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アリスティア、魔法について考える

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後ろを振り返ると小部屋からは大量の黒い霧が吹きだし、少しずつ周りを侵食している。

「きゃー!火事!?」

近くを通った女性が一人、驚いて助けを呼びに行こうと方向転換するも、瞬く間に霧が伸びてきて飲み込まれていく。

少しすると高笑いが聞こえてきた。
何が起こっているのだろう…

「アリス!」

耳元でジュピの声が聞こえる。

「ジュピ!どこにいるの!?」

「この……、精霊を…め……結界が…るから…石を探……!今…声だけ………のが……!」

すごい途切れ途切れだ…
が、おそらく結界というものがあって、声しか入れてないというのはわかった。
石って何のことだろう。

「黒い霧が出てるの、どうすればいい?」

「悪…の霧…!……と危な……、近く………居………て!…………。結界…………光……………!」

段々声が遠くなる。
そうこうする間に霧はどんどんあふれ出してくる。
光りって言われてもまだ光魔法どころか精霊と会ってすらいないのに。
結界とやらの原因を探したいが、このままだとどんどん神殿が全部飲み込まれてしまう。

「とりあえずだけど…!」

まずは遮断しなければ。
多少建物に傷がつくとかは見逃してほしい。
普段の何倍もの魔素を集めて、霧がまだたどり着いていないゾーンに意識を向ける。

「確か、土魔法は石も操作できるはず…!」

石造りの床が壁になるところをイメージする。
徐々に下から床がせりあがり、無事壁になった。

「やった…?」

そう思い観察していると、隙間からじわじわと黒い霧が漏れ出してくる。
これはきっと根本を絶たない限りきりが無い。
しかも、よく考えるとさっきの部屋は奥まっていたが突き当りではない。
逆側からどんどん霧は侵食してくるだろう。

「ねえジュピ、どうすればいいの!?」

「だ……、ひ…………」

だめだ、もう全然聞こえない。
結界は

…もしかしてロミア様ならなんとかできるんじゃないだろうか。
なんとかできないにしても解決策を教えてくれるんじゃ…?

そう思った私は急いで祭壇の方へ走り出した。
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