転生したら脳筋姫に?!転生先ゲームの難易度が高すぎる件について~不可思議な幻想曲~

片上尚

文字の大きさ
上 下
5 / 26

4

しおりを挟む
あー…どうしようかなぁ…
ありゃ完全にバレてるよなぁ…
こっちの世界の母に、昨日までと中身が別人であることが完全にバレてる、と思うともうとても気が重い。
見た目はギリ少女ぐらいの年齢とはいえ、中身は文明社会で暮らしていたアラサーOLだ。
多少の修羅場はくぐったことがあっても、これは未知の状況。
自室について一人でのたうちながらどうしようもないと腹をくくりかけたところに、机の上にある一冊の本を見つけた。
…これは日記帳?

パラパラとめくっていくと、それは貴族ご令嬢としては目を覆うような内容が書いていた。
今日は家庭教師さぼって親父と剣の特訓をしていた、とか、召使のクルトの背中にカエルを入れてやった、とか、庭の木のてっぺんはやっぱり落ち着く、とか、お袋(母)に勉強しないのを怒られて逃げだした、とか…諸々。
そして最後のページは「来週はいよいよ15歳の誕生日。学園にはどんな強者がいるかワクワクする。訓練に力を入れなければ!」って…
どんな脳筋だったんだよ…

呆然としていると、日記帳がふわっと光り、私も柔らかい光に包まれる。
驚いていると、幼少期から今まで、家族でピクニックをした思い出やちょっとした喧嘩をした時の思い出やらの記憶がぼんやりと流れ込んできた。
あらためてこの子は愛されていたんだなぁと実感していると、部屋がノックされておじいちゃん一歩手前の家庭教師が入ってきた。

「セシリア様。今日は授業を受けていただけるとのことでしたが…」

授業から逃げ出すことがデフォルトだったせいで、家庭教師も訝し気だ。

「ああ、先生。頼むよ。」

とりあえずまずは授業を受けよう。
そこからわかることもきっとあるはずだ。

===

家庭教師の授業はとてもわかりやすかった。
というか、本来のセシリアであればこのぐらいまでわかりやすく説明しなければ通用しなかったのだろう。
今日の内容は貴族について。
中央を治める帝家は火を司る赤のイルマリネン、水を司る青のアハティ、雷を司る黄のウッコ、氷を司る紫のトゥオネタル、風を司る緑のミエリッキの5つの各所属公国からの推薦により皇帝候補の5人が選ばれ、その中から選ばれる。
各公国の爵位は、
公爵>侯爵>伯爵>子爵>男爵>準貴族>平民
となっており、とりまとめをしている公爵家の人間が大公として国を治めている。
そのため、各国の公爵家の子息令嬢は王子様お姫様扱いされていることが多い。
…私が姫様と呼ばれる由来だ。
あとは5年に1度選帝侯会議があること。
皇帝に選ばれる条件は伯爵家以上の出で、学園卒業以上の各貴族家の当主および大公「ではない」こと。
うん、一応『不可思議な幻想曲ファンタジア』で知っていた内容ではあるが本当にややこしい…。
5つの所属公国を分けることで競わせる=対抗心から課金を煽るという『不可思議な幻想曲ファンタジア』の仕様から仕方なくはあるが、本当に混乱する。
とりあえずは復習、ということで、前世知識のボロを出さないように気を付けて不明点を質問しているうちに時間となった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

推しと行く魔法士学園入学旅行~日本で手に入れた辞典は、異世界の最強アイテムでした~

ことのはおり
ファンタジー
渡会 霧(わたらい きり)。36歳。オタク。親ガチャハズレの悲惨な生い立ち。 幸薄き彼女が手にした、一冊の辞典。 それは異世界への、特別招待状。 それは推しと一緒にいられる、ミラクルな魔法アイテム。 それは世界を救済する力を秘めた、最強の武器。 本棚を抜けた先は、物語の中の世界――そこからすべてが、始まる。

【コピペ】を授かった俺は異世界で最強。必要な物はコピペで好きなだけ増やし、敵の攻撃はカットで防ぐ。え?倒した相手のスキルももらえるんですか?

黄舞
ファンタジー
 パソコンが出来ない上司のせいでコピーアンドペースト(コピペ)を教える毎日だった俺は、トラックに跳ねられて死んでしまった。 「いつになったらコピペ使えるようになるんだ―!!」  が俺の最後の言葉だった。 「あなたの願い叶えました。それでは次の人生を楽しんでください」  そういう女神が俺に与えたスキルは【コピペ(カット機能付き)】  思わぬ事態に最初は戸惑っていた俺だが、そのスキルの有用性に気付き、いつのまにやら異世界で最強の存在になっていた。

転生の際に抵抗したらオッサンに転生しちゃったので、神様に頼んで何とかして貰いました。

武雅
ファンタジー
突然の雷に打たれて死んでしまったらしい。 打たれた瞬間目の前が真っ白になり、視界が戻るとそこは神様が作った空間だった。 どうやら神様が落とした雷の狙いが外れ自分に直撃したらしく転生をさせてくれるとの事。 とりあえずチート能力はもらえる様なので安心してたら異世界へ転生させる方法が…。 咄嗟に抵抗をするもその結果、タイミングがズレてまさかの小汚く体形もダルンダルンの中年転生してしまった…。 夢のチートでハーレム生活を夢見ていたのに、どう考えても女の子に近づこうとしても逃げられんじゃね? ただ抵抗した事で神様の都合上、1年間はある意味最強のチート状態になったのでその間に何とかしよう。 そんな物語です。 ※本作は他の作品を作っている時に思い付き冒頭1万文字ぐらい書いて後、続きを書かず眠っていた作品を消化する一環で投稿させて頂きました。 …冒頭だけ書いた作品が溜まり過ぎたので今後も不定期でチョイチョイ消化させて頂きます。 完結まで作成しておりますので毎日投降させて頂きます。 稚作ではございますがお読み頂ければ幸いでございます。

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我
ファンタジー
 日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。  仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。  そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。  そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。  忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。  生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。  ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。 この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。 冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。 なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

処理中です...