異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか

片上尚

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アリスティア、魔法について考える

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目が覚めると、質素ながら清潔そうなベッドに寝かされていた。

「アリス~、そろそろ行かなきゃ~。」

いきなり新緑の瞳がきれいなたれ目がのぞき込んでいてびっくりしたよ。
そういえばみんな成人盛装で出てきたんだった。

「ジュピ、今何時?ほかのみんなは?」

「お昼ちょっと前かな~。もしお腹が減ってたらそこのお団子つまんで~。他のみんなは神殿に新しい結界を張りに行ってるよ~。」

あ、ちょうどお腹が鳴りそうだったのよね。
お団子、おいしい。
誰が作ったんだろう?屋台のやつかな?
自分で作ることの方が多いから積極的に見に行かなかったけど、最近はスイーツ屋台もできてきたし。

「で、そろそろマーシュ君が到着するから、着いたら神託だよ~」

「さっき言っていたお告げってやつ?」

「そう。この国が大審判を経て、正常な国として立ち直ったこと、そして君が使徒として使わされ、僕たちが大精霊を通してロミア様から君を守るように言われたことを取り急ぎ発表してしまうことにしたよ~。サンが姿を見せちゃったからもうごまかしようが無くてね~。」

「え?」

「光の精霊が契約を交わすのは人間たちの記録にはほとんど残っていなくて、それだけで大騒ぎになるんだ~。よからぬものも寄ってきちゃうから、牽制のために僕らの存在も公表するって感じ~。5人では事前に光の精霊が現れたら、ということで取り決めしてたんだ~。」

「それって、割と大騒ぎになる?」
「ん~、だって前代未聞だからね~。すごいんじゃないかな~。神殿を通して世界的に公にするからね~。今まではアリスが使徒だってことも比較的内々だったし~」

それって大丈夫なんだろうか。
でも国の発展にはつながるよね?

「注意点とかは…」

「悪しきものからは狙われるのはもちろん、いわれなき嫉妬や羨望もたっぷりになるんじゃないかな?」

「うわぁ…」

うわぁ。

「私はみんながいるから大丈夫だけど、学院に居るマリアお姉様やマリクお兄様は大丈夫かな?」

「あ、君の親族も狙われる可能性を考慮して、それぞれ守りに強い小精霊を1体ずつ遣わせてあるよ。」

「良かった、ありがとう。」

「どういたしまして。じゃ、一息ついただろうし身支度して行こうか。」

「あ、ちょっと待って、ベラさんはどうなったの?」

「治療中だよ~。これからの式典が終わった時点でもう一度アリスと僕たちの聞き取り調査だね~」

コンコンとドアがノックされる。

「どうぞ。」

返事をすると、真っ白なドレスを持った私付きの侍女、ジゼルが飛び込んでくる。

「姫様、ご無事でしたか!!!精霊様たちがついているからとは思いながら、城の者たちみんな心配していたんですよ!」

勢いよく話して、涙ぐむ。

「ごめんね、ちょっと事情が…」

「それもうかがっております!ささ、お早くお着替えを!精霊さまは一度扉の外へ席を外してくださいませ!」

「はーい、じゃあアリス外で待ってるね~!」

軽い感じでジュピが出ていくが、ジゼル、ジュピをそんな雑に扱って…まぁいいや、この子のズレてる加減は気にしていても仕方がないし…
私はさっそく清楚な白ドレスに着替えることにした。

「まぁ、君がこんなに女神様のご寵愛を受けていることが明らかになったら、そんな騒ぎじゃすまないと思うんだけどね…」

ジュピは扉の外でひとりごちたが、それを聞いている人はいない。
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