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アリスティア、魔法について考える

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「あーーーーもう、ホント疲れた!!!!」

帰りの馬車の中で脱力する。
その後諸々諸々後片付けまで含めたらたっぷり夕方近くまでかかった。
もうちょっとしたら日が暮れてくる。
城を抜け出したのは一昨日の2時。
丸2日この騒動にかかったわけだ。

「皆様、心配されていますよ。」

私を間違いなく連れ帰ってくるようにとの命令から神殿で待機していたジゼルに言われるが、それは重々承知している。
というか、私を食事のために呼びに来たら部屋が空っぽだったジゼルの衝撃はいかほどだったろう。
どうして気が付かなかったか自分を責めたかもしれない。
この2日間にあった出来事が多すぎて、脳内の整理が追い付いていなかったが、ようやっと身の回りの人たちについて考える余裕ができた。

「申し訳なかったと思っているわ。帰ったらしっかり謝らなきゃ。」

「そうしてください。さ、もうすぐ着きますよ!」

ジュピと二人でのんびり歩いた道も、馬車を使ってしまえば割とすぐ。
気付くともう城門に差し掛かろうとしていた。

========

「アリス!無事でよかった!!!」

謁見の間には家族(と一部のきっと偉いであろう大臣)が勢ぞろいしていた。

「ロミア様からのお役目を果たしていたんだな?」

王様パパに聞かれてこっくりと頷く。

「心配かけてごめんなさい。詳しくはお話しできないのですが…」

「いや、お前が無事であってくれたのなら、それで十分だ。精霊様たちに改めてご挨拶をしても良いか?」

「聞いてみます。」

一人だけ肩に乗って入城したジュピに尋ねると「いいよ」と言われたので、全員を一気に顕現させる。
皆、小人姿だ。
が、王様パパは神妙に跪く。

「精霊様たち、この度のご神託、謹んで承りました。一層精進させていただきます。また、アリスティアをお守りいただきまして本当にありがとうございました。」

「皆の頑張りによるものだよ~。」

ジュピが答え、他の5人もニコニコと頷いている。

「黒属性以外すべての精霊様が顕現されたと聞いていましたが…ありがたいことです。マーシュから神託を聞き、すでに街に布告は出しました。今日から3日間は再興の記念として祝い、宴を開きます。存分にお楽しみください。皆の者、支度をせよ!」

みんな万歳をしたり拍手したりしている…!
そうか、大審判から苦節154年。
やっとこの国の人たちは報われたのだ。
自分はこの土地の者として生きてまだ短いからそれほどの感慨はないが、長年努力してきた人ほどその喜びはひとしおだろう。
予想していたお説教が回避できたことにちょっとほっとしながら、ほっこりと嬉しい気分になった。
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