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アリスティア、魔法について考える

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突然プロポーズをしだしたソネスさんに、場が固まる。

「神殿に入った頃、私を導いてくれたのは君だった。」

「…そうだったかしら。」

「教義について話していても、私が君に勝てたことなんか一度もなかっただろ?」

「それは…」

「そんな君に、私ができることは何もないと思っていたんだが、今、ロミア様に怒られてしまったよ。」

「え?」

その場の全員がぎょっとした顔でソネスさんを見つめる。
今って…それで固まってたのか。

「本当は私の指輪を通し、『道』を作って君に会うつもりだったそうだ。それなのに私は指輪の使い方を間違っていた。あの『黒い少年』による影響も大きかったのだろうが…しかしそれもいいわけだ。…私の努力が足りなかったせいでこんな長い間辛い思いをさせてしまい本当に申し訳ないと思っている。だから、これからは君の一番側で、君を守り、私の手で君を幸せにしたい。」

「ソネス…」

「ベラ、公私ともに、私を支えてくれないか?」

数舜、ベラさんは考えた後、ゆっくりとソネスさんの手を取った。

「…わかりました。」

おー!!!
遅咲きの恋とはいえ、無事に実ったなら良かった良かった。
二人とも美形だし、こういうのもハッピーエンドのひとつだろう。
あ、もしかしてさっきジュピ達が話していたのはこのことだったのだろうか。

「…アリス様、ちょっとあちらで、よろしいでしょうか?」

セーニャ様に小声で話しかけられる。
あ、お邪魔虫だものね。
私は頷き、一緒に別室に移る。

「今回は、大変なご迷惑をおかけし、本当に申し訳ありませんでした。」

「いえ、本当に気になさらないでください。」

「…ありがとうございます、そのうえでさらにお願いするのは心苦しいのですが、今回のことについては陛下など必要最小限の人にお伝えいただき、胸の内に収めていただけないでしょうか?」

「大丈夫ですが、理由をお聞きしても?」

「実は先ほど話にも出ていた通り、司教の椅子がもう少しで空く予定でして…。ロミア様からのお話もありましたし、可能であればそこにベラを据えたいと考えています。しかし…」

「悪しきものとの関わりが明らかになると、難しいよね~」

ジュピが指摘する。

「そうです。また、ベラ以外の2名の候補者のうち、1名はちょっと問題がある上に野心家でして…この話が知られると、ひと騒動おこりそうなのです。長年努力してきた二人ですので、素直に祝福してやりたいのです。」

なるほど。
さっき名前が出ていたベルガーという人のことだろう。

「わかりました。お父様、陛下にはロミア様の密命を解決した、とだけ説明します。もとより使命についてはある程度伏せるようにロミア様からも言われておりますので…」

「ありがとうございます!」

セーニャ様はほっとしたように顔を上げた。
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