱりパワー系だった、と。
「糸みたいにしたの。もっと練習していいよね?」
「ああ、どんどんやると良い。」
いくつかやってみて大丈夫そうだったので、父の真似&アレンジをし「火糸矢よ降れ!」も成功。
雨のように、はイメージさえできるようになれば省略しても大丈夫なのね。
的の大体中央にも当てているし、あとは精度を上げていけば対人間でも平気でもいけそう。
…動いているものを対象にしたいところなので、学園チュートリアルの間に魔物狩りすればいいか。
あそこはお決まりながら訓練用ダンジョンあったはずだし。
「今日一日でずいぶん上達したな!この的は全部燃える前提で出したから、最後に好きに魔法を使っていいぞ。」
「やった、親父ありがとう!」
そう言われてよくよく考えると『不可思議な幻想曲』では基本的に使える魔法は選択式だったんだよなぁ。
もっと凝った詠唱があったような気がするし…なんだったっけ…
あ!せっかくだし規模の大きそうなのでいっか。
殲滅戦に使っていたアレ…
「尊き火の神イルマリネン、末裔の血オーケシュトレームの名によって乞い願う。舞い踊る聖なる炎にて蔓延る悪を燃やし尽くしたまえ」
詠唱中に父の叫び声が聞こえた気がしたが集中して言い切る。
その瞬間、私の視界はブラックアウトした。
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