転生したら脳筋姫に?!転生先ゲームの難易度が高すぎる件について~不可思議な幻想曲~

片上尚

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というわけでキリキリとコルセットも締められ、いかにもなふんわりゴージャスドレスを身にまとったまでは良い。
次はどうすりゃいいんだろう?
というわけでこの前世の私と同じぐらいな年齢であろう侍女ちゃんについて行ってみることにしてみた。

「…姫様、どうして私の後をついて来られるのです。」

「んー、なんとなく?」

「いつもなら我先にと朝食をとりに行かれるじゃないですか。お腹は空いてらっしゃらないのですか?」

なんだ、セシリア姫食いしん坊キャラだったのか。
私と同じじゃないか。
というのは冗談で、転生あれこれで気にしていなかっただけのようで、言われてみると確かにお腹は空腹を訴えている。

「そこそこ?」

とはいえ、私は一人じゃその朝食をどこにとりに行けばいいかわからないのだ。

「まあ、私もこの後朝食の給仕ですので行先は一緒ではあるのですが…。走って行かれないので驚きました。」

「…今日は歩いて行きたい気分なのよ。」

毎日走って朝ごはん食べに行くって、私どれだけお腹減ってたんだろう。

===

食堂に着くと、おそらく家族全員と思わしき人が揃っていた。
何故わかるかというと、設定資料の通りだからだ。
『不可思議な幻想曲ファンタジア』の何がすごかったかというと、プレイヤー登録しアバターを作り終えると、一人ひとりに対してスタート時に同居家族や簡単な生い立ちなどの詳細資料が送られてくるのだ。
なお、我が家はこんな感じだった。

当主(父)スティーグ
赤髪赤目。赤獅子と呼ばれる偉丈夫。赤のイルマリネンに属する、オーケシュトレーム公爵家の当主で、剣の腕に優れている。脳筋。

妻(母)ウルリカ
赤髪オレンジ目。糸目の美人。同じく赤のイルマリネンに属する、ヒルディングソン伯爵家の長女でしっかり者。ゼーダーシュトレーム高等貴族院の筆記試験を首席で卒業した才女で、結婚のきっかけはスティーグからのしつこいアプローチ。

で、私は一人っ子。
あとは祖父と祖母、父とは年の離れた叔父が居るはずだが、一緒に住んでいないようで、名前は…うん、覚えてない。
甘やかされて育ったらしいが、学園チュートリアルで筋力・魔力に極振りしたし私の言動からして知性的には…
うん?
実家に居るっていうことはまだ学園チュートリアル前…?

「どうしたセシル?待ちに待った朝ごはんだぞ!」
「あらあら、今日はドレスなの?」

あ、ボーっとしてた。
愛称はセシルなのね。
まずはこのご両親との初対面を乗り越えなければ。
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