上 下
98 / 113
アリスティア、魔法について考える

42

しおりを挟む
その日は夜中まで、上から下まで飲めや歌えやの大宴会だった。
厨房は大戦争だったのではないだろうか。
大きな船盛の刺身や漬物、珍味など元々この国にあったメニューはもちろん、魔物のお肉料理や私がこちらに来てから教えた揚げ物系も登場。
なにより、おかゆじゃなくておにぎりが出てきているのがうれしい。
私もお腹がはち切れそうなだけ食べた。
自室のロミア様の祭壇にもとりあえずお供えしておく。
宴が開始したころは「やっと…!」という感じで涙ぐんでいる人も多かったが、お酒が進むにつれ皆ニコニコして新たな希望や展望を話すようになり、最後は国歌の大合唱。
王様パパの「今日はこの辺にして、明日もゆっくり祝うが良い」との言葉で夜半過ぎに解散となった。

=====

私は眠りについた後、やはり真っ白な空間に呼ばれていた。

「アリス、色々助かったわ~!」

ロミア様がにこにこ出迎えてくれる。
無事帰って来れて良かったです…
ホント、魔法がうまく使えなかったときはどうなるかと思いました。

「ホントよね~。ジュピがもしかしてって気付いてなければどうなってたことか…」

え?ジュピ気付いてたんですか?

「あなたがベラについて行こうとした時点で、なんだかアリスに対して話声がうまく届かなかったらしくて、こっちに飛んできたわよ?」

となると、神殿に入る前から何者かに妨害されていた…?
でもベラさんがおかしくなったのは個室に移動してからのはず。

「多分狙われてたんでしょうね。」

え?

「精霊を早めに付けておいたのはバレてなかったはずだけど。念には念を押した、というとこかしら。相変わらずいやねぇ。」

ベラさんが話していた、黒い少年ですか?
そいつが悪魔、ですよね?

「そのもっと大元よ。」

大元?
悪魔の親分ってことですか?

「まあそんな感じ?で、その指輪どう?」

あ、これのおかげで助かりましたけど、これって魔宝珠なんですか?
9歳の誕生日にするんじゃ…

「それね、光だけなの。」

え?だから白いんですか?

「そう。木火土金水と光、すべて合わせたものにしようとしたんだけど、全部を先渡しして特訓に遅れが出るよりは光だけバラして渡しちゃえーって。」

そんなことできるんですね!
じゃあ全部バラバラで…

「そこまで都合よくはないんだな~。ここまでで結構干渉しちゃってるし、あとはまとめてかな。」

残念、わかりました。

「サンとも仲良くやれてるみたいで安心~。引き続き頑張ってね!」

えっと、次にやらなければいけないこととか、使命とかってありますか?
悪魔を見つけたらサンに協力してもらって払う、というのがメインと思っていてよいのでしょうか?

「あとはこの国を発展させることぐらいかしら。」

それなら言われなくても!
頑張りますね!

「ええ、お願いね。」
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

一人ぼっち代表取締役

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

あの日見た満天の星空を見に

青春 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

望まぬ転生、お断り!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:18

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:1,112

処理中です...