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アリスティア、魔法について考える

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その後、マーシュお兄様はある程度周りの人の盛り上がりが収まったのを見届けると「この吉報を皆に伝えねば!」と急ぎ王城へ帰ってしまい。
私は肩にサンとジュピを乗せ、ソネスさん、そしてあの大司教のお婆様(セーニャ様と言うらしい)と共にベラさんが治療を受けている部屋に来ていた。
他の人は私たちと入れ替わりで外に出ている。
私が寝ている間に調査された結果によると、悪魔による操作を受けた人たちはここ1週間ぐらいの記憶を失った人とそうでない人がいたらしい。
ジュピ曰く「どこまで深く入り込まれたかだと思うよ」とのこと。
要は心に付け入る隙があったかどうかに大きく左右されるみたいで、サンが「これだから軟弱な奴らは」と嘆いていた。
ただ、ジュピは小声で「浄化が強引だったから、というのもあるかも」と付け足していたので、もしかしたら大半を浄化していたサンの責任も多少(?)あるのかもしれない。

セーニャ様がベラさんのおでこに手を当てる。
ふんわりと優しい雰囲気の魔素がキラキラと集まってきて、ベラさんを癒しているのがわかる。

「ばあさん、いい腕してるな。」

「ありがとうございます。ロミア様からは癒しを使命として授かっておりまして。」

サンの雑な誉め言葉にもはんなりと返す。

「それにしてもどうしてこんなことに…」

ソネスさんは残念そうだ。
ソネスさんはベラさんと神殿に入ったのがほとんど同期だったそうで、ベラさんは当時から敬虔なロミア様の信者でとても努力して勉学に励んでいたそうだ。
対してソネスさんは幼少期にロミア様に「いずれは人に教え導きなさい」と指輪を授かったものの、具体的に何を教えろとは言われたわけではなく、かといって特段やりたいことがあったわけでもなかったのでとりあえず神殿に入った、という状態だったらしい。
ベラさんは使徒ではないのに司祭頭という司祭たちのまとめ役についていたとのことだから、相当苦労も努力もあったのだろう。
司教以上には使徒でなければなれないことから色々な葛藤もあったはずだ。

そんな話を聞いているうちに、ベラさんが目を覚ました。
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